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健康川柳

 川柳は俳句と共に五・七・五からなる日本の定型詩で、世界最短の詩であります。俳句との違いは、口語が主体で、人間を対象とし、季語、切れ字などの制約がないのが特徴といわれます。

 川柳の3要素として、「うがち」、「軽み」、「おかしみ」の3つがあげられますが、この三つが一つのものとなり、良質の川柳になるといわれます。

 「うがったことを言う」の「うがち」(穿ち)により、表面から見えにくいものや、見落としている事柄に目を向け、明るみに取り出すことにより笑いを誘い、風刺や批評につなげるといわれます。

 「軽み」は、無駄な言い過ぎがなく、さりげなくサラリと言ってのけたことで、深い奥行きや広がりを感じさせ、内容的にもふくらみをもたせるといわれます。

 川柳の「おかしみ」は、じわりと湧いてくる笑い、自然のユーモアで、笑わせるのが目的ではなく、結果であるといわれます。

 ことわざは教訓的ですが、論理的ですので笑いの要素に乏しいですが、川柳は笑いのなかに、ことわざ以上の説得力を発揮することがあります。

 世の中、腹の立つことや思うにまかせないことがいろいろありますが、どうにもならないと思っていたことも川柳で結構笑い飛ばせたりするものです。笑うことでNK細胞(癌細胞を殺す免疫細胞の一つ)を活性化して免疫能を高め、ストレスを解消することにより病に打ち勝つ効果も期待できます。

 最近、現代養生訓としての「健康川柳」が注目を浴びていますが、特に中高年層の共感を得ているようです。
  
 毎日新聞専門編集委員の近藤勝重氏が選者となって「1日1句医者いらず」を毎日新聞に連載していましたが、「近藤流健康川柳」がエビデンス(科学的根拠)にもとづいて、健康で長生きするための秘訣を列挙した「科学的養生訓」として好評のようです。

 以下に代表的な優秀句を紹介します。

・おもいっきりガッテンしてもすぐ忘れ(大阪市都島区 吉田エミ子)

・ねころんで体操するとねてしまう(西宮市 鯉口)

・腰にきた小銭拾えず崩れ落ち(京都市下京区 藤本和男)

・初恋の人も同じか関節痛(天理市 中口信夫)

・口うるさい午睡の妻はおちょぼ口(明石市 浜田力)

・ここにもかゲートボールに王子様(茨木市 松本利博)

・今日もまた別のを食えとみのもんた(東京都新宿区 およよ)

・「ただいま」と見栄と一緒にヅラをとる(大阪市 中城まゆみ)

・お医者さんデータじゃなく私診て(神戸市北区 徳留節)

・やせなさい三段腹の医者が言う(さいたま市 岸保宏)

・神様がゆっくりしなと風邪をくれ(宝塚市 大山登美男)

・悩んでも悩まなくても朝は来る(大津市 たるちゃん)

・あちこちの痛みは生きている証拠(神戸市北区 酒みちる)

・気にしても気にしなくても歳は行き(箕面市 太田本一)

・まあいいや何とかなるが私流(橋本市 西林香菜)

・「美しい」鏡を見つめ言いきかす (高松市 てぬきうどんの女)

・健康のために生きるのもう辞めた(東村山市 お気楽)

 近藤さんは「1日1句医者いらず」の位置づけとして、私たちの体には自然の健康力が備わっていて、「ほどほど」の生活をすることでその力がもっとも発揮されると考えています。例えば、体重でいうと、超肥満は寿命を短くするが、やせすぎもよくない、ほどほどの体重の人が長生きする。ただし、たばこだけは、ほどほどに該当しない。「ほどほど」は大切だが、病気予防の三本柱は「禁煙・減量・減塩」と結んでいます。

 健康川柳の大半は生き方の指針や健康法などに関するものですが、それらの言葉には先人の知恵がぎゅっと詰まっています。「ほどほどの生活」が一番で、昔からガンバリ過ぎを戒めてきたことに改めて気づかされます。

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