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緊急地震速報

 各社で導入時期に違いはありますが、2008年ごろ以降に発売された携帯電話(揺れが予想される地域の利用者)では、大きな警報音とともに気象庁が発した「緊急地震速報」を受信できるようになっています。

 地震発生時には、初期微動の小さな縦波(P波)と主要動の大きな横波(S波)が同時に発生します。P波の伝播速度は毎秒約7kmであるのに対し、S波は毎秒約4km。気象庁はP波とS波の速度差を利用して、震源地に近い地点で観測したP波から主要動のS波の伝播を予測、震源や地震の規模を直ちに推定して警報を発しています。

 緊急地震速報には2種類あり、気象庁はまずの1つ以上の観測点においてP波またはS波の振幅が100ガル以上となるか、もしくは解析によりマグニチュード3.5以上または最大震度3以上と推定されるケースで「高度利用者向け」に速報しています。

 ※ガルとは加速度(速度の変化率)の単位で、1ガルは物体の速度が毎秒1センチずつ速くなる状態で、100ガルは100センチメートル毎秒毎秒=1メートル毎秒毎秒となります。地球上の重力加速度は約981ガル。今回の大震災で震度7だった宮城県栗原市では最大加速度2933ガルを記録しました。

 次に、地震波が2つ以上の地点で観測され、最大震度5弱以上と推定されるケースで「一般向け」に緊急地震速報が発せられます。ちなみに7日深夜23時32分に宮城県沖で発生した地震では、高度利用者向けが地震波検知後3.3秒後、一般向けが同7.4秒後に緊急地震速報が発せられています。

 高度利用者向け速報では地震の発生をいち早く知らせることに重点がおかれており、精度が十分でない可能性があります。緊急地震速報の安易な提供による混乱を招く恐れがあるため、テレビやラジオ、公共施設等の管内放送、携帯電話等で多くの人が見聞きしているのは主に一般向け速報です。

 2つの地震波の伝播速度の差を利用している緊急地震速報は、震源からある程度の距離があれば大きな揺れ(S波)が到達する前(数秒から数十秒前)に地震の発生を報せてくれます。しかしながら、震源地では地震発生直後にP波とS波がほぼ同時に発生するため、震源に近い場所では揺れの到達に間に合わないということが起こります。また、未だ誤報も多く、「またか」と鈍感になっている人もいれば、東日本大震災以降、頻繁に鳴る携帯電話の警報音に神経を悩ませている人が少なくありません。

 精度向上の余地はまだまだありますが、7日のように揺れを感じる数秒前に警報音に接し、身構えることができたのは良かったのではないかと個人的に思います。

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