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長生きリスク

ほとんどの人が、病気や不慮の事故など、自分の命が危険に晒された場合のことを考えて、たとえば生命保険に入るなどの金銭的な対応策を講じています。
ところがその反対に、80歳、90歳と長生きすること(それは本来おめでたいことなのですが)の裏側に潜んでいるお金の問題については、どうやらまだ関心が低いようです。

 日本人同様、米国人の平均寿命も延びています。米国保健社会福祉省によると、米国の出生時平均余命(同年に生まれた人の50%が生存していると予想される年齢)は、男性が約75歳、女性は約80歳だそうです。現在リタイアメントエイジの65歳の人に特定してみた場合では、それより長く、男性は82歳、女性85歳となります。そして、男性の場合はそのうちの36%85歳、17%90歳まで生存し、女性の場合は全体の30%以上が90歳まで生存すると分析されています。少なくとも夫婦のどちらかが90歳に達する可能性は48%に達するそうです。

 しかし、多くの人はこうした長生きの可能性をあまり意識していません。どうやら、人には宝くじにあたる確率は実際より高く、自分が長生きする確率は、実際より低く見積もる傾向があるようです。では、これがなぜ問題なのでしょう? 研究者によると、自分の寿命を短く予想する人々は、引退後に必要な資金も少なく見積もる傾向にあるといいます。その結果、十分な蓄えをすることができず、老後に資産が底をついてしまうというリスクがあるというのです。

「長生きリスク」を軽減するために

 終身年金や社会保障からの定時収入を生涯にわたって得ることで「長生きリスク」をいくぶん軽減することは可能です。しかし、米国でも日本でも社会保障の財源不足や企業年金の存続問題があります。

 そのため、現在それほど悲観的な状況に置かれていないとしても、今のうちから「長生きリスク」を意識した資産計画をたて、準備を始めることが大切です。引退後の生活に必要なコストを試算することは、自分が思い描くライフスタイルを実現するための近道となります。

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