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2014年3月

駆け込み購入

 数年前の家電エコポイント制度では、例えば液晶テレビを購入すればポイントに応じて商品やサービスと交換できるということで液晶テレビが爆発的に売れた時期がありました。これは需要の先食いに過ぎず、エコポイント制度が終了すると需要が冷え込みました。価格は需要と供給のバランスで決まるため、ブームが去って需要が急減した液晶テレビの価格は急落しました。エコポイントの付加価値以上に価格が下がれば、エコポイントの恩恵を放棄しても安くなった価格で購入した方がお得です。

 もしかすると増税前の駆け込み購入でも同じような状況が再現されるかもしれません。日用品などのように消費してなくなってしまうものは増税後の需要の落ち込みは一時的かと思われますが、耐久財や高額なものほど需要の先喰いの影響が大きくなる可能性があります。増税前と増税後で価格が変わらなければ増税前に購入した方がお得ですが、売れなくなれば価格が下落するのは必然で、増税分以上に安くなれば増税後に購入したほうがお得になります。そういったケースが出てきそうです。

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花見酒

 花見の文化は平安時代からありましたが、一般庶民、老若男女、町人や長屋の住民までが楽しむようになったのは江戸の頃からです。楽しみ方はそれぞれで、切なくもおかしい長屋の住民の花見は落語の恰好の題材です

 花見を題材にした落語はいくつかありますが、「長屋の花見」もよく知られた話の一つです。

 貧乏長屋の住人たちの花見は、たくあんを卵焼きに、大根の漬物をカマボコに見立て、酒は薄めた番茶といった具合でまったく盛り上がらず。番茶の“お酒(おちゃけ)”を持って酌に回り、たくさん注いだりするとケンカになる始末です。そのうちやけくそになって繰り出すコメントが笑いを誘います。

 もう一つ、「花見酒」も有名な落語で、経済学でも度々登場するポピュラーな話です。

 お調子者で計算が苦手でおっちょこちょいで貧乏で酒好きな登場人物は落語の定番。辰と兄貴分の熊が、花見の場所で酒を売ったら儲かるだろうと算段し、酒に酒樽、柄杓(ひしゃく)、天秤棒に使う竹竿、つり銭用の十文まで、儲かったら返すからとすべて前借りで揃えてもらいます。

 どのくらい儲かるかなどと二人で捕らぬ狸の皮算用をしながら花見会場を目指して歩いていきますが、そのうち酒の匂いに我慢しきれず熊がそわそわしだします。ちょうど懐には十文(酒屋から借りたつり銭用のお金)がある。金を払えば文句がないだろうということで、熊が十文を払いまず一杯。

 天秤の先棒と後棒を交替してまた歩き出すと、今度は後ろになった辰が酒の匂いにたまらずそわそわ。熊が「そんなに飲みてぇんならさっきの十文で買って飲みゃいいじゃねぇか」、辰は「さすが兄貴は頭がいいね」ってんでまた一杯。当然、こんなことを繰り返せば花見会場につくころには二人ともへべれけです。

 酒を売ろうと樽を見たら二人で飲みつくして空っぽ。売り切れたことを喜んで売上げを勘定したら十文しかない。勘定が合わないってんで考えてみると、初めの十文でおれが買って、次におまえが買って、またおれが買って、おまえが買って結局飲み干してしまった。勘定もあってる。「なるほど、無駄がなくていいや」っていうのがオチになります。

 この落語を念頭に置いたのが「花見酒経済」です。実際は身内で売買を繰り返しているだけで、売り上げが増えたように見えるが、実質は何も変わらず、場合によっては借金だけが残ってしまうようなこともありえる経済の状態を指しています

 たとえばバブル経済化の信用創造で、土地を担保に借金をし、その借金で土地を買うからまた値上がりし、値上がりを当て込んでまた借金し・・・という状態です。最終的には足腰が立たないほどの悪酔いに苦しめられるというのが「花見酒経済」の筋書きです。

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桜の季節

 桜は日本を代表する花であり、古くからこよなく愛されてきた特別な存在の花です。そんな桜にまつわる言葉をいくつかご紹介したいとと思います。

 花時(はなどき)    桜の花が咲く時季
 桜狩(さくらがり)   花見
 花盛り(はなざかり)  満開の桜
 花影(はなかげ・かえい)水面などに映った桜花の影
 花明り(はなあかり)  夜、満開の桜のまわりがほのかに明るく感じる様
 花衣(はなごろも)   花見に行く際の女性の美しい着物 
 花疲れ(はなづかれ)  花見に行って疲れること
 花人(はなびと)    花見の人
 花守(はなもり)    花の番をしている人
 花篝(はなかがり)   夜桜を見るために花の下で炊かれる篝火「花雪洞」
 花筵(はなむしろ)   桜の花びらが一面に散り敷いている様子
 花曇(はなぐもり)   桜の頃に多い曇天。花を養うとの意で「養花天」
 花の雨(はなのあめ)  花見の頃に降るあいにくの雨「桜雨」
 花の風(はなのかぜ)  桜を散らしてしまう恨めしい風「花嵐」
 花の雪(はなのゆき)  雪のように散る桜花
 零れ桜(こぼれざくら) 散る桜
 花筏(はないかだ)   水面に散った花びらが吹き寄せられ流れていく様
 残花(ざんか)     散り残った桜花
 桜流し(さくらながし) 散った花びらが雨や水に流れていく様子

 

 ちなみに「花吹雪」は、詩人谷川俊太郎の尊父で哲学者の谷川徹三氏がかつて世界一美しい言葉として激賞した言葉でもあります。

 桜(ソメイヨシノ)は葉が出る前に花が咲きそろいます。一見何もないようなところから花を咲かせる桜の姿に、生命力の強さも感じます。何もない状態で生まれ、何もないところから花を咲かせようとするのは人も同じこと。上を向けば桜の季節です。

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空間除菌グッズ

 消費者庁は昨日、部屋に置いたり、首から下げたりすることでウイルス除去や消臭に効果があるとした二酸化塩素利用の空間除菌グッズの広告に合理的な根拠がないとして、景品表示法違反(優良誤認など)で再発防止を求める措置命令を関係各社に出しました。成分の二酸化塩素はそういう性質をもつものの、生活空間において室内に置いたり首にかけたりしただけでその場の空間を除菌するほどの効果は認められないということらしいです。「蚊に効く」などと虫除け効果を謳った商品などでも指摘されたことがありますが、消費者に誤解を生じさせるような広告や表示は結構多いのかもしれません。

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一物四価

 18日発表の「公示地価」も含めまして、公に発表される地価には以下のようなものがあります。


・ 公示地価 国土交通省が3月に公表。1月1日時点での全国の2万数千の調査地点について、各地の不動産鑑定士が実際の売買事例を重視しながら土地の評価を行い、国交省土地鑑定委員会が公表します。

 国や自治体の用地取得や国土利用計画法に基づく取引価格の基準となり、民間の土地取引の適正価格の目安にもなっています。


・ 路線価  国税庁が7月に公表。1月1日時点での全国約37万地点の路線に面する土地価格を、売買実例価格や不動産鑑定士らの鑑定評価額などをもとに、公示地価の8割を目安に算出され、相続税や贈与税を算定する際の基準にもなっています。


 ・固定資産税評価額 固定資産税など土地と建物にかかる税金の基準となる価格で、専門家らの判断も参考に市町村が算定しおおむね2月から4月にかけて公表されます。土地の固定資産税評価額は公示価格の7割、新築の建物の場合は建築費の5~7割程度が目安とされます。評価の見直しは3年に1度で、今年発表予定。


・ 基準地価 都道府県が9月に公表。7月1日時点での全国約2万4千地点の土地価格を調査し、周辺の取引事例も参考にしながら不動産鑑定士が評価・算出したもの。公示地価とともに土地取引の目安となります。


 公的な土地の価格(評価額)には、上記4つの価格が存在すことから「一物四価」と言われ、実際に取引される「時価(実勢価格)」も加えますと「一物五価」となります。また、一物四価のくくりは、固定資産税評価額の代わりに時価を入れる場合もあります。

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ヤマメとサクラマス

 巷からは、「格差社会」・「勝ち組」・「負け組」といった言葉が聞こえてきます。それに関しまして興味深い話をご紹介させて頂きたいと思います。

 『山女(やまめ)とサクラマスは元々同じ魚だそうです。稚魚の時、餌の奪い合いとなり、生存競争に負けた山女の稚魚は清流から追いやられ、川を下って海に行く。海には栄養源となる豊富なプランクトンがいる。それを食べ育った山女はやがてサクラマスとして産卵のために生まれた清流へ戻る。そこには勝ち残った山女が暮らしている。負け組の山女であるサクラマスの体重は勝ち組の山女の10倍以上になっている・・・』

 「格差」・「勝ち組」・「負け組」といった言葉が身近な社会で頻繁に使われる昨今ですが、最近では勝ち組企業が負け組に転落するケースも珍しくありません。その一方で、負け組と言われた企業の業績が復活するケースもたくさん出てきています。これは、企業ばかりではなく、人、或いは社会生活に対しても多くのケースで当てはまりそうです。

 リチャード・ニクソンの「人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。」という言葉、また柔道家である神永昭夫氏の「勝負は負けた時から始まる」という言葉も同様の意味合いで心に残ります。

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祝婚歌

 今年1月に詩人の吉野弘氏が享年87で亡くなりました。今から41年前、結婚する姪に餞(はなむけ)として作った「祝婚歌」は吉野氏の代表作の一つで、今も披露宴のスピーチなどで新郎新婦に贈られることが多く、贈られた側の夫婦にはその後の二人の歩みにおいて大切な道しるべとなります。


 「祝婚歌」

  二人が睦まじくいるためには
  愚かでいるほうがいい
  立派すぎないほうがいい
  立派すぎることは
  長持ちしないことだと気付いているほうがいい

  完璧をめざさないほうがいい
  完璧なんて不自然なことだと
  うそぶいているほうがいい

  二人のうちどちらかが
  ふざけているほうがいい
  ずっこけているほうがいいい

  互いに非難することがあっても
  非難できる資格が自分にあったかどうか
  あとで
  疑わしくなるほうがいい

  ・・・・

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春キャベツ

 3月から4月にかけて取れたものが最も美味しいとされるキャベツ。1年を通じて店頭に並んでいますが、冬場に取れる「寒玉」は炒めものやお好み焼き用などに適しており、春キャベツは生の干切りが一番と言われます。トンカツの脇に山盛りにして添えたり、生野菜サラダとして食べたりするのが一般的です。

 ビタミンCが豊富で、葉の外側の緑の濃い部分はカロチンを多く含んでおり、胃腸を元気にする働きがあるため、肉料理など油っぽいものと一緒に食べるのがよいです。

 キャベツの主産地は千葉県、神奈川県、愛知県で、海岸に近い温暖な低地の畑が生育に適していますが、この時期のキャベツ畑は深緑色のじゅうたんを一面に敷き詰めたようになるそうです。選ぶ際は、持って重く、巻きがしっかりしており、見た感じ葉にみずみずしさのあるものが新鮮です。

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部門別ベストカー

 米大手消費者団体が発行する品質調査専門誌「コンシューマー・リポート」は先日、2014年モデルの部門別ベストカーを発表しましたのでご紹介させていただきます。



    部  門           車 種     メ ー カ ー

 ◎ 総合評価で最高の車  「モデルS」   テスラ(米)
 

 ○ グリーンカー     「プリウス」   トヨタ(日)

 ○ コンパクトカー    「インプレッサ」 スバル(日)

 ○ 小型SUV      「フォレスター」 スバル(日)

 ○ 中型SUV      「サンタフェ」  ヒュンダイ(韓)

 ○ 中型セダン      「アコード」   ホンダ(日)

 ○ ラグジュアリーカー  「A6」     アウディ(独)

 ○ スポーツセダン    「328i」   BMW(独)

 ○ ミニバン       「オデッセイ」  ホンダ(日)

 ○ ピックアップトラック 「ラム1500」 クライスラー(米)



 このランキングは、安全性、燃費、快適性、乗り心地などの項目について同誌が独自に調査した結果に基づいて評価したもので、米消費者の購買動向に大きな影響を及ぼすと言われています。

 日本では富士重工の「スバル」を好む人を「スバリスト」と呼ぶそうですが、海外とくに北米では「スービー」と呼ばれるスバル好きの愛好家が少なくないそうです。

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チューリップ

 春を彩る花といえばチューリップもその一つですが、オランダを扱ったテーマパーク、長崎県佐世保市のハウステンボスでは恒例の「チューリップ祭」が4月6日までの日程で開催されています。

 心優しいひとり暮らしのおばさんに女神が手渡した球根はやがて花を咲かせ、その中には小さな女の子が座っていました・・・アンデルセンの童話「おやゆび姫」で女の子を包んでいた花がチューリップであり、昭和初期の俳人、松本たかしは「チューリップの花には侏儒(コビト)が棲むと思ふ」と詠みました。

 このようなメルヘンチックな花が、投機の対象となり、人々を惑わしていたことは今となってはそれもまた童話の世界の出来事のような感じがいたします。

 1630年代のオランダでは、チューリップの小さな球根が、平均的な労働者の賃金の10年分の値段で取引され(現在価値に換算すれば5000万円以上)、借金をしたり家屋敷を売って球根を買い求める人が相次ぎました。これが世に言う「チューリップ・バブル」で、最終的には多くの人が破たんしたそうです。

 そんなチューリップの昔話は、人間の価値判断の不確かさ、付和雷同の怖さを今に伝える教訓ともなっています。

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タ イ

 桜の咲くこの時期、産卵前で最も美味しいとされるのが「魚」に「周」(あまねく)と書く『鯛』(タイ)です。

 その名前の通り、日本周辺に生息しています。代表格は真鯛(マダイ)で、祝い事に用いる習慣は江戸時代に定着したそうです。3~4月の産卵期、内海に入ってくる天然物は脂が乗ってうまみが増し、体色も赤みを帯びて一段と冴えた色合いを見せてくれます。

 この時期の真鯛は体色が鮮やかなピンクとなり、見た目も美しく、桜の時期とも重なるため「桜ダイ」とも呼ばれます。ただ、最近は年間を通して安定供給できる四国などの養殖物が主流で、天然物に比べて浅場で育つため日焼けしてしまい、黒ずんだ色になっています。尾びれが丸いのが養殖物、力強くハネたものが天然物です。

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人を恋ふる歌

 学年の途中はかわいそうだとして3月を待って離婚するケースが多いそうです。一方、「ジューンブライド」と言われるわりには、梅雨時であることも関係してか6月の結婚式は意外に少なく、暑気が去った秋や春めいてくる今頃の時期の方が婚礼が多いと聞きます。

 その他、3月は卒業式、4月は入学式、入社式・・・いずれにしても人生の節目・岐路になることが多い季節です。そして、決まってこの時期に想い出されるのが明治の頃の歌人・与謝野鉄幹が作った「人を恋ふる歌」という詩です。

    妻をめとらば才たけて
    顔(みめ)うるわしく情(なさけ)ある

    友をえらばば書を読みて
    六分(りくぶ)の侠気 四分(しぶ)の熱

    恋の命をたずぬれば
    名を惜しむかな男(おのこ)ゆえ

    友のなさけをたずぬれば
    義のあるところ火をも踏む


 また、旧制第一高等学校(東大の前身)の寮歌が元歌といわれる下記の応援歌も今の時期に相応しく感じます。

    混濁の世に生を受け  信頼 世々に消ゆるとき

    友の誠を君に見て   我に無量の涙あり

    君が憂いに我は泣き  我喜びに君は舞う

    人生意気に感じては  無限の力 我に湧く

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国際収支統計と貿易統計

 財務省が本日発表した国際収支統計の1月速報によりますと、経常収支は1兆5890億円の赤字(経常赤字)、貿易収支は2兆3454億円の赤字(貿易赤字)となりました。月間の経常赤字として比較可能な1985年以降で過去最大、貿易赤字も96年以降で最大となっています。

 ちなみに「国際収支」とは、諸外国との経済取引によって発生したすべての貨幣の受け払い(所有権が移転した財貨・モノ)を集計したものです。同じく財務省が発表している「貿易統計」もよく似たデータですが、貿易統計の計上範囲は関税境界を通過した貨物(通関実績)であるという点が大きな相違点です。

 例えば、日本がアメリカ製の人工衛星を購入し、アメリカで打ち上げる場合、人工衛星の所有権がアメリカから日本に移転した時点で国際収支統計の貿易収支に計上されますが、人工衛星は関税境界を越えないため、貿易統計には計上されません。

 なお、国際収支の内訳としては、大分類で「経常収支」と「金融収支」があり、さらに経常収支は「貿易収支」「サービス収支」「所得収支」などからなっています。

 貿易収支とは輸出から輸入(運賃、保険料を除く)の金額を差し引いた額で、サービス収支は輸送、旅行などの受け払い。所得収支には2種類あり、第一次所得収支が利子や配当等の収支で、第二次所得収支は官民の無償資金協力や寄付などの受け払いとなります。また、金融投資は直接投資、証券投資、金融派生商品、その他投資および外貨準備の合計です。

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ニックネームを持つ泥棒

 ニックネームを持つ泥棒として、一番有名なのは、やはり「鼠小僧次郎吉」ですね。寛政九年(1797)生まれ、芝居や講談では、盗んだ金を貧乏人に施す義賊として描かれますが、実は真っ赤な嘘なんです。江戸時代とは言え、窃盗されたお金を施され、それを使ってしまったら、使った人も処罰されます。 ですから、もし、鼠小僧から小判をもらったとしても、それは良い迷惑で、お金はちゃんと奉行所へ届け出なければなりません。しかし、十両盗めば首が飛ぶ時代に、盗んだ総額が一万二千両、侵入した大名屋敷は七十一箇所、中には複数回、侵入されたお屋敷もあります。大名屋敷は、お侍さんがいて、警備が厳重な様な感じがしますが、屋敷が広いわりには居住者数が少なく、また、お女中など女性の方が多いので、泥棒としては仕事がしやすい上に、武家は「泥棒に入られた」事を恥と考えるので、届け出をしないのです。

 人相書きによる鼠小僧のモンタージュは、平顔にして、円き方、肥肉の方、色白、うすあばた有り、髪・眉うすき方、目は小さき方、いかにも柔和に人物良く、職人風。と言う事です。盗んだ金は、すべて呑む打つ買うに使いました。あるお屋敷で、仕事を終えた後、ふと女中部屋をのぞくと、美人のお女中が熟睡中、ついムラムラとして、そのお女中に襲い掛かったところ、気丈なお女中が、仰向けのまま両足で、鼠小僧を挟んで押さえつけ、大声を出したので、御用となり、天宝三年(1832)、三十六歳で死罪となります。墓所は両国、回向院にあるのは有名ですね。この鼠小僧のお墓のかけらを持っていると、ギャンブルに勝てるとか、開運につながると言う事になっており、お墓がどんどん削り盗られて、今、立っているお墓は、何代目かのお墓と言う事です。

 その他、江戸で活躍(?)した、ニックネームを持つ泥棒は、寛延年間(1748~50)、スリで名をはせた「市松小僧」。非常に美男子で、裕福な町人の娘に惚れられて、婿入りし、前科更正しています。それから「稲葉小僧」、江戸小川町に屋敷のあった稲葉丹後守の侍医の倅で、天明五年(1785)、二十一歳の時、泥棒デビューします。狙ったのは、鼠小僧と同様の大名屋敷です。 谷中辺りで捕らえられ、町奉行所へ護送される途中で、縄抜けをして、逃走したのが有名ですね。しかし、逃亡先の群馬で、赤痢にかかり、二十一歳で死亡しています。

 「稲葉小僧」とゴロが似ているのが「田舎小僧」。埼玉の農家の倅だったので、「田舎小僧」と呼ばれました。天明四年(1784)から五年にかけて、幕府の重職、将軍の近習、大名屋敷など、丸の内界隈十四箇所のお屋敷に侵入し、総額四十両以上を盗みましたが、現行犯逮捕され、天明五年、三十六歳で死罪になっています。

 それから、「葵小僧」、こいつは大胆にも、徳川様の葵の御紋を着用し、立派な武士のいでたちでいたため、なかなか泥棒とは気づかれませんでした。 しかし、凶悪で窃盗の他、強姦もする悪いヤツでした。寛政三年(1791)に、テレビの「鬼平」で有名な、火付盗賊改の長谷川平蔵が、紋服の葵のご紋がおかしい事に気づき(同じ葵の御紋と言っても、将軍家と御三家、連枝などでは、葉のひだや、向きが微妙に異なるのです。)、職務質問をして、盗賊「葵小僧」である事が判明、逮捕されますが、ほとんど、事情聴取や現場検証などをせず、すぐに打ち首となり、事件の一切が抹消されています。これは、強姦罪を成立させるためには、被害にあった女性たちから、事情聴取する必要があるのですが、これは女性にとって、傷口に塩を塗られる様な屈辱的な事になるので、平蔵さんの一存で、葵小僧とその犯罪をさっさと葬り、被害女性の心の傷を早く治すためだったと言われています。現代では、法律が完備されているので、事件を立証しないうちに、処罰(ましてや死刑)するなんて出来ないのですが、江戸時代、手に余れば、犯罪者を切り捨てても良い権限を与えられている平蔵さんだからこそ出来た、粋な裁きだった様です。

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ソメイヨシノ

 今日は春の彼岸入りです。彼岸の中日の春分の日(3月21日)を境に昼が少しずつ長くなり、陰陽の気も入れ替わるとされています。また、ほぼ真東から日が上り、ほぼ真西に日が沈む春分は、古代中国では「龍天に昇る」とされ、春の気もいよいよ盛んになってゆきます。

 春の気が盛んになれば桜の開花ももうすぐです。気温の推移にもよりますが早ければ高知で一両日中に開花し、今週末には佐賀県あたりでも咲き始める予想となっています。

 ちなみに、花色が濃く大型のカワヅザクラ(河津桜)は、関東地方でもすでに見頃を迎えていますが、気象庁などが開花状況を観察しているのはシメイヨシノ(染井吉野)です。

 ソメイヨシノは人口交配によって誕生した品種で、種子では増えず、全国にあるソメイヨシノはすべて人の手によって接木(つぎき)などで増やしたものだそうです。

 つまり純粋なソメイヨシノは皆すべて遺伝子情報を同じくするクローン植物であり、すべての株が同一の特性を持つため、条件が同じであれば一斉に咲き一斉に花を散らします。明治以降、若木から花を咲かせるソメイヨシノの植樹が盛んに行われ、最も一般的な桜となっています。

 尚、古来より桜の名所として名高い吉野山(奈良県)の桜は主にヤマザクラで、約3万本の桜が山全体を埋め尽くす景観は、一目に千本見える豪華さという意味で「一目千本」と言われています。

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なでしこ銘柄

 東京証券取引所と経済産業省は、東証1部上場企業を対象に、業種ごとに、女性が働きやすい環境を整え、女性を積極的に活用している26銘柄を「なでしこ銘柄」として公表しましたのでご紹介させていただきます。

  銘柄コード 企業名          業種
  ─────────────────────────────
  1605  国際石油開発帝石     鉱業

  2229  カルビー         食料品

  3402  東レ           繊維製品

  4502  武田薬品工業       医薬品

  5108  ブリヂストン       ゴム製品

  5201  旭硝子          ガラス・土石製品

  5411  JFEホールディングス  鉄鋼

  5713  住友金属鉱山       非鉄金属

  5938  LIXILグループ    金属製品

  7013  IHI          機械

  6501  日立製作所        電気機器

  7201  日産自動車        輸送用機器

  7731  ニコン          精密機器

  7862  トッパンフォームズ    その他製品

  9532  大阪瓦斯         電気・ガス業

  9005  東京急行電鉄       陸運業

  9101  日本郵船         海運業

  9202  ANAホールディングス  空運業

  9433  KDDI         情報・通信業

  8058  三菱商事         卸売業

  2651  ローソン         小売業

  8306  三菱UFJFG      銀行業

  8604  野村ホールディングス   証券、商品先物取引業

  8766  東京海上ホールディングス 保険業

  8591  オリックス        その他金融業

  2398  ツクイ          サービス業

 なお、女性役員比率が高い企業は株主資本利益率など経営指標が良い傾向があり、女性が働きやすく活躍推進のための環境が整っている企業は相対的に生産性が高いなどの報告があるそうです。

 ちなみに「なでしこ銘柄」の選定は昨年に続き2度目ですが、東レ、旭硝子、住友金属鉱山、日産自動車、ニコン、東京急行電鉄、KDDIの各銘柄は2年連続の選定となっています。

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江戸の長生き事情

 江戸にも長寿の方がいました。天保十四年(1843)、御歳百十六歳と言う「つや女」と言う方の立ち姿入りの刷り物が世上に配られました。つや女は、出羽国酒田(現・山形剣酒田市)の出身で、若い頃は病弱でしたが、「養生にてかく長命せしなり」という事です。食生活は昼四つ(午前十時)と昼七つ(午後四時)の二回で、「酒餅などは、二三杯、四五切に限りたり」。就寝は子の刻(午前零時)で起床は寅の刻(午前四時)と言う事です。

 八十二歳と言う長寿をまっとうした曲亭馬琴には、見聞随筆「玄同放言」の中に「寿算」として、長寿者の名を上げた一文があります。それには、近年での長寿者として、志賀随応と言う人の名を挙げ、百十一、百七十、百八十歳などの諸説があるが、馬琴が随応の菩提寺を訪ね、過去帳を調べ、享保十五年(1730)百五十五歳で没と調べ上げています。また、戦国武将の渡辺幸庵と言う方は、本能寺の変があった天正十年(1582)生まれで、宝永八年(1711)、百三十歳で没しています。同じく戦国武将で、加藤清正に仕えた江村専斎は、永禄八年(1565)生まれで、寛文四年(1664)に百歳で没。

 また、馬琴と同時代の人として、三河(現・愛知県東部)の百姓満平は、慶長七年(1602)生まれで、寛政八年(1796)には百九十五歳。その妻が百七十三歳で、息子は百五十三歳、孫が百五歳と言います。

 伊勢(現・三重県)の禅修法師は、元禄七年(1694)生まれで、文化九年(1812)百十九歳で没。自ら大石良雄の娘だと称した清円尼は、自分の手形を紙に押して、百十四歳と自書しています。

 馬琴と親交のあった大田南畝も、見聞随筆「一話一言」に長寿者の記録を載せており、宝暦六年(1756)のこととして、山城国(現・京都府)の百姓で、百八十四歳の百助なる者を書き出しています。その妻は百八十六歳で、息子が百六十四歳。また、文化七年(1810)のこととして、神田松富町に住む、百八歳の薬売り長兵衛の名を記しています。

 現代人には不自然に見える年齢ですが、現代の戸籍の様な、生年の公式記録がなかった江戸時代は、本人が言い、周囲が納得する年齢がまかり通っていたのです。

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ブランド価値

 世界最大のブランドコンサルティングのインターブランドは、企業の持つブランドの価値を財務データなどから金銭的価値に置き換え発表しています。

 参考までに同社の日本法人が発表した2014年版の日本企業グローバルブランド価値ランキングによりますと上位は下記のようになっています。

   ※ブランド名   ※ブランド価値    ※前年比増減率

 1位 「トヨタ」  約3兆6000億円    17%増

 2位 「ホンダ」  約1兆8860億円     7%増

 3位 「キヤノン」 約1兆1210億円     9%減

 4位 「ソニー」  約  8580億円     8%減

 5位 「ニッサン」 約  6330億円    25%増


 ちなみに、トヨタ自動車の「トヨタ」は調査開始以来6年連続の首位。「ニッサン」は前年の7位から順位を上げています。

 他、「スバル」のブランド価値は前年比で70%増、「マツダ」は43%増、「ブリヂストン」は21%増と、自動車関連のブランド価値上昇が目立ちます。

 同じく前年比で価値が上昇した自動車以外のブランドでは、「アシックス」が12%増、「日立」が36%増、「ユニチャーム」が16%増、「シマノ」が17%増、「味の素」が10%増、「キッコーマン」が8%増などとなっています。

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へそくり

 表立たないで夫の働きを助ける妻の功績を「内助の功」と申しますが、昔は植物から作られた繊維(麻)を巻き取る内職で妻が家計を助けたりしました。

 そのようにして紡いだ糸を環状に幾重にも巻いたものを「綜麻(へそ)」、巻き取る作業を「綜麻繰り」と言います。つまりこれが「へそくり」の由来で、初めは家計を助けるためでしたが、綜麻繰りで得たお金を夫に内緒で貯め込むようになったそうです。

 ちなみに、損保ジャパンDIY生命が主婦を対象に昨年12月に行った調査では、夫に内緒の資産(へそくり)を持つ主婦は約4割(39.4%)で、昨冬の45%からやや減少しています。

 尚、へそくりの額は「100万円未満」が24.9%で比率としては最も多く、次いで「100~200万円未満」(17.8%)、「200~300万円未満」(14.2%)、「1000万円以上」(13.2%)、「500~600万円未満」(10.7%)などの順となっており、平均額は約417万円で、こちらは3年連続の上昇です。

 また、妻の年代別では40代で平均約194万円、50代で平均約573万円となっており、妻の職業別では有職主婦の平均が約586万円、専業主婦の平均が約309万円だそうです。

http://diy.co.jp/cms/news/2014/1401159991.pdf

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カラス

 「カーラースー、なぜ鳴くのー、カラスはやーまーにー・・・」と幼い頃の思い出がありますが、最近のカラスはそのほのぼのとしたイメージとはやや違うようです。ゴミが荒らされたり、時にはヒトに襲いかかったりと何かと被害が目立ちます。

 カラスは毎年3月下旬ごろから巣をつくり、4月ごろから子育てを始めます。繁殖のためにエサを求めてごみ集積所が荒らされたり、人への威嚇がみられます。市街地のカラスのエサは主に生ごみ、カラスの生息数はエサの量と大きくかかわっているため、エサとなる生ごみを与えないようにする必要があります。

 そのため、ごみの出し方として、1.ふたのある容器で出すようにする、2.生ごみは新聞紙などに包み、袋の外から見えないようにする、3.集積所のカラスネットから、ごみがはみ出さないようにする・・・等々の注意が必要です。

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備蓄ガイド

 農林水産省は、大規模な災害発生によりライフライン(電気、ガス、水道)が停止した場合も想定して、緊急時に一般家庭で必要な食料を例示した「備蓄ガイド」(下記)を作成しています。

 国の有識者会議は南海トラフ地震の対策として1週間分以上の備蓄を各家庭に要請していますが、このリストが一つの目安となっています。

 ※家庭用食料品備蓄ガイド
   http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/anpo/pdf/140205-02.pdf
   

 尚、上記は主に「食」に関する情報ですが、毎日服用している薬はもちろんのこと、衛生や防寒などの観点からの備えもあれば安心です。また、懐中電灯やラジオ、乾電池やトイレットペーパーなども、いざという時には必要になります。

 もう一つ。持っていたいものとして家族の写真という意見もあります。もし家族とはぐれてしまった時、安否を知りたい時、写真があればどのような人を探しているのか伝わりやすく、見つかる可能性も高くなります。

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消費税増税

 4月からの増税に伴い、様々なモノやサービスの価格が値上がりします。

 日本たばこ(JT)は、主力の「メビウス」の価格を410円から430円に値上げし、コカ・コーラグループは自動販売機などで売られている「コカ・コーラ」やコーヒー「ジョージア」などの缶飲料を現行の120円から130円にする方針です。

 たばこの自動販売機は4月1日の午前0時に価格が切り替わるとのことですが、清涼飲料水の場合は旧価格と新価格の自販機が混在する期間があると見られています。

 ちなみに24時間営業のコンビニなどのレジでは、例えばローソンでは4月1日の午前0時に一斉に税率が変更になるそうです。レジで一つ目の商品を打った時間が基準になるとのことですので、支払いが午前0時を過ぎていても、午前0時前に打ち始めていれば増税前の5%が適用になります。

 ただし、前回の増税時は、お客の少ない時間帯にレジの税率を切り替えたというコンビニ大手もあったようです。税率変更のタイミングについて統一的なルールはなく、実際には様々な企業や現場でそれぞれ現実に即した対応となるため、多少の混乱はありそうです。

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サヨリ

 冬から春にかけて水揚げされるサヨリ。その姿形から漢字では「針魚」、「細魚」と書きます。石川県では春の県魚に指定され、「花見魚」の別名で呼ばれ、京都府でも春の府魚に指定されるなど春を告げる風物詩になっています。

 昔から多くの詩人の歌などにも詠まれ、

  ・橋影に 失せてはのぼる サヨリかな   吾 亦紅

  ・汁椀に 沈むさよりの 結び文      山本 櫓村

  ・サヨリはうすい サヨリはほそい

   銀の魚 サヨリきらりと光れ サヨリお姉様に似ている  北原 白秋等々があります。

 脂の乗り具合はほどほどで、姿形と同様に味は上品。刺し身が最も一般的ですが、てんぷらやお吸い物、一夜干しにしても美味。寿司店では、通好みのネタとして扱われています。

 鮮度が落ちやすく、腹部から痛んでくるため、スーパーなどで選ぶ際には、腹部が銀白色のものを選ぶとよいです。

 ちなみに、お腹の部分を開けると中が真っ黒なため、腹黒い人のことを「サヨリのような人」 と言う場合があるようです。

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大相撲の懸賞金

 先日、日本相撲協会が「関取にお姫様抱っこ」を企画したところ、女性定員6人に8千人を超える応募があり、実際大盛況だったようです。

 今日から大相撲春場所が始まります。大相撲のテレビ解説では「お客様に喜んでいただけるよう・・・」との主旨の言葉をよく耳にしますが、真剣勝負の取り組みはもちろん、協会も最近はツイッターやLINEなどでまめに情報を配信するなど、良い意味での変化を感じます。

 先場所の決定戦で白鵬に敗れ優勝を逃した大関鶴竜の初の綱取り挑戦など、今場所も見どころはたくさんあると思いますが、なんと言っても今一番人気は23歳の遠藤です。

 先場所は西前頭10枚目だった遠藤でしたが、入幕4場所目の今場所は横綱や大関陣と総当たりする東前頭筆頭に躍進しています。あまりのスピード出世に髪が伸びるのが追い付かずまげも結えないザンバラ髪で、しこ名をつけるのも間に合わず、本名で土俵に上がっています。

 人気力士や注目の取り組みには懸賞がかかりますが、先場所の遠藤は横綱、大関陣に次ぐ80本の懸賞を獲得。人気が高かった若貴兄弟が懸賞獲得100本を超えたのは入幕5場所目でしたが、遠藤の場合は入幕3場所での達成です。今場所は新規に4社60本が遠藤指定で確定しており、CM出演している永谷園の分も加わって先場所の獲得本数を超えるのは間違いなさそうです。

 ちなみに、懸賞1本は6万円で、うち5千円を協会へ手数料として納め、2万5千円は納税準備金で、余剰金は引退時に支払われるため天引きされます。残った3万円の現金が、行司の勝ち名乗りの後でわしづかみにされる熨斗袋の中にあります。

 今は白鵬全盛期で、人気・実力ともに若手No.1の遠藤に、千代の富士を負かした貴乃花のイメージを重ね期待しているファンも少なくありませんが、場所前の出稽古で遠藤は鶴竜に20番全敗、白鵬に11番全敗と完敗しており、現時点ではまだ力に開きがあるようです。

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スマホのアプリ

 ビジネスがグローバル化するに連れてカタカナや英語表記のモノやサービスが増えるため、ビジネスの動向を理解するのが一苦労との声も聞かれます。

 利用している人には説明の必要がありませんが、スマホのアプリがどうのこうのという話題もその一つかもしれません。

 たとえば「Viber(バイバー)」、「WhatsApp(ワッツアップ)」、「LINE(ライン)」などは、無料音声通話などの機能面で違いはあるものの、スマホなどの端末でテキストメッセージのやりとりが可能で、「メッセージアプリ」もしくは「対話アプリ」や「チャットアプリ」などと言われます。

 これらのサービスはビジネスチャンスが大きいと見られ、大手資本による買収が相次いでいます。楽天は3億人のユーザーを抱える「バイバー」を9億ドル(約900億円)で買収することを決定。ファイスブックは4億5千万人超が利用する「ワッツアップ」買収に190億ドル(約1兆9000億円)を投じることを明らかにしています。

 昨年、スマホの出荷台数は10億台を突破しており、スマホを経由した様々なサービス、例えば広告や通販、決済などの一つひとつは少額でも、10億人の規模ともなれば巨額なビジネスとなります。これが「スマホ経済圏」と言われる概念で、対話アプリは10億のユーザーに直結しうる重要なツールとなります。

 ただ、巨額を投じて買収したサービスをどのように収益につなげるかについては楽天もフェイスブックも明確な道筋を示していません。バイバーは今のところ債務超過の企業であり、ワッツアップに投じられる金額はフェイスブックが上場の際に調達した額を上回ります。いずれも先物買いの類ですが、すでに熾烈な競争が始まっており、サービスを取り込まないと競争に勝てないという雰囲気です。

 ちなみに、LINEは韓国の検索大手ネイバーの日本法人であり、利用者数は3億5千万人、無料サービスを入口にゲームやスタンプ販売などで収益を得るビジネスモデルを構築。LINEが上場すれば時価総額は8千億円とも1兆円とも言われ、M&Aの対象として同様のサービスの争奪戦が繰り広げられていることからさらに多額のプレミアムがつく可能性があります。

 なお、グローバルな展開で優位にあるのは「ワッツアップ」で、イギリスやオーストラリア、スペイン、ドイツ、南アメリカなどで高いシェアを持ちます。「LINE」は日本では高いシェアを持つものの、世界的にはスペインやベトナムなどで健闘している程度で、中国で高いシェアを持つ「微信(ウィーチャット)」や韓国の「カカオトーク」などと同じくローカルな展開にとどまっています。

 これまた余談になりますが、ジャストシステムが国内の10代から40代の男女を対象に「主要SNS利用実態調査」を実施したところ、「フェイスブック」「ツイッター」「LINE」のうち、なくなると最も困るSNSは「LINE」という回答が最も多かったようです。

http://dls02.justsystems.com/download/fastask/biz/report/fa_report-noline-20140203.pdf

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花粉症

 このところ街中ではマスク姿の人を頻繁に見かけます。薬局などの店頭には目薬や鼻炎治療薬、マスクなどの商品を並べた特設コーナーが設けられ、花粉症商戦はピークとなっています。

 地域によって飛散する花粉や時期が異なりますが、関東地方では、2月から4月はスギ花粉、4月から5月はヒノキ花粉、6月から8月はイネ科花粉、8月から10月はブタクサ花粉が主として飛散します。

 日本の人口の5人に1人が花粉症と言われていますが、人口が1億2000万人として約2400万人が花粉症ということになります。国民の経済的負担も極めて大きい訳ですが、仮に、花粉症の方の半数が医者に通い、花粉症の時期の2ヶ月間に3600円を病院に払うとします。3割負担として、総額1万2000円の内、8400円が健康保険からの出費で賄われることになります。

 単純な試算ですが、

 2400万人÷2×8400円=1008億円

 すなわち、1年のうち、僅か2~3ヶ月で1000億円を超える金額が健康保険から支払われることになります。

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六 曜

 冠婚葬祭などの日取りを決めるときに、「大安なので、この日に結婚式を・・・」とか、葬儀の日を決めるのに「友引なので、葬式を繰り上げよう・・・」といった話をよく聞きます。

 ここで使われている「大安」、「友引」などは、古代中国の「六曜」という暦の考え方にもとづいており、三国志で有名な諸葛孔明が戦いの際に、吉凶の日を知るのに利用したことに端を発しているそうです。

 この六曜が日本に伝わったのは江戸時代半ばで、現在使われている六曜のそれぞれの日には、次のような意味があります。

・先勝(せんしょう、せんがち)・・・午前が良く、午後は悪い

・友引(ともびき)      ・・・正午のみが凶

・先負(さきまけ、せんぶ)  ・・・午前が悪くて、午後が良い

・仏滅            ・・・1日じゅう最凶の日

・大安            ・・・1日じゅう良い日。大安吉日という。

・赤口(しゃっこう、しゃっく)・・・昼だけが吉。朝・夕は凶で災いに出合
                  いやすい

 本来は中国で、戦や争いごとの吉凶の日を占うものでしたが、次第に日本では日常生活全般に用いられるようになりました。

 なかでも「友引」は、その文字の連想から「友を引く」との意味に取られるようになり、葬儀などの弔事が避けられるようになったそうです。

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サンゴの日

 明日は「啓蟄」。暦上は冬ごもりをしていた虫たちが穴を啓(ひら)いて這い出してくる頃ですが、気象庁が春の訪れは遅いと予想していますとおりまだ少し寒いです。

 ところで、四季折々の美しい風景があり、山には色とりどりに咲く草花が自生し、新緑と紅葉を映す湖、多彩な表情を見せる渓谷、雪を頂きそびえる峰々、神秘の海に大小の島々・・・このような風光明媚な日本を代表し、世界的にも誇りうる傑出した自然の風景地を保護し利用を促進する目的で30の自然公園が「国立公園」に指定されています。

 3月5日で「サンゴの日」の今日は、那覇市の西約40キロに位置し、大小30余りの島々で構成され、多様な珊瑚が生息し、ザトウクジラの繁殖海域があることでも知られている慶良間(けらま)諸島とその周辺海域が「慶良間諸島国立公園」として31番目の国立公園に指定されました。国立公園の誕生は1987年の釧路湿原国立公園以来、27年ぶりのことだそうです。

 ちなみに、国立公園は環境大臣が指定し国(環境省)が管理しますが、「国定公園」は国立公園の景観に準ずる傑出した自然の大風景として環境大臣が指定し都道府県が管理、「都道府県立自然公園」は都道府県の風景を代表する傑出した自然の風景として都道府県知事が指定し都道府県が管理するといった違いがあります。

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数 字

 昨日は3月3日、「雛祭り」です。カレンダーを見ますと「耳の日」ともなっていますが、虫歯予防デーが6月4日、鼻の日が8月7日等々、日本人が数字を気にする習性は非常に強く、洞爺丸遭難が9月26日で伊勢湾台風も同じ9月26日だったりと重なりますと皆が9月26日を気にするようになったりします。

 また、奇数を好む人、偶数を好む人もそれぞれで、切符を買えば印刷された通し番号の数を見て、一喜一憂するサラリーマンも少なくありません。二で割り切れると吉で、三で割り切れる数は凶、と縁起をかつぐ人もいます。六の字嫌いの極端な人は九まで嫌います。おかしいようですが、「9」は「6」のさかさまだからやっぱりイヤというわけです。

 電話番号や車のナンバーで嫌がられるのをちょっとまとめてみますと、49─死苦、63─無産、79─泣く、86─病む、89─厄、0079─まるまる泣く(まるまるなくす)、1564─人殺し、1818─いやいや、3742─皆死に、4286─死に病む、4979─よく泣く、4989─四苦八苦・・・ときりがありません。

 ラッキー7ではありますが、一方で「七難九厄」ともいい、七、九のつく年を厄年にする地方もあるそうです。余りこだわりますと、それこそ四九八九することになりかねません。

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冬季パラリンピック

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や自由貿易協定など、特恵的(排他的)で巨大な通商圏を創生する動きが加速し、世界経済はブロック化する方向に進んでいるとの見方があります。そうした流れの中でロシアはまるでソ連邦時代の衛星国政策のように自国の影響力の及ぶ範囲を確保し独自の経済圏を作り上げようとしてきました。

 ウクライナは1991年のソ連邦崩壊に伴い独立した国家で、ロシアにとっては戦略的・経済的に重要な周辺国となっています。2010年に誕生したヤヌコビッチ政権はロシア重視と欧州との統合の両立を目指すとしていましたが、ヤヌコビッチ大統領は昨年11月に調印直前まで準備が進んでいた自由貿易協定(FTA)を中核とする連合協定の調印を見送りました。

 調印見送りの背景にはロシアの圧力があったと見られますが、これに反発した野党勢力及び市民の抗議は大規模なデモに発展し、ヤヌコビッチ政権は崩壊。ウクライナに親欧米の新政権が発足するとロシアの態度も硬化し同地域の緊張が一気に高まりました。

 尚、ウクライナ領内のクリミア自治共和国は人口200万人のうち約6割がロシア系住民です。クリミアのセバストポリはロシアが租借している軍港都市でロシア海軍の指揮下にある黒海艦隊の基地でもあり、プーチン大統領にとっては「黒海艦隊とロシア系住民の安全を守る」ことが軍事介入の口実となります。

 この問題の行方は流動的ですが、今週末にはセバストポリから直線距離で500kmほどのロシアのソチで冬季パラリンピックが始まります。日本選手団はすでに現地入りしており、今日が入村式、7日の開会式を経て16日まで熱戦が繰り広げられる予定ですが、英政府が閣僚の出席を取りやめるなど、ウクライナの緊迫化が「平和の祭典」にも影を落としつつあります。

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雛祭り

 今日は雛祭りです。京都御所はむかし「内裏(だいり)」とも呼ばれ、「内裏様」というのは宮中の貴人を指しました。「右近の橘・左近の桜」が雛壇に飾られるのも御所の正殿である紫宸殿(ししいでん)を模しているからです。

 神話の頃、コノハナサクヤヒメが富士の頂から種を蒔いて咲いたと言われるのが桜で、古くから日本人に親しまれてきました。橘は、常緑の葉が永遠を象徴する縁起の良い木です。

 また、雛壇には桃の花も飾られます。上巳(旧暦三月最初の巳の日)のころに咲く桃は安産や強い生命力の象徴とされ、中国ではその実を不老長寿の仙薬とする伝説もあり、さらに魔を祓う力もあるとされていました。ちなみに昔々の桃太郎の話は老夫婦が桃を食べて若返り、子供を授かるというお話でした。

 なお、お雛様を飾る際の男雛と女雛の位置についてですが、古式では「天子南面」と言われますように、天子は南に向いて座り、日の出の方角(東、天子の左手側、向かって右)が上座(左上座)で、日没の方向(西、天子の右手側、向かって左)が下座となるため、男雛の右手側に女雛を置くのが日本古来の伝統です。

 しかし、欧米流が範となっている国際儀礼(プロトコール)では原則として右上位(向かって左側が上位)であるため、現在のような向かって左側に男雛を置くスタイルが広がりました。ちなみに、現在の皇室も国際儀礼に倣い、一般参賀などでは天皇陛下が向かって左側、皇后陛下が向かって右側にお立ちになります。

 結論としましては、古式に則り男雛を向かって右に置くのか、現代風に左側に置くのかは好みでどちらでも構わないそうです。

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黄金比

 遠い昔、ピタゴラスを中心とする研究集団は「芸術と数学を研究することにより、魂を清め、宇宙の本質を理解すること」を目的としていました。そしてある時、彼らは「正五角形の一辺の長さαと対角線の長さβの比が α:β=(β─α):α という神秘的な関係にある」ことを発見しました。正五角形の対角線から成り立ち、中心にも正五角形が見える星型(五芒星形)は集団のシンボルにもなっています。

 ちなみに、陰陽道では、陰陽五行における木・火・土・金・水の5つの元素の働きの相克を表す五芒星を魔除けの呪符として用いています。陰陽師の安倍晴明は五芒星の紋を用いていたことでも知られています。

 ピタゴラスらの発見から十数世紀後、13世紀イタリアの数学者フィボナッチは特異な数列を発見しました。

 この数列は1、1という二つの数字で始まり、次にこの二つを足してその結果を数列に加えていきます。そうすると以下のような配列となります。

 1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144・・・

 この数列には特徴的な性質がいくつもあるのですが、例えば34以上の隣り合う数字の大きい方を小さい方で割り、小数点第三位までの比率を出していくとその答えは全て1.618になります。また、隣同士の小さい数字を大きい数字で割ると、その比率は0.618となり、一つおきの小さい数字を大きい数字で割ると、その比率は0.382となります。これが有名なフィボナッチ比率(フィボナッチ級数)で、ピタゴラスが発見した比率と同様のものです。

 かのレオナルド・ダ・ヴィンチがこの比率を用いて作品を創作していたことは有名な話で、彼はこの比率を『黄金比(黄金分割比)』と名付けました。

 黄金比を持つ長方形は最も調和がとれていると言われており、この比率は歴史的建造物や絵画の中にも多く見られます。たとえばエジプトのピラミッドの高さと底辺の比率であり、古代ギリシアのパルテノン神殿の輪郭の比率であり、レオナルド・ダ・ヴィンチが描い絵の構図の比率でもあります。古来からトランプのカードの縦横の比率にもこの黄金比が用いらています。

 さらに不思議なことに、自然界にも多くの黄金分割が存在します。それはロガリズミック・スパイラル(対数・渦巻線)と呼ばれ、星雲の渦巻き、巻き貝、人間の耳の構造、ひまわりの種の螺旋の数、松かさやパイナップルの鱗片の並び、木の伸び方など、自然界では構造や周期において何らかの形でこの比率が見出されるケースが多く、最も美しく最もバランスの良い比率としても知られています。

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苗 字

 代表的な「氏」に平氏と源氏があり、もともとはいずれも天皇を祖とする氏族です。

 「平氏」は、桓武天皇の孫らが「平朝臣」を賜ってできた姓で(桓武平氏)、桓武天皇が建設した「平安京」に由来した名だとされています。

 一方の「源氏」は、嵯峨天皇の子らに、皇室と祖(源)を同じくするという名誉の意味をこめて「源朝臣」という姓を賜ったのが始まりとされます。後に清和天皇の皇子を祖とする清和源氏が、源頼朝に代表される武門の家柄として栄え、多数の武家が清和源氏の子孫を称しました。

 平氏や源氏の他に藤原氏と橘氏の四つの貴種名族をまとてめて「源平藤橘」と言い、武家は必ずいずれかの「氏」を名乗っていましたが、しだいに地方の豪族も勝手にこれら四氏の子孫と称する風潮がはびこります。弊害もあってかその後、領地などの地名に基づいた名字(苗字)が発生し、その中でも広大な領地を所有する者は大名と呼ばれるようになってゆきます。

 苗字、氏、姓などは本来はそれぞれに違うものですが、源平藤橘の一つ、藤原氏から派生した苗字は400氏以上にもなると言われています。

 朝廷に近い藤原氏は、近衛・鷹司など公家の屋号、あるいは邸宅のあった地名を名乗り一条・九条など、政権中枢部にいたため敢えて「藤原」を強調しなかったのに対し、地方に流れた藤原氏は、出自を知らしめるために「藤」の一字を残したようです。

 例えば、地名に由来するものとして近江の近藤、伊勢の伊藤、加賀の加藤、遠江の遠藤など。官職名に由来するものとして左衛門尉の佐藤、斎宮頭の斎藤、木工助の工藤、主馬頭の首藤、内舎人の内藤などがありました。また、安倍と藤原で安藤、大江と藤原で江藤など他姓との結合によるもの、藤井や藤田など頭に「藤」を冠した名字も多数あり、さらに藤を富士、不二などに改めた例もあります。

 平氏や源氏由来のものも数あり、例えば北条氏や大庭氏、三浦氏、土肥氏などは桓武平氏から、新田氏や足利氏、佐竹氏、武田氏などが清和源氏からの派生とされています。

 時には出自を創作し、粉飾が横行していたことや、その発生の多様性から、苗字を辿って得られるルーツは正確ではないかもしれませんが、興味深い話題ではあります。

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