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特定健診(1)

 高齢者の増加に伴い増えてくる病気が、癌、脳卒中、心臓病、高血圧、糖尿病、
慢性腎臓病などです。これらの病気に治療には多額の出費が必要です。中でも脳
卒中、心臓病、慢性腎臓病の多くは動脈硬化が原因で発生する疾患で、動脈硬化
を来す疾患として代表的なのが生活習慣病です。従って、生活習慣病を予防する
ことは医療費節減につながります。

 高齢者の医療の確保に関する法律(以下、高齢者医療法)に定められた国が勧
める健康政策の2つの柱が「糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査」(以下、
「特定健診」)と「特定健診の結果により健康の保持に努める必要がある者に対
する保健指導」(以下、「特定保健指導」)です。

 会社に勤務している人に対して行われている事業者健診は労働安全衛生法に基
づいておこなわれるもので、会社の中で従業員がその業務に従事することが可能
かどうかを総合的に判定するのが目的で、企業の産業医は事業者健診の結果に基
づき、その労働者が業務に従事できるかを判定し、「通常勤務」、「就業制限」、
「要休業」の判断を下します。生活習慣などの改善指導などは努力義務となって
おり、必ず実施しなければいけないものではありません。

 今までは、老人保健法による「住民健診」や会社が行う「企業健診」、自治体
が行う「癌検診」など、個別に様々な健診が行われていました。今回の高齢者医
療法では、この4月から「保険者」が生活習慣病とその予備群を発見するために
特定健診実施の義務を負うことになります。

 「保険者」とは、自営業の人が加入する国民健康保険ならば市町村、会社員の
人が加入する健康保険ならば健康保険組合、公務員や私立学校職員が加入する共
済組合で、健診実施義務を負うことになっています。皆保険制度の我が国では、
国民はいずれかの保険に加入していますので、保険者が被保険者、被扶養者全員
に対して健診を行うことになります。(妊婦と厚生労働大臣が定める一部のもの
を除く)

 「特定健診」は、40歳以上75歳未満の国民を対象に、肥満やメタボリック
症候群など生活習慣病とその予備群を発見するため、保険者に義務づけられた健
診(「未病の西洋医学」)です。「特定健診」と「特定保健指導」は、高齢化が
すすむことによる医療費の増加に対して国が医療費抑制のために考え出した政策
です。

 国が掲げた達成目標は平成27年までにメタボリック症候群やその予備群を2
5%減らすのが目的ですが、「特定健診」を実施する義務を負うのは国ではなく
「保険者」としたのが注目点です。

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