齢者の水分摂取(2)
<水分をどのように摂取するか>
水分摂取に際しては、水分をどのように摂取するかも考えなければなりません。清涼飲料水には糖分が多く含まれているものが多く、原材料名などをチェックして糖分が多すぎないかを確認することが大切です。
通常、体内の水分量が不足しますと、血清浸透圧が上昇して口渇感を自覚し、水分を摂取して不足分を補います。しかし、高齢者では浸透圧が上昇しても口渇感を自覚しにくくなるため、水分摂取をしようとはしなくなります。
一度に水分を摂り過ぎると、過剰な水を処理するために腎臓に負担がかかり、体内の老廃物を処理しきれなくなってしまいますので、少量ずつ、こまめな水分補給をこころがけ、1回200ml程度を何度かに分けて摂取することが望ましいと思います。
運動をして通常以上の汗をかいたときには、その分の水分補給が欠かせません。補給が十分でないと脱水(熱中症)を起こすこともあるため注意が必要です。水分を補給するときには、一緒に塩分を摂ると吸収、回復が早く、さらに糖分を加えると効果的だといわれています。
薄い塩水を飲むのは、あまりおいしいものではありませんので、糖分(砂糖など)を混ぜることによって、おいしくて飲みやすくなります。これが、スポ
ーツ・ドリンクです。脱水に対しては、水分、電解質の補給が不可欠ですが、普段の水分摂取の基本は、食塩や糖分を含まない水とお茶が望ましいです。
摂取する水の温度 にも注意を払う必要があります。水は冷たいほうがおいしいですが、冷たいものばかり飲むと胃の働きが低下したり、腸を刺激して下痢をしたりする原因にもなります。水の温度は5~15度が腸で吸収しやすいといわれています。
入浴中は汗をかくうえ、お風呂にも利尿作用があるため、入浴前後の水分補給は大切です。お風呂上がりにビールを飲む人がいますが、アルコールには利尿作用があるため水分補給にはなりません。
高齢者は夜中にトイレに起きるといやだから、寝る前の水分摂取を控える人が多いですが、夜寝る前の水は、夜中に血液がドロドロになるのを防いでくれる大切な水です。就寝前や起床時の水分摂取は大切です。
<障害のある場合の水分摂取>
高齢者は多病ですので、病気が障害となって十分な水分補給が出来ないことがあります。失禁などの排泄面が心配で水分補給を控える高齢者もいます。このような時には、排泄面での精神的ケアをすることで、水分補給をさせることが重要です。
嚥下障害のある場合は、水分が気管に入ってしまい、誤嚥するとむせてしまい苦しいので、水分補給を嫌がり脱水症状になってしまうこともあります。また、腎臓病・心臓病などで水分を制限されている場合は、病状に合った適切な水分補給をしなければなりません。
いずれにしても、病気が障害となって水分補給に問題のある場合には、それぞれの病気の専門医に相談して、脱水とならぬよう対策を講じなければなりません。
<水を飲むことによる効用>
よく健康のために水を飲みなさいと言われますが、以下に様々名病気に対する水の効用をあげておきます。
・動脈硬化:血液がドロドロになるのを防ぎ、血流をよくする。
・膀胱炎:尿量を増やすことで膀胱内や尿道の細菌を洗い流すのに役立つ。
・尿路結石:尿を薄めて結石をできにくくし、小さな石ならば尿と一緒に排出
されやすくする。
・疲労:体内の老廃物の排出を活発にし、新陳代謝が盛んになり疲労を回復させる。
・便秘:便をやわらかくして排泄しやすくする。
・肌の老化:肌のうるおいを保つ。
| 固定リンク
「つぶやき」カテゴリの記事
- 証券監視委(2022.11.08)
- 年賀はがき(2022.11.01)
- 自動運転(2022.10.28)
- 東京のアメリカ人(2022.11.04)
- 江戸のお侍さんの勤務形態(2022.11.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント