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2013年12月

年越し蕎麦

 大晦日に食べる蕎麦については、晦日蕎麦、年越し蕎麦、つごもり蕎麦など言い方は様々ですが、由来にもいくつかあるようです。一つは、その昔、あるお寺が、貧しくて年の越せない人々に蕎麦がき(蕎麦粉を熱湯でこねたもの)をふるまったところ、翌年から皆に運が向いてきたことから、「運そば」として広まったというもの。または、もともと商家では、つごもり、つまり月末に蕎麦を食べる習慣があり、それが元になったとする説等々。

 金細工の職人が金粉を集めるのに、練った蕎麦粉を使っていたことから、蕎麦は金を集める縁起物として食され、またはその形状から細く長く達者に暮らせるように願ったとの話や、蕎麦は切れやすいことから、その年の苦労を切り捨て翌年に持ち越さないよう願ったという話もあります。

 痩せ地でも実を結ぶ蕎麦は、雨や風にも強い植物です。風に寝かされても、雨に打たれても翌日には起き直ります。このことから捲土重来(けんどちょうらい)を期す食べ物とも言われています。

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道徳を忘れた経済は罪悪である

 二宮尊徳は貧窮していた生家を再興し、その才を見込まれ小田原藩家老・服部家の財政建て直しを頼まれ、見事に成功、生涯において数多くの財政再建を成し遂げ、一貧農から最終的には幕臣となった財政の専門家です。

 その尊徳が残した言葉をいくつかご紹介したいと思います。


◆貧者は昨日のために今日働き、昨年のために今年働く。
 そのためにいつも苦しんでいて、働きの効果が出ない。
 富者は明日のために今日働き、来年の為に今年働くことから、
 余裕をもって望むことができ、することがほとんど上手くいく。


◆遠きをはかる者は富み、近きをはかる者は貧す。
 それ遠きをはかる者は、百年のために杉苗を植う。
 まして春蒔きて秋実るものにおいてや。故に富有なり。
 近きをはかるものは、春植えて秋実るものをも、なお遠しとして植えず。
 ただ眼前の利に迷うて、蒔かずして取り、
 植えずして刈り取ることのみ眼につく。故に貧窮す。
 

◆貧となり富となる、偶然にあらず。
 富も因て来る処あり、貧も因て来る処あり。
 人皆貨財は富者の処に集まると思へども然らず。
 節約なる処と勉強する所に集まるなり。


◆道徳を忘れた経済は罪悪であり、経済を忘れた道徳は寝言である。


◆キュウリを植えれば、キュウリと別のものが、収穫できると思うな。
 人は自分の植えたものを収穫するのである。


◆富貴天にありという言葉は、
 寝ていても勝手に豊かになると考えている人もいる。
 これは大きな間違いである。
 その意味は、日々励んで、その言動が天理にかなっているときには、
 富は向こうから近づいてくるということだ。

 二宮尊徳は道徳家で、「論語と算盤(そろばん)」を著し「士魂商才」を唱えた渋沢栄一も同質です。世の中をよく治めて人々を苦しみから救うことを「経世済民」と言い、「経済」と言う語はもともとは「経世済民」の略語であったことを踏まえますと、二宮尊徳や渋沢栄一の言葉や為してきた事にこそ発展の本質があるものと確信できます。

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江戸の型屋

 色糊で布地に文様を印刷する捺染染色法(なっせんせんしょくほう)と言う染色技法があります。和更紗(わざらさ)・中形・小紋・友禅などに応用される技法です。染色する布地に、模様を彫り抜いた厚紙を当てて、上から色糊などを塗り、布地に模様を染め上げるのですが、この「模様を彫り抜いた厚紙(型付紙と言います)」を作る職人さんが、「型師」と呼ばれる職人です。

 厚紙をカッターナイフの様な小刀で、型を切り抜き、型付紙を作成したり、あらかじめ型が彫られているポンチの様な器具を、小型のカナヅチを使って 紙に打ちつけ、型を抜いたりします。いずれにせよ、根気と手先の器用さを要求される仕事です。

 「名倉」とは、江戸期、千住にあった骨接ぎの名医とされる医院です。開業は明和年間(1764~72)で、「千住の骨接ぎ」「骨接ぎの名倉」として有名でした。

 現・JR及び地下鉄北千住駅の西口を出て、駅前商店街の賑わいを避けるように、旧日光街道ほ右折すると、江戸時代の街道の気配を残す様な道が、荒川土手にぶつかります。そして、その手前に「名倉整形外科医院」という 医院がありますが、これこそが、江戸期の「骨接ぎの名倉」の現在の姿です。 現在、医院の駐車場として使われている場所の奥に、ちらりと長屋門が見え、古めかしい看板も見えます。この看板を掲げている棟屋が、江戸時代の診療所だった旧家屋です。「名倉」は江戸期から、脈々と骨接ぎと言う整形外科診療のノウハウを受け継ぎ、守って来た医院です。

 現在でも、旧母屋、診療所、待合室などが残り、診療所は畳三十畳ほどの広さ。江戸期には、患者数が少なくて一日三百人、多い日は七百人も押し寄せたと言います。そのため、診療の順番待ちをする患者さん専用の宿屋が五軒もあったと言います。現在の名倉整形外科医院は、りっぱに営業している医院ですので、診療日に訪れれば、敷地内の旧家屋を見学する事ができます。

 しかし、いくら名医とは言え、江戸期の医者です。骨折に対して、現代の様に切開手術をして、折れた骨を金属のビスでつなぎ合わせる、なんて治療が出来る訳ではありません。骨折に対しては、折れた骨を、外部から(筋肉の上から)麻酔無しで、位置を修正してつなぎ合わせ、添え木をして固定する程度の対処法しかありません。

 「石見(いわみ)銀山ねずみ取り」と言う商売は、ネズミを取る殺鼠剤を売る商売です。 銀山など、銀が採掘できる土地は、銀の副産物として、「砒素(ひそ)」が取れるのです。当然、砒素は猛毒、これを餌に混ぜて、ネズミに食べさせ、駆除するのですね。石見は、現・今の島根県の西部。石見銀山とは、そこにある銀鉱で、石見銀と言う、運上銀として鋳造した形・目方とも不同の灰吹銀(はいふきぎん)が製造されていました。

 

 江戸研究のバイブル「守貞謾稿」より、この商売を現代語訳してお届けします。『鼠取り薬 鼠毒殺の薬を売る。三都ともその扮装は似たもので、小幟(こばた)を携えています。小幟は木綿の太物製で、長さは五尺(約152cm)ほど。紺地に白で字が染めてあります(下図参照・■の位置には、小皿に乗った殺鼠剤入りのエサを食べているネズミのイラスト)。京阪での売り声は「猫いらず、鼠とりぐすり」と言い、江戸でも当初は同じ売り声でしたが、現在では「いたづらものは居ないかな」と言います。現世、破落戸(ごろつき)をいたづら者と言うので、鼠を破落戸に例えたもので、今はもっぱらこの売り声で す。』とあります。現代の「薬事法」の様な法律が無かった江戸時代。ネズミどころか、人間まで殺害出来る様な猛毒を、白昼、平然と売っていたのです。ちょっと恐ろしいですね。

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カシミヤ

 しなやかで軽く、暖かく、上品な光沢を持つ『カシミヤ』。貴族たちの間で大流行し、『繊維の宝石』とも呼ばれ、今では世界中で広く愛されています。かつては数万円もした高級品カシミヤ100%のセーターですが、最近は1万円以下で続々登場しています。

 ご存知の方も多いと思いますが、カシミヤは中国の内モンゴル自治区からイラン、アフガニスタンにかけて放牧されているカシミヤ山羊(やぎ)に冬に生える産毛(うぶげ)で、春に櫛(くし)ですいて採集し、一頭から採れるのはわずか150グラム程度。セーター1枚編むのに約4頭分、コートになると約30頭分もの原毛が必要になるそうです。

 これまではヤクの毛を混ぜるなどの不正が見られましたが、最近は「カシミヤ100%」の虚偽表示はほとんどなくなったようです。ただ、最高品質とされる「内モンゴル産」(チャイニーズ・カシミヤ)には明確な基準がなく、また技術的に原料産地を特定するのは不可能だそうで、他産地の原料をブレンドしているケースが少なくないようです。

 購入時は、手で触ってチクチクする感じがないか確認し、同じデザインなら締りがあって重いほうを選ぶのが良いそうです。 

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江戸の肝事情

 「肝(きも)」とは、広義には、人間を含めた動物の内蔵全般を指しますが、狭義には、人間を含めた動物の「肝臓(かんぞう)」を指します。

 肝臓は、胆管で胆嚢(たんのう)を介して、腸に連なる体内最大の腺性器官で、胆汁(たんじゅう)の生成と分泌など中間代謝の中枢的役割を果す他、グリコーゲンの合成・貯蔵・分解、血糖分泌、血漿蛋白などの合成、解毒などを司る重要な器官です。

 古来中国では、人間の臓器を含む、色々な動物の臓器を漢方薬として用いて来ました。現代の科学では、戌の年戌の月戌の日に生まれた人の肝臓と、それ以外の日に生まれた人の肝臓の成分が違う事はあり得ないので、迷信としか取られません。しかし、陰陽五行説などの占いが尊ばれた時代では、それなりの説得力を持っていた薬ではありました。

 その漢方薬で、肝臓に付随する「胆嚢」ですが、これは肝臓が作った胆汁と言う、総胆管を経て十二指腸に注ぎ、腸における脂肪消化を助け分る泌液を一時貯蔵する臓器です。そして、熊の胆嚢こそ、かの有名な漢方薬「熊胆(くまのい・のうたん)」です。しかし、膏薬(外用貼り薬)だけではなく、せっかく熊を獲ったなら、当然、熊胆も取って売っていた事でしょう。私は飲んだ事ありませんが、熊胆はとても苦い薬だそうで、古くから、腹痛・気付・強壮用として珍重されて来ました。

 熊胆は、成体のツキノワグマ(体重120Kg)から、約200gしかとれません。江戸時代の初期、明(みん)の本草学者・李時珍(りじちん・1518~93)が書いた「本草綱目」と言う本が伝わり、熊胆の効能が有名になります。しかし、一頭の熊から200gしか取れない貴重品ですので、値段も高価でした。 熊胆一匁(いちもんめ=3.75g)と金一匁が同じ値段で、米一俵分(約60Kg)に相当しました。

 しかし、効能が優れていると言うので、江戸期の人達は良い熊胆を手に入れるために色々な手を尽くした様です。徳川将軍も入手を希望しましたので、幕府は「またぎ」の本場秋田藩に、熊胆を上納させています。文化十二年(1815)、十一代将軍・家斉公の時世、老中の土井利厚から、熊胆の上納を求められた秋田藩は、国元から極上の熊胆「三具(三個)」取り寄せ、一具ずつ奉書紙で包み、三包を箱に入れて幕府に差し出しています。幕府からは「献上物」として納めよと言う命令ではなかったので、「上納物」として扱い、箱の上には、通常の献上物に書かれる「進上」ではなく、「熊胆 三具佐竹徳寿丸(時の佐竹藩主・佐竹義厚(よしひろ))」と書かれていました。

 さらに、かの名奉行として名高い、遠山の金さんこと、遠山金四郎景元も熊胆を求めています。金四郎は、天保十一年(1840)三月に北町奉行に就任しますが、それまでは勘定奉行でした。そして、天保十一年四月に、豊田友直さんと言う旗本が、飛弾郡代に任命され、飛弾高山(現・岐阜県高山市)にある郡代の陣屋へ向かいました。勘定奉行と郡代は、勘定所の上司と部下になります。すると、金四郎は「元上司」と言う威光を嵩に、豊田さんに熊胆を送らせています。豊田さんが残した日記は、豊田友直日記として後世に残ったのですが、そこに金四郎から熊胆を頼まれた記録が出ているのです。江戸を出発する前に、金四郎から「正真の熊胆」を調達してくれと頼まれます。当時民間では、うさぎ、たぬき、きつねなどの胆嚢も「熊胆」と称して売られていましたし、あやしげな偽物も多く出回っていたのです。四月十一日に江戸を発った豊田さんは、二十六日に高山の陣屋に着き、五月二十七日に熊胆を入手しています。

 それは徳兵衛さんと言う百姓が持っていたもので、長さ四寸五分(13.6cm)、幅二寸八分(8.5cm)、厚みが二分五厘(7.6mm)、重さ十八匁七分(70.1g)の物で、代金は熊胆一匁が銀五十五匁なので、金にして十七両二朱(現代価格換算約二百五十六万円程)になります。その熊胆を取った熊は、前年の十一月に加賀(現・石川県)白山の前山で捕獲されたもので、「最極上の熊胆」と言う事でした。早速、豊田さんは高山町の薬種屋で、熊胆の鑑定に優れている半右衛門さんと言う方に鑑定させると、たしかに「極上」と鑑定されたので、それを購入し、金四郎の元へ送っています。ちなみに、熊胆の鑑定方法は、茶碗に水を入れ、そこへ粟粒ほどの熊胆の粉を落とします。良い品ならば、くるくると早く回りながら茶碗の底に沈み、速やかに消えてしまう。ところが、質の悪い熊胆は、茶碗の中で回るのが遅く、消えるのも遅いそうです。                                                                

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年の瀬

 本日発表された11月の有効求人倍率は6年1カ月ぶりに1倍台に乗せ、同月の全国の消費者物価指数の上昇率は5年ぶりに1%台を超えました。為替は一時5年2カ月ぶりの円安・ドル高水準となり、1996年の日米合意後、膠着を続けてきた普天間基地返還問題は大きな転機を迎えようとしています。

 この1年、日本の状況は確実に変化してきました。その変化は様々なところにあらわれてきており、年の瀬の食材を買い求める人でにぎわうアメヤ横丁(アメ横)では、今日から大晦日までの5日間、200万人を超える過去最高の人出を見込んでいるそうです。

 ちなみに、アメ横の客数は景況感を敏感に反映する指標でもあり、1999年の集計開始以来の最多は2009年の208万人ですが、今年は景況感の改善に加え、「あまちゃん」効果と「和食」の無形文化遺産登録による外国人客の増加などが期待されています。

 今年も様々なことがありましたが、その1年もいよいよ年の瀬です。

 「瀬」とは川が浅く流れが急なところを指していますが、一年のうちでもこの時期は急き立てられるように時間が経過することから「年の瀬」と言います。

 振り込みやクレジット決済などなかった昔の商売は掛売りが主流で、代金の回収やお金の工面やらで「盆暮れ」のあわただしさは尋常ではなかったそうです。昔の人にとって、何かと忙しい年の暮れを乗り越え、無事に新年を迎えることは、急流を舟で越すような感覚に近かったのかもしれません。

 宝井其角と赤穂浪士の大高源吾が交わした次のような歌があります。年の瀬を越したその船は、きっと宝船に相違ありません。

 「年の瀬や 川の流れと 人の身は あした待たるる その宝船」

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和 食

 本来の日本料理は素材そのものの風味と味を活かし、素材のよさを引き立たせる調理法に特徴があり、濃厚な味付けを主とするフランス料理や中華料理とその点で大きな違いがあります。

 また、食材の下処理にも手間と時間をかけ、それを為す上で重要な「切る」という所作にも重きを置くため、料理人はまな板と関連付けて「板前」などと呼ばれます。割る(切る)こと、つまり切ってそのまま食べるのが第一で、烹る(煮る)、つまり煮たり焼いたりした料理が従であるとする「割主烹従(かっしゅほうじゅう)」の姿勢から、「割烹」という言葉が料理そのものを表す表現となっています。

 美しく見せる技法としては、三種類の料理を三点に分けて盛り付ける「三種三点盛り」などがあり、あえて「三割の余白」を残す盛り付け方も日本料理の奥深さです。また、汁物とおかず3品の「一汁三菜」は、日常的な食事の基本的な構成です。

 ちなみに、このほど国連教育科学文化機関(ユネスコ)が無形文化遺産への登録を決定した「和食」という概念は、日本料理の年中行事との結びきや、四季や地理的な違いによる多様な食材、美しい盛りつけを特徴とする日本人の伝統的な食文化そのものを差しているそうです。

 ところで、フランス料理と中華料理、そしてトルコ料理を指して「世界三大料理」と呼びます。

 イタリア料理でも、インド料理やタイ料理でも、日本料理でもなくなぜトルコ料理かと申しますと、諸説ありますが、欧亜を結ぶ交易の中心地でありイスラム圏でもあるトルコの料理が欧州の食文化に与えた影響、いずれも宮廷料理として発展してきた共通の歴史的背景、19世紀後半頃の欧州から東方を見て世界を代表するのに相応しかったのがこの三国の料理だったのではないかと思われます。

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素 数

 素数とは、1 と自分自身以外に正の約数を持たない、1 でない自然数(正の整数)のことです。紀元前から数学者が研究を重ねているそうです。

 100以下の素数は、小さい順に次のようになります。2, 3, 5, 7, 11, 13,17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97

 このように不規則なのです。未だに解明されていない素数に関することは多数あるそうです。円周率も素数に関係あるそうです。

 十進記数法は人間が考え出したものだと思っていましたが、人間が発見したものだったのです。最大の素数は、今年1月に発見されたそうです。俄然、興味が湧いてきました。

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訪日外客数

 国土交通省の外局である観光庁所管の独立行政法人・国際観光振興機構、通称「日本政府観光局」の発表によりますと、11月の訪日外客数は前年同月比29.5%増の84万人となったようです。

 11月としては初の80万人台乗せで過去最高を記録、1月から11月の累計では949万9千人となり、政府目標である史上初の年間1000万人が見えてきました。

 国別では、中国、台湾、香港、タイ、インドネシア、ベトナム、インドの各国からの訪日客が11月としては過去最高となっています。一時落ち込んでいた中国からの訪日客数の復調は目覚ましく、9月から3カ月連続で毎月の過去最高を記録しています。

 ちなみに、観光庁の訪日外国客消費動向調査によりますと、訪日外国人の1人当たり買い物代は中国人の11万3703円が断トツに多く、2位のロシア人の6万8300円の倍近い支出となっています。

 尚、政府は2030年までに外国人旅行者数を3千万人に増やす計画です。また、2014年度から日本を訪れる外国人旅行者が商品を購入する際の免税対象を全品目に拡大する方針を固め、訪日外国人の消費拡大につなげようとしています。

http://www.jnto.go.jp/jpn/index.html

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ヒートショック

 暗くなるのが早く、日ごと寒さが厳しくなるこの時期は、あたたかなお湯につかって一日の疲れを癒すのが楽しみの一つです。

 熱めのお風呂が好きな方もいらっしゃるかとは思いますが、心身ともに癒すには40度くらいの熱くない程度のお湯に10分以上つかることが効果的だそうです。そうすることで副交感神経が刺激され、リラックス効果が高まるとともに眠りにもつきやすい状態となります。

 ただ、気をつけなければいけないのは、暖房の効いた部屋とそうでない浴室や脱衣所との温度差です。

 脱衣所や浴室、トイレなどで倒れ死亡にいたるケースは年間1万件以上あると言われ、その原因は急激な温度変化にあります。急激な温度変化による血圧の急上昇や急降下、いわゆる「ヒートショック」は血管がもろくなっている高齢者ほど脳出血につながりやすくなります。

 対策としましては脱衣所や浴室の温度を上げ、住まい全体の温度差をなくするのが重要です。

 ところで、風邪をひいたら入浴を控えるというのが一般的かと思いますが、そのことの科学的・医学的根拠はないそうです。

 外湯、つまり銭湯が一般的だった頃、湯冷めして症状を悪化させることが多かったためにそのようなことが言われてきた経緯があり、海外では風邪を引いたら熱を下げるためにお風呂に入るといった日本とは全く逆の習慣もあります。

 現在は、風邪を引いた場合でも高熱がないなどの条件付きで入浴を認めている医師が多いようです。汗を流してすっきりした気分で寝つけるという効果も期待できますが、何より重要なことは、お風呂から出た後、ほてりを冷ました上で、湯冷めをさせないことです。

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ウーマン・オブ・ザ・イヤー 2014

 日経BP社の女性誌「日経ウーマン」は先日、今年各界で最も活躍した女性を表彰する「ウーマン・オブ・ザ・イヤー 2014」を発表しました。

 過去には、DeNAの南場智子さん、都市計画プランナーの西郷真理子さん、世界初の裸眼(専用メガネなし)3Dテレビを開発した東芝の福島理恵子さん、ユニクロで「ヒートテック(発熱保温肌着)」などの大型ヒット商品を開発してきた白井恵美さんらが受賞してきましたが、今年の大賞にはサントリーホールディングスCSR推進部の佐藤真海さんが選ばれています。

 佐藤さんは骨肉腫を発症し、右足の膝から下を切断というハンデを乗り越えてパラリンピックに3度出場、今年9月に行われたIOC総会の最終プレゼンテーションでは2020年オリンピック・パラリンピックの東京招致に大きく貢献しました。

 他にも、バイオベンチャー・ペプチドリームの起業と上場をリードした片田江舞子さん、国民的大ヒットドラマ「あまちゃん」で斬新な番組ロゴやキャラクターをデザインし岩倉暢子さんらが賞を受賞しています。

 ちなみに、今年の取引を締めくくる30日の大納会では、ウーマン・オブ・ザ・イヤー大賞受賞の佐藤さんが東京証券取引所の鐘を打ち鳴らします。

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越冬隊

 街並みがきれいに飾り付けられ、だれもが楽しそうに笑いながら通り過ぎていくこの時期に、恋人がいないため一人で過ごす人のことを『越冬隊』というそうです。

 これは、ひとりぼっちで寂しく凍えるような心の状態を、南極の寒さの中でがんばる越冬隊にひっかけたものです。確かにそう言われてみますと、幸せそうに寄り添って歩くカップルが最近目につきます。クリスマスイブを二人で過ごし、大晦日も一緒に出かけ、初詣でをして新年を迎えるのでしょう。

 それなのに自分は一人だと考えると、とても惨めに感じるかもしれません。まわりの明るさに入っていない自分を感じてしまう。こうした孤独感を感じるのは若者だけではなく、中高年の人たちも同じようです。

 米国では、クリスマスの時期に自殺が増えるそうです。幸せそうな人ばかりが目に入ると、自分がやけに惨めに思えてきて、生きていくのが辛くなってくるのでしょう。こうなると、行き交う他の人がみな幸せに見えてくるから不思議です。

 しかし、本当のところは分かりません。少し前まで大喧嘩をしていて何とかよりを戻そうとしているのかもしれません。表面上は親しそうにしていても、二人の仲が冷え切っていることだってよくあります。人間関係は色々ありますし、時間が経てばそれも変わってきます。人の気持ちは、その時々で変化します。

 しかし、自分の世界に没入してしまうと、そうした細かな変化が目に入らなくなります。幸せか不幸せか、二者択一でしか考えられなくなり、自分は不幸だと決め付けてまわりを見るから、まわりの良い面しか見えません。そうなればなるほど自分の惨めさが目について、辛くなって、じっと越冬隊を決め込むしかなくなります。

 そうしたとき、ちょっと足を踏み出してまわりを見渡してみると、また違った景色が目に映るかもしれません。この時期、そのいつもとは違った景色を楽しむのもまた興味深いものです。

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創作四字熟語

 三井住友生命は先日、年末恒例の「創作四字熟語」を発表しました。およそ7400作品の中から、下記を含め10作品が優秀作として選ばれています。

 
 「何時答今」いつとうこん(異口同音)

      *いつ?「今でしょ!」 流行りましたね。


 「jj日々」じぇじぇひび(是々非々)

      *広い世代に支持された「あまちゃん」。これも流行語からです。


 「倍倍繁盛」ばいばいはんじょう(商売繁盛)

      *これもドラマからで、「倍返し」が流行しました。


 「似せ海老」にせえび(伊勢海老)

      *メニューの偽装表示が相次ぎ発覚しました。

https://cam.sumitomolife.co.jp/jukugo/2013/yusyu.html

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今年の十大ニュース

 次から次へと事件や事故、災害が相次ぎ、新聞やテレビでは毎日たくさんのニュースが報じられています。そういったニュースが多いため、ほんの数か月前に起こった出来事も数年前の事のように感じられるときさえあります。

 ところで、毎年恒例ではありますが、在京の新聞と通信社8社の社会部長が選ぶ「今年の十大ニュース」が発表されていますのでご紹介したいと思います。改めて今年はこういう年だったことが思い起こされます。

  1)特定秘密保護法成立、「知る権利」論議に

  2)2020年東京五輪・パラリンピック決定

  3)異常気象相次ぐ、伊豆大島で土石流災害

  4)徳洲会事件摘発、猪瀬都知事にも波及

  5)参院選で安倍自民大勝、ねじれ解消

  6)福島原発の汚染水問題など震災の影響なお深刻

  7)衆参の1票の格差に初の違憲・無効判決、最高裁は衆院「違憲状態」

  8)東北楽天日本一、マー君24連勝、被災地に元気

  9)アルジェリアのプラントで人質事件、日本人も10人死亡

 10)柔道などスポーツ界で体罰問題相次ぐ

 番外)富士山が世界文化遺産に
 番外)テレビドラマに活気、「あまちゃん」「半沢直樹」

 上記にも入っておりますように、今年は豪雨や猛暑が印象に残りますが、日本気象協会が発表した「2013年お天気10大ニュース」では、成人の日に首都圏で大雪、北海道で猛吹雪による遭難、過去に経験のない大雨、高知県の四万十市で国内最高気温41.0度、竜巻による大きな被害、台風18号が本州縦断、伊豆大島で台風26号による豪雨被害などがあげられています。

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和 食

 今年も残すところあと僅かとなってまいりました。今年6月には富士山の世界遺産登録、9月には2020年東京オリンピック招致に成功、そして今月12月4日。ユネスコが『和食』を無形文化遺産に登録することを決定しました。

 食関連の無形文化遺産では「フランスの美食術」、「地中海料理」、「メキシコの伝統料理」、「トルコのケシケキ(麦がゆ)の伝統」などが既に登録されており、「和食」は5件目となります。

 今年は日本を世界にアピールできるニュースやイベントが相次ぎ、これをキッカケに今後さらに日本文化の一つ『和食』に対する世界の関心が高まることは必至です。

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東京五輪詐欺

 人には「儲けたい」という気持ちが大なり小なりあるもので、そのような心につけこむ詐欺商法は昔からありました。「あなただけ、今だけ、ここだけ」の常套句で誘ういわゆる「うまい話」です。

 「当選しました」などと電話やメールで連絡し、賞金支払いのための手数料を振り込むよう誘導する「当選商法」、「家にいながら簡単に高収入」などと勧誘し、先に登録料やテキスト代の名目でお金を振り込ませる「内職商法」なども被害にあったという話をよく耳にします。

 未公開株を巡る詐欺も昔からありますが、最近は手が込んでいます。

 Aさんは、未公開株販売業者から電話がかかってきて「値上がり確実」というB社の未公開株の購入を勧誘されましたが、怪しげな話なので一旦は断ったそうです。その数日後に、今度は未公開株買取業者から電話がかかってきて、B社の未公開株ならば高値で買い取りますと言われます。これは間違いないと思ったAさんは、販売業者に連絡をして未公開株を購入を決めてしまったそうです。

 もちろん詐欺なのですが、これに留まらず次々と別の業者から連絡があって傷口を広げ、被害にあったことを自覚した後も、その焦りから新しい(嘘の)投資話に乗ってしまうというケースもあります。ちなみに、一度被害にあった人はかえって騙されやすく、二次被害に遭いやすいそうです。

 別の住所・電話番号であっても、販売業者と買取業者を同じ詐欺グループが演じているケースが多く、例えば販売業者は予想初値が120万という未公開株を50万円でどうですかと勧め、買取業者はその株を予想初値を少し下回る110万で買い取るともちかけます。買取業者も儲かるということで話に現実味が加わり、この未公開株を購入すれば上場しても買取業者に転売しても儲かることになるためリスクがないと思ってしまうそうです。

 「原野商法」といわれる詐欺も以前からある手口で、原野などの価値の無い土地を「新幹線が予定されている」とか「必ず値上がりする」などの誘い文句で言葉巧みに売りつけるやり方です。

 「株の買い付け代金の二割だけ出せば、残りの八割は低利で融資するので、少ない資金で大きな取引ができる」のうたい文句で投資家を誘い、実際には融資も株取引もさえも行わずに資金だけを騙し取る、いわゆる「二八商法」という悪徳商法もあります。

 9月以降増えているのが「東京五輪詐欺」です。2020年開催の東京五輪の入場券がもらえるなどと持ち掛け、事業投資や株売買を勧誘する手口で、実際に被害が発生しています。

 「東京五輪で不動産が見直される。ファンドに投資すると高い配当金がもらえる」といった偽の投資話や「全国500人限定」「投資パンフレット」「1口20万円で利回り9.5%」などの言葉を織り交ぜながら、異なった役回りの複数人で話をすすめるのが手口だそうです。

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カリフラワー

 「花野菜」とも呼ばれ、晩秋から冬にかけて旬を迎える「カリフラワー」。「ブロッコリー」と似ていますが、「ブロッコリーは緑色」で「カリフラワーは白色」といった具合に見分けがつきます。

 最近は品種改良でオレンジや紫色のカリフラワーも登場しており、食卓に彩りを添えてくれます。原産地は地中海沿岸。日本に入ってきたのは明治初期で高度経済成長期の食生活の多様化に伴い、急速に普及しました。

 現代人に必要なミネラル、食物繊維、そしてビタミンCを多く含み、ゆでた時の損失分が他の野菜に比べて少ないのが特徴で、美肌やがん予防効果が期待出来ます。

 鮮度が落ちやすいので早めの調理が必要で、選ぶ際はつぼみの締まりが良く、ずっしりと重みがあるものを選ぶと良いそうです。

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年末年始の国内旅行

 年末年始の国内旅行の予約は例年にない伸びとなっており、今年は最大9連休も可能な日並びの良さから、出発日を年末と年始に分けて複数回旅行に行く例が目立つそうです。海外旅行については円安が逆風になるはずですが、日並びの良さと賞与の増加、マインドの改善から今年の年末年始の海外への旅行者数は過去最高だった1996~97年の68万人を超える可能性もあるとのことです。

 好調なデータや前向きな話が本当に多い今日この頃ですが、日本郵船の客船事業が5期ぶりに黒字に転換したというのも明るいニュースです。

 豪華寝台列車「ななつ星in九州」が繁盛しておりますように、豪華さや高級・優雅なものにお金をかける高額消費が伸びており、「利用客の満足度が最も高い」と言われる豪華客船での船旅(クルーズ)も人気となっています。

 郵船の客船事業をけん引するのは、「クリスタル・シンフォニー」などで巡る米富裕層向けの豪華クルーズですが、「飛鳥2」で日本近海やアジア方面を2日3泊程度で巡る10万円台~40万円のクルーズも好評のようです。

 ちなみに、国土交通省がまとめた12年の国内クルーズ人口(内航・外航合算)は前年比16%増の21万7000人で、11年ぶりに20万人を超えたことが明らかになっています。また、経団連は先月、大型客船で各地を回るクルーズ観光を国家戦略として推進し、全国各地の活性化や雇用創出につなげるべきとする提言を行っており、この分野の市場拡大が期待されています。

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子供の名前

 名付けの傾向はその時の世相や時代の気分を反映するとともに、メディアに取り上げられることが多かった著名人の名前も命名に影響します。

 2013年生まれの子供の名前の調査結果を発表した明治安田生命保険は、今年の名付けの傾向から、男の子の名前からは「大きなスケール感やおおらかさ」「明るい将来に力強く羽ばたいてほしい」との願い、女の子の名前からは「人との結びつきを大切に健康に育ってほしい」と願う親の気持ちが伝わるとしています。

 ちなみに、2013年生まれの子供の名前(表記)ベスト5は下記のようになっています。※カッコ内は読み方。

 <男の子>   
   1位 悠真(ユウマ、ハルマ、ユウシン)
   2位 陽翔(ハルト、ヒナト、ヒロト)
   3位 連 (レン)
   4位 大翔(ヒロト、ダイト、ハルト、ヤマト、タイガ、マサト) 
   同  湊 (ミナト)

 <女の子>
   1位 結菜(ユイナ、ユナ、ユウナ)
   2位 葵 (アオイ)
   3位 結衣(ユイ)
   4位 陽菜(ヒナ、ハルナ、ヒナタ、フナ)
   5位 結愛(ユア、ユナ、ユウア、ユイア、ユメ)

 尚、男の子では競泳の立石諒選手の「諒」やサッカーの長友佑都選手の「ユウト」、女の子では子役の芦田愛菜ちゃんの「愛菜」、NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」から「ユイ」などの読みも目立つようです。
http://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/index.html

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ドローン

 米アマゾンは、ドローンと呼ばれる小型無人飛行機で、ネットでの注文から30分以内に品物を顧客に届ける「Prime Air」なるサービスを開始する計画とのこと。実用化には数年掛かるらしいですが、技術的にも法的にも実現のための環境・準備は整っているようです。凄いですね。UFOのような形をしたドローンが、お客様の家の前まで品物を積んで飛んでいって、そこに置いてくるようなのですが、これって出来る地域に限界がありますよね。日本ではほぼ実現不可能かと。マンションの窓ガラスにぶつかって事故が起きそうです。広大な土地に一軒家で庭付きが基本のアメリカでないと無理ですかね、やはり。そういえばオバQでもアメリカ帰りの彼はドロンパだったな。日本ではコンビニ・郵便局網を使った方向に進化するのでしょうか?今後が楽しみです。

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黙って働き 笑って納税

 最近読んで面白かった本がこれ。『黙って働き笑って納税 戦時国策スローガン傑作100選(里中哲彦著、現代書館)』。

 この本、戦時中に国民を鼓舞するために使われたさまざまなスローガンをズラリと羅列。掲載されてるスローガンはいずれもインパクト満点で、戦時中の日本にはセンスのあるコピーライターがいたもんだ、と感心することしきりです。

 「贅沢は敵だ」「欲しがりません 勝つまでは」あたりは非常に有名ですが、他にも「飾る心が すでに敵」「日の丸持つ手に 金持つな」「人並と思ふ心が奢りの心」「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」「まだまだ足りない 辛抱努力」など、質素倹約を説くスローガンがこれでもか!と並びます。

 これからは忘年会シーズン、お酒を飲む機会が増える時期ですが、「酒呑みは瑞穂の国の寄生虫」「今は節米 酒は飲むまい」なんてのを読まされた後だとお酒もちょっと飲みにくくなるってなモンで。

 当時は戦費調達のため国債購入が奨励されてたそうで、「ちょっと一杯 いや待て債券」「胸に愛国 手に国債」なんてのも。

 政府は国債を売ってでも戦費にしたかったわけですから、できるだけ税金も徴収しようとしたのは至極当然。タイトルになってる「黙って働き 笑って納税」をはじめ、「勇んで出征 進んで納税」「権利は捨てても 義務は捨てるな」など納税義務を説いたものも目立ちます。何がなんでも税金を納めさせようという並々ならぬ決意には、現代のマルサも舌を巻くであろうこと必至ですね?

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四十七士討ち入りの日

 旧暦の十二月十四日(実際は十五日の午前三時頃)は四十七士討ち入りの日です。月の満ち欠けを基準にした旧暦の十四日・十五日頃はほぼ満月であるため、夜中に行動した彼らの足元は月明かりと雪明りで明るかったはずです。

 上は余談ですが、赤穂浪士や交響曲第9番ニ短調作品125(第九)が話題になりますと、否が応でも暮れが押し迫ってくる感じがいたします。

 浄瑠璃や歌舞伎の演目「仮名手本忠臣蔵」に、大石内蔵助が「一打ち、二打ち、三流れ」の山鹿流陣太鼓を叩く名場面があります。大石内蔵助も門弟のひとりだったとされる山鹿流軍学の始祖・山鹿素行(やまがそこう)は、陸奥国会津の出自で、朱子学を批判したことで江戸を追われ、流罪先の赤穂藩で厚遇をもって召し抱えられます。

 時が過ぎ、長州藩に生まれた杉虎之助は、幼くして山鹿流兵学師範の吉田家の養子となり、やはり叔父で山鹿流の兵学者であった玉木文之進から苛烈とも言える教育を受けます。この杉虎之助が、後に明治維新の精神的な支柱となった吉田松陰です。

 こういったこと考え合わせますと、歴史の巡りというのは皮肉と言いますか、不可思議なものを感じます。

 ところで、山鹿素行の言葉に「常の勝敗は現在なり」というのがあります。勝敗を決するものは常日頃の中にあるというこの言葉、勝負の世界に生きる人に限らず心したいものです。

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今年の漢字

 今の時期は来年のことよりも、今年を振り返るような話題が多いのですが、昨日発表された「今年の漢字」もその一つです。

 「今年の漢字」は日本漢字能力検定協会が募集し、一番多くの票を集めた漢字を、その年を表す世相漢字として発表する年末の恒例行事。今年は17万0290票の応募の中から9518票(5.6%)を集めた「輪」が選ばれました。

 五輪招致や世界遺産登録の決定をたくさんの人が輪になって喜び、台風や集中豪雨などの自然災害では支援や助け合いの輪が広がりました。また、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の交渉により、アジア太平洋地域の「輪」に入るかどうかという点でも注目が集まっている。このようなことが「輪」を選んだ理由としてあげられています。

 清水寺の貫主(かんす)によって大きく揮毫(きごう)された「輪」の一字は、奥の院のご本尊・千手観世音菩薩に奉納され、清められるそうです。

 そして本日13日は新しい年を迎える準備を始める「事始め」。千葉県の成田山新勝寺では恒例の煤(すす)払いが行われます。

 煤払いは、歳神様をお迎えするために一年分の汚れを落とし、その年の厄祓いを行う神事で、この日は「煤取(すすとり)節句」とも言われます。正月飾りに使う松を山から切ってくる「松迎え」も本来は13日に行われます。

 またこの日は、華やかな色紋付の祇園の舞妓さんが芸事の師匠にあいさつして回る日でもあります。今年も無事にお正月の準備を出来ることを感謝する意味と来年のお願いを込め、「おめでとうさんどす。どうぞ相変わりませずおたのもうします」と。

 この時期は、今年ついた煤を落とし、諸々の準備で忙しく動きながらも、しばらく連絡の途絶えている恩人のことをふと思ったりします。

  「事始 忘れし恩のおもはるる」 松瀬 青々

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改正道路交通法

 改正道路交通法が12月1日から施行されました。今回の改正では自動車の無免許運転に関する罰則が強化された他、自転車の通行に関するルールも変更になっています。

 これまで歩道や路側帯(歩道のない道路のうち、車道と白線で隔てられた道路の端の部分)では自転車は左右どちら側を通行してもOKでしたが、12月から、自転車が路側帯を走る場合は車道と同じ進行方向左側を通行することが義務化されました。

 違反した場合には検挙の対象となり、懲役3か月以下または5万円以下の罰金が科せられます。これまでは自転車の路側帯通行に規定になく、障害物を避けるためなどで自転車が車道側に大きく膨らむことがよくあり、自転車同士やバイク、車との出合い頭や正面衝突の事故が頻発していました。今後「自転車は左側」を周知徹底することで、このような事故の減少が期待されています。

 自転車に乗っていますと自動車を危ないと感じることが多々ありますが、自動車に乗っていますと走行している自転車に危険を感じたりします。両方の視点を持ちながら安全に通行したいものです。

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ブ リ

 「師走の魚」と書いて『鰤』(ブリ)。「寒ブリ」とも呼ばれ、寒くなるにつれて脂が乗って美味しくなります。刺し身・照り焼きなどが代表的な食べ方ですが、大根と合わせての煮物は家庭の味として広く親しまれています。

 日本では昔、武士や学者などは成人して元服(げんぷく)すると、幼名とは違った名を名乗りましたが、魚も成長すると風味が変わるので、呼び名が変わる魚があります。これが『出世魚』で、子供の成長や知人の栄進を祝福する時、この出世魚を贈呈することがあります。

 その代表が「ブリ」で、地域によって呼び名が変わります。関東では大きくなるにつれて「ワカシ」→「イナダ」→「ワラサ」と名が変わり、「ブリ」になると体長が1メートルにも達します。東京周辺では、養殖物を無条件に関西の若魚の呼び名である「ハマチ」と呼ぶことも多くあります。

 ちなみに、関西では「モジャコ」→「ワカナ」→「ツバス」→「ハマチ」→「メジロ」→「ブリ」と呼ぶところが多いようです。

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カ キ

 寒くなればなるほど鍋物で心身ともに温かくなりたいのが人情です。日本気象協会が公表している「鍋物指数」は、気温が下がり、風が強くて乾燥しているほど高い数値となります。

 ところで、今が旬の牡蠣(カキ)は鍋物の定番の具材の一つですが、売られている牡蠣には「生食用」と「加熱用」の2種類のパッケージがあります。

 鮮度の違いと思っている人も多いようですが、実際には鮮度とは関係がなく、養殖している海域によって区別されています。

 生活排水や工業廃水が流れ込まず、かつ水質検査など各種検査を行い、特定の物質が規定量以下で安全性が高いと保健所が指定した海域で養殖したものが「生食用」となります。それ以外の海域で獲れたものが「加熱用」となります。

 牡蠣は毎日300リットルの海水を取り込み、ろ過して成分を吸収し成長します。それゆえ、沖合のキレイな海で育った生食用の牡蠣よりも、山や河川から流れ込む栄養分やプランクトンが豊富な河口や湾内で育った加熱用の牡蠣の方が旨み成分が多く味が濃いとも言われます。

 生食用の牡蠣は水揚げ後、2~3日かけて紫外線殺菌海水で丁寧に洗浄し、カキに含まれた菌を除去してから出荷されます。この処理があることによって身が痩せたり、旨み成分を減らしてしまう可能性があります。一方の加熱用の牡蠣は、加熱調理(中心温度が85度で1分以上の加熱)によって菌やウイルスを除去することを前提にしており、水揚げして殻をむいて、滅菌海水で洗った程度で出荷されます。従いまして、水揚げしたばかりの状態により近いのは加熱用の牡蠣ということになります。

 また、牡蠣などの二枚貝はかなりの確率でノロウイルスを保有しています。牡蠣による食あたりのほとんどはこのノロウイルスが原因です。でありますから、加熱殺菌を前提としている加熱用の牡蠣を決して生で食べてはいけません。「生食用」と「加熱用」は、それぞれの用途で安全に美味しく食べるための区別ですので、調理に合わせて選びたいものです。

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ゴボウ

 「牛蒡」と書いて「ゴボウ」と読みますが、今そのゴボウが旬を迎えています。食物繊維が豊富なことから最近は健康野菜としての人気が高まっています。冬の野菜として煮物や鍋物に欠かせない食材で、熱いご飯に甘辛い味付けの「金平ごぼう」はまた格別です。

 低カロリーのためここ数年はサラダへの利用も広がっており、これもまたなかなか美味です。収穫量の約4分の1を占める最大産地は青森県。根を食べる野菜は珍しく、日本以外では台湾など一部地域で食べられているだけだそうです。

 特に注目されるのは野菜の中でも特に多く含まれる食物繊維。腸内を浄化する効果があり、腸のぜん動運動を促進することから便秘に大変効能があり、また腸内の発ガン物質など有害物質を吸収してくれるので大腸がん予防にも効果があるそうです。

 ゴボウの香りや風味は皮の部分にあるため、皮を厚く剥くのはNG。包丁の背で軽く剥くくらいが良いそうです。

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ノロウイルス

 ノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎が今年も流行の兆しをみせています。

 ノロウイルスは感染力が非常に強く、感染すると一定の潜伏期間を経て、嘔吐(おうと)や下痢を繰り返す症状がみられます。以前は「お腹にくる風邪」や「風邪による下痢や腹痛」だったり、幼稚園などで感染が広がることが多いことから「子供の風邪」などと認識されていましたが、今は冬に多発する食中毒の原因として知られています。

 ちなみに、ノロウイルスは、ウイルスが発見されたオハイオ州ノーウォークという町の名にちなみ当初「ノーウォーク・ウイルス」と呼ばれていましたが、2002年の国際ウイルス学会で「ノロウイルス」と命名され現在に至ります。

 ノロウイルスには特効薬がなく、水分を補給することと吐き気止めや整腸剤などの薬を使用する対症療法が主で、通常は一日、二日で症状が落ち着きますが、免疫力の低い幼児や高齢者は重症化するケースもあります。

 ノロウイルスは、感染者の嘔吐物や糞便に触れた人の手、または乾燥し舞い上がったものを介して口から感染するケースが多く、ウイルスを含む生牡蠣(なまがき)を食べるなどしても感染します。

 予防法としては、食事や調理の前、トイレの後などの石鹸による手洗いの徹底、食材の加熱処理、調理器具の消毒などが有効だそうです。

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ダイコン

 鍋物やおでん、ぶり大根、ふろふき大根・・・等々、寒い時期に体を温めるのにもってこいの食材「ダイコン」の出番が増える季節となりました。

 様々な品種のダイコンがありますが、最も多いのが葉のついている首の部分が緑色をした「青首大根」。葉に近い部分は硬いですが甘みがあるので細切りにしてサラダにすると美味しく、真ん中の部分は軟らかく煮物などに向きます。

 先端は辛みが強く軟らかいので、おろして食べるのが良いようです。尻尾の部分にクレンザーをつけて、ステンレスのシンクや包丁を洗うと傷がつかずピカピカになります。

 消化酵素のアミラーゼを含みビタミンCも豊富。昔から風邪を引いたときに食べるとよいとされてきました。もっとも、酵素は熱に弱いため効果を最大限に生かすためには生で食べます。葉もカロテンやビタミンC、カルシウム、食物繊維などを多く含んでいます。

 ちなみに、葉がついたものを買ったときには、すぐに葉を切り離すことが重要だそうです。そのままにしておくと葉が根の養分を吸い取ってしまうからです。

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ヒラメ

 漢字で「鮃」、或いは「平目」と書いて「ヒラメ」。白身魚の代表格であり、冬に捕れるヒラメは「寒ビラメ」と呼ばれ、一段と美味しさが増します。特に背鰭(せびれ)と臀鰭(しりびれ)付け根の部分の身は「縁側」(えんがわ)と呼ばれ、脂の乗った歯ごたえのある部位として珍重されています。

 ヒラメの「メ」は、ヤマメ、アイナメなどと同じく魚を意味する「メ」であることから、平らな魚がその語源という説があります。

 ちなみに、ヒラメとカレイの見分け方、ご存知でしょうか。『左ヒラメ・右カレイ』と言われますように、腹を下にした状態で左を向いていればヒラメで、右を向いていればカレイです。

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ギンナン

 「銀杏」と書いて「イチョウ」、或いは「ギンナン」と読みますが、イチョウと読めばその木を指し、ギンナンと読めば実を指しています。

 その枯葉の舞う季節ならではの食材「ギンナン」。茶わん蒸しを食べ終わる頃に底の方から出てくるのが印象的です。おでんなどの鍋物にも欠かせませんが、電子レンジやフライパンで軽く過熱しただけでも酒のつまみや子供のおやつになり、手軽に秋の風味を楽しめます。

 ギンナンには、ビタミンCやD、カロチンに加え、良質なたんぱく質が含まれており、滋養強壮のほか、肺や気管支の働きを高める効果があるそうです。国内で出回っているギンナンのほとんどが国産で、特に愛知県の祖父江町は国内の3割以上を生産しており、主に料亭など業務用高級食材として取引されています。

 イチョウの木の植えてある公園などで拾ってきてもよいですが、食べられるのは外側の種皮を取り除いた殻の中の黄緑色をした胚乳(はいにゅう)部分です。外側の種皮は匂いがきついうえ、素手で触って汁が付くとかぶれることもありますので注意が必要です。

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自然災害

 今年は台風、竜巻、大雨、高温、地震、噴火などの自然災害が多いです。これまでの経験では予想できない規模の天災が起きていますです。ここ数年、一気に天災が増えてきましたね。

 地球は10数枚のプレートで覆われていて、陸地や海はその上に乗っています。日本は、次の四つのプレートの上に乗っかっています。四つのプレートが複雑に入り組んで、押し合い圧し合いをしています。まさに地震銀座です。

 1.北米プレート
 2.ユーラシアプレート
 3.太平洋プレート
 4.フィリピン海プレート

 また、日本はフィリピン東の南太平洋で発生した台風の通り道です。台風は海水の高温によって発生します。このまま地球温暖化が進むと、更に多くの強力な台風が発生するでしょう。

 2011年3月11日(金)に発生した東北地方太平洋沖地震と、それに伴って発生した津波によって、過去に例のない被害を被りましたが、今後、それを上回る地震が起きるのは間違いありません。

 東日本大震災の復興には何年もかかりますが、さらに大きな地震が起きれば元の木阿弥です。日本列島のどの都市も砂上の楼閣なのです。生きている間に巨大地震が起きないことを祈るのみです。

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訪日外国人

 10月に日本を訪れた外国人旅行者が前年同月比31.5%増の92万9000人となっています(政府観光局調べ)。1~10月の累計で865万9600人となり、2ヶ月を残して年間の過去最多を更新しています。これまでの最多は2010年の861万人です。

 円安や観光査証(ビザ)の発給要件の緩和を追い風に、台湾や東南アジアからの旅客が大幅に増えており、政府の年間1000万人目標の達成が視野に入ってきました。

 国・地域別では、台湾が全体の2割を占めて53%増の21万3500人で第1位。2位は韓国の15万8300人となっていますが、福島第1原発の汚染水問題への不安から前年同月比では5.9%減となっています。

 3位は中国で74.1%増の12万1400人。尖閣諸島問題による関係悪化で落ち込んでいましたが、大幅回復となっています。

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江戸の牢事情

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 江戸時代の牢獄は、皆様時代劇でご覧になった事があると思いますが、上図の様な感じです。奥の方に、畳を積み上げた上に牢名主が威張って座っており、その後ろには、前任の牢名主、元三役などの実力者が隠居と称されて、いならび、さらに、牢名主の前には、現役の三役と称する実力者達が座っています。新入りはまず牢名主の前へ据えられ、名前や生国、どんな罪を犯したか、などを問われます。罪が重い(人を三人殺した等)とそれなりの敬意を持って迎えられますが、軽犯罪(板の間稼ぎ=風呂屋の脱衣場で着物などを盗むこそ泥)だと、軽蔑されてしまいます。そして、ツメの神様(おトイレ)の使い方を教えてもらいます。牢獄 のトイレは部屋の中に据え付けで、腰ぐらいまでの板で仕切られているだけです。当然用を足している時、頭などは回りから丸見えですし、排泄音も筒抜けです。

 そして、牢名主に「ツル(お金)」を渡します。この牢名主に渡すお金が重要で、多分のツルを持参すると、「ツルの隠居」として、特別待遇を受け、隠居達の仲間に入れてもらえますが、もし、ツルを持たずに手ぶらで入牢すると、三役達から、「そんな事で、ご用が勤まる と思っているのか!」と叱責され、羽目板で滅多打ちにされます。入牢する前に、牢役人から、変な物を牢内に持ち込まない様に、裸にされて、髪の中、口の中まで身体検査を受けるので、お金など持っていれば、当然、没収されてしまいます。そのため、事情に詳しい者は、お金を肛門内に隠して持ち込んだと言います。牢役人もさすがに、そこまでは調べない様です。

 そして、ツル無しで入った軽犯罪の入牢者が与えられる居場所は、ツメの神様の直ぐ隣と言う一番悪い場所、畳一畳程のスペースに五、六人、詰め込まれます。それでもまだ命があれば良い方で、夏場の蒸し暑い夜などは、真っ先に「間引き」の対象となります。牢名主が「暑い、人が多すぎる、少し減らせ」などと言ったら、ツル無し軽犯罪の入牢者を大勢で押し倒し、みんなで手足を押さえつけ、濡れた和紙で鼻と口をふさいで、窒息死させるのです。死んだ後、牢役人には「●●の野郎、夕方から頭が痛てぇと言っておりやしたが見ら、死んでおりやした。」と嘘の供述をします、牢役人も「あっ、こいつらがやったな」とは薄々分かりますが、普段、袖の下をもらっているので、単に病死として処理されてしまいます。

 江戸の牢獄の衛生環境は劣悪で、何時誰が病死しても不思議ではありませんので、上層部の牢役人も特に問題視しません。(そう言えば、江戸のレオナルドダビンチの異名を取る、かの平賀源内先生も、最後は、人を殺し(一人殺した、二人殺した、諸説有り)、入牢中に、破傷風に罹って死亡(他説有り)したのですよね。)さらに、入牢者に与えられる食事は、「もっそう飯」と言って、太い竹の節から節までを縦二つに(雨樋の様な形)切った「食器」に、ご飯とタクワンが数切れ乗っているだけの粗末なもので、そのご飯は「古」がいくつ付くか分からない様な「古米・古々米・古々々米・・・」で、ネズミの糞尿にでも汚染されているのか、黄色く変色し、物凄い異臭がし、普通の人間では食べられなかったと言います。

 よく、「牢名主は三日やったらやめられない」と言いますが、牢名主や隠居、三役達は、牢役人に袖の下を渡し、牢内持ち込み禁止の品々を持ち込んだり、外部との音信は禁止されているにもかかわらず、妻子、子分などと手紙のやり取りをしたりします。自分の盗賊団の子分達に手紙で「何月何日に、何町の質屋、伊勢屋に押し込み強盗をせよ」なんて指示をしたりもします。万一、押し込みが発覚、一味が捕縛されても、首謀者は、その当日「牢内にいた」と言う完全なアリバイが成立するので、自分に罪は及びません。

 なお、江戸期は現在の様な「懲役」と言う刑罰はありませんでした(厳密に言うと「牢内押し込め十日=懲役十日」程度の短期懲役の刑罰はありましたが、懲役何年と言う長期懲役の刑罰はありません)。江戸の刑罰についてチープガバメントの江戸幕府は、貴重な税金を使い、長い年月に渡り、悪人を拘留し、反省と更生を促すなんて悠長な事は出来ないのです。ですから、時代劇で、牢に入っている牢名主達が、懲役刑を受けて入牢している様な設定になっていれば、時代考証がおかしい事になります。江戸期、牢に入っているのは、牢名主を含めて、まだお調べ(裁判)の途中で、刑が確定していない未決囚か、刑は確定しているが、まだ、その刑が執行されていない(ex.大島へ遠島と確定したが、島流しの罪人を乗せる船は、春と秋に出るだけなので、その船が出るのを待っている)罪人と言う事になります。もちろん、牢名主達は、裏から手を回して、お調べをわざと長引かせ、自分の罪が確定しない様にし続けていたようです。

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江戸の「心中事情」

 そもそも「心中」は、正確には「心中立て」と言い、好いた二人の男女が、一緒に死ぬことだけを意味するのではありません。好いた男女が、お互いの「心」の「中」を見せ合う行為を指しました。

 一番軽い心中は「誓紙(せいし=起請文)」を書く事です。しかし、吉原の花魁ともなると、三枚起請にあるとおり、一枚しか書いてはいけない起請文を、複数枚書いたりします。さらにその起請文も、本当の起請文であれば、起請文に印刷されている「烏の絵」の、目の部分を、針で自分の指を突いて出た血で塗りつぶすのですが、巧妙に目の部分を避けてあったり、墨に酒と塩を混ぜておいて、時間が経つと、起請文に書いてあった宣誓文が消えてしまう、などのしたたかな戦略を用いました。 墨に酒と塩を混ぜておくと、後々、書いた字が消えるのでしょうか?(酒好きな)私は(そんな事するのは、お酒がもったいないと思ってしまい)まだ、 実験した事はありませんので、どなたか、トライしてみて下さい。

 次ぎに重い「心中」が「断髪」です。自分の髪の毛を切って思う相手に渡します。江戸期は現在よりもはるかに、髪には魂が宿るとされていましたので、「断髪」を渡すのは勇気のいる事ですし、もらうのも勇気がいります。

 次が「彫り物」です。江戸川柳に「母の名は親父の腕にしなびて居」と言うのがあります。思う相手の名前を、自分の腕に彫りつけるのです。これなら、消えませんので、本当に心の中を見せ合ったの様に思いますが、吉原の花魁は、金になりそうなお客の名前を腕に彫って、本当に惚れた様に見せかけますが、そのお客に愛想が尽きると、彫り物の上から、火の付いたキセルを押しつけて、名前を焼き消してしまい、また、別のお客の名前を彫ったりします。江戸川柳「太てぇ女(あま)腕に火葬が二つ三つ」。

 次が「貫肉(かんにく)」、好きな男の前で、自分の二の腕などに、錐などの刃物を突き刺して見せます。その次が「爪はがし」。自分の手の指の爪をはがして、相手に渡します。このレベルになってくると、回復不可能になって来ます。その次が「指つめ」、左手の小指、第一関節の少し上を切り離す。指は生え替わらないので、完全に回復不可能です。吉原では、心中箱と言って、誓紙や髪、爪、指などを入れて渡す、プレゼント用の箱まで売っていました。したたかな花魁、爪はがしや指つめをした後、他人の爪や指を調達して、「貴方の事を思って、指をつめました」などと上手い事を言って、複数のお客に、「他人の爪や指」を送る事もあり、吉原の花魁のその様な需要により、墓地で、女性の墓をあばいて、髪や爪、指などを収集する商売まであったそうです(さすがに、ここまでやると、江戸期でも犯罪です)。

 そして、究極の「心中」が、お互いに死んでしまう事です。これは命を持って愛を照明すると言う、自己勝手な美意識から来るものす。江戸期の武士は、美意識や誇りを命より大切にしました。逆に言えば、守るものがなければ、死ぬ必要がないのです。この考えが武士から、庶民に伝わり、心を誓い合い、証しを立てるために「死を選ぶ心中」となり、やがて、それが吉原の花魁にも伝播し、「心中を装った」様々な手練手管となり、さらには、本当に好き合った花魁と間男(まぶ)が心中してしまい、それがニュースとなると、それに憧れて、さらに心中する者が、吉原にも、一般庶民の間にも広がると言う、悪循環が繰り広げられました。当然、知識人は極度に近親者の心中を警戒しましたので、行き過ぎ、勘ぐり過ぎの感がありますが、心中の可能性がある者に対しては、極度に警戒しました。

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