トイレと品格
今から40年ほど前にアメリカの心理学者が人を対象に実験を行い、次のような結論を導きだしました。
・人は匿名性が保証されている、または責任が分散されているといった状態におかれると、自己規制意識が低下する。
・その結果、情緒的・衝動的・非合理的行動が現われ、又、周囲の人の行動に感染しやすくなる。
現代のネット社会の一面を説明しているようで興味深いですが、上記のことを踏まえて提唱されたのが「割れ窓理論」です。
割れ窓理論とは、割れた窓が放置されたビルは管理されていないことが一目瞭然で、そのまま放置しておくと建物全体の荒廃が進み、さらには地域全体が荒れていくというもので、ビジネスの現場でも採用されています。
例えば、ある小売店でトイレをまめに掃除して清潔に保つように努めた結果、お客や従業員のマナーが良くなったという話も耳にします。
昔は、やって来た営業マンの靴を見ればその営業マンの質が分かると言われていました。本気で考えれば細かいところまで心が行き届くはずという考え方です。
株式市場では「トイレの汚い会社の株は買うな」という人もいます。要は建物などの外見は立派でも、商道徳や企業倫理が欠如している会社はダメだということです。
不祥事を起こす企業というのは道徳や倫理の面でどこか欠落したところがあり、内部管理体制も確立できていない場合がほとんどです。
そうした企業の品格は、経営者の言動や社員の振る舞いであったり、ちょっとした部分に自ずと現われるものです。
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