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2014年5月

天照大御神

 日本において「女王」という呼び名は、天皇からみて直系で三親等以遠の皇族女子に与えられる称号の一つで、大正天皇からみて三親等、すなわち大正天皇の曾孫にあたる典子殿下もその地位にあります。

 ところで、奈良時代(8世紀)に成立した「古事記」は大和王権(天皇家)が国家統治の正当性を主張するための啓蒙書であり、神々の物語から第33代推古天皇へと続く歴史書となっています。

 古事記以前にも諸氏族が独自に作成した歴史書(帝紀や旧辞など)がありましたが、大和王権が諸氏族の上に立ち地上支配の正当性を主張するために統一した国史として編纂されたのが「古事記」です。その際、古来から別個の有力勢力として存在していた出雲を取り込む必要があったわけで、それが古事記に記された大国主(オオクニヌシ)の国造りと国譲りの神話です。

 ちなみに伝承上の初代とされる神武天皇は、「山幸彦と海幸彦」の神話で知られる山幸彦の孫という設定です。山幸彦は、地上を統治するために降り立った(天孫降臨)ニニギノミコトの子であり、ニニギは天照大御神の孫という系譜になっています。

 天照大御神の弟であるスサノオの子孫という系譜を与えられた大国主(出雲大社の祭神)は、地上の国を譲って後は黄泉の国(死後の世界)を司ったため、天照大御神(天皇家の祖にして伊勢神宮の祭神)とは陰と陽の関係にあります。

 今回、ご婚約を発表した典子女王殿下は祖先を辿れば天照大御神に連なる皇族であり、お相手の千家国麿(せんげくにまろ)氏は出雲大社の祭祀長として「出雲国造(いずものくにのみやつこ、いずもこくそう)」の称号を代々受け継いできた御家柄で、天照大御神の第二子である天穂日(あめのほひ)を家祖としています。

 つまり、今回は、天照大御神の長男の家系(天皇家)と天照大御神の次男の家系(千家家)のご婚約であり、縁結びで知られる出雲大社の御利益(ごりやく)あって、2千年を超える悠久の縁(えにし)で結ばれようとしています。

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主婦が幸 せに暮らせる街

 昨日創刊の学研の新雑誌「aene(アイーネ)」が「主婦が幸せに暮らせる街」ランキングを発表しました。

 都市別の「幸せ度」データなどで上位の都市を選定し、そこで暮らす主婦へのアンケート調査結果をもとに「くらし」「家族」「お金」「仕事」「モノ・趣味」などの観点を数値化しランキングしたもので、下記のような順位となっています。

   1位 藤沢市(神奈川県)

   2位 稲城市(東京都)

   3位 西宮市(兵庫県)

   4位 三鷹市(東京都)

   5位 松山市(愛媛県)

 ちなみに、各ブロックのトップは、北海道・東北が三沢市(青森県)、関東が藤沢市、北陸・甲信越が富山市(富山県)、中部が菊川市(静岡県)、関西が西宮市、中国が広島市(広島県)、四国が松山市、九州・沖縄が福岡市(福岡県)となっています。

http://aene.jp/hq_ranking/

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日本の輸出入

 島国である日本の輸出入の手段は必然的に船か飛行機を使うことになり、重量ベースでは圧倒的に海上貨物が多く、航空貨物は1%に達しません。しかし、金額ベースでは全輸入額の約2割、輸出の約3割前後を飛行機が担っています。

 航空貨物の運賃は船で運ぶよりも7倍程度高いといわれますが、その価値は輸送にかかる時間にあります。東京─ロサンゼルス間を船で運ぶ場合、陸送部分や手続きにかかる時間を含めますと平均として4~5週間(港間は9日間)かかりますが、飛行機の場合は4日間(空港間は10時間)くらいで到着します。

 そのため鮮度が命の生鮮食品や、流行や需要にいち早く対応する衣料品などが飛行機で運ばれ、宝飾品や美術品、医薬品、時には競走馬や大型の産業機械なども航空貨物として空を飛び、欠品が出た際の手当てのための電子部品や自動車部品なども急ぎ空輸されます。

 ちなみに、海上輸送は日数がかかり大きなストレスになるため、海外からやってくる動物園や水族館の動物はほぼ100%(象を除く)が空輸だそうです。

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OJT

 ビジネスの現場では、新入社員は一通りの基本研修を終え、今は多くの企業でOJT(職場での実務を通じて行う訓練)の段階です。不慣れな環境で新入社員も大変なのですが、教育担当の先輩やインストラクターも気苦労が絶えないと思います。

 参考までに、人にものを教えるとき、人を動かすとき、大変参考になる言葉を山本五十六(連合艦隊司令長官)は残しています。

 「やってみせて 言って聞かせて 

    やらせてみて ほめてやらねば 人は動かじ」

 上杉鷹山の影響を受けたとみられる大変有名な言葉ですが、これには以下のような続きがあります。

 「話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず

    やっている 姿を感謝で 見守って 信頼せねば 人は実らず」


 ただし、いつの時代もそうかもしれませんが、なかなか簡単にはいきません。

 昨今は友達感覚で接すると甘く見られ、厳しくすればパワハラ、(教育係が男性社員の場合)女性新人への教育に熱が入ればセクハラになりかねず、今は今なりの難しさがあります。

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家計調査報告

 総務省が先日末発表した2013年の家計調査報告によりますと、2013年平均の二人以上の世帯の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は前年比81万円(4.9%)増の1739万円となっています。

 下記は1739万円の内訳ですが、貯蓄としては普段あまり意識されない積立型生命保険なども貯蓄として集計対象に含まれています。

  普通預貯金 356万円(20.5%)
  定期預貯金 724万円(41.6%)
  生命保険  379万円(21.8%)
  有価証券  240万円(13.8%)
  金融機関外  40万円( 2.3%)

 ちなみに、貯蓄保有世帯全体を二分する中央値(金額の低い世帯から高い世帯へと順に並べ、ちょうど中央に当たる世帯の値)は1023万円となり、全世帯の約半分は貯蓄が1000万円に満たないということになります。

 貯蓄現在高階級別の世帯割合では、500万円未満の世帯が全体の31.9%を占めていますが、これらの世帯の貯蓄額の割合は総貯蓄額の3.7%にすぎません。一方、4000万円以上の世帯は全体の11.1%に過ぎませんが、これらの世帯の貯蓄額の割合は総貯蓄額の44.0%を占めており、一握りの資産家の貯蓄額が平均値を押し上げていることが分かります。

 実際、二人以上の世帯のうち退職した人などを除く勤労者世帯の貯蓄現在高は1244万円で、全体平均よりも500万円近く少なく、高齢無職世帯の貯蓄現在高は2363万円と、全体平均よりも600万円以上多くなっています。

http://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.htm

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積荷信仰

 ノーベル賞を受賞した物理学者が書いた「ご冗談でしょう、ファインマンさん」という、著者の肩書きや実績に似合わない痛快な自伝があります。その中の「積荷信仰」の一節をご紹介したいと思います。

『 南洋の島の住民の中には積荷信仰ともいえるものがある。戦争中軍用機が、たくさんのすばらしい物資を運んできては次々に着陸するのを見てきたこの連中は、今でもまだこれが続いてほしいものだと考えて、妙なことをやっているのです。

  つまり滑走路らしきものを造り、その両側に火をおいたり、木の小屋を作 って、アンテナを模した竹の棒がつったっているヘッドホンみたいな格好のものを頭につけた男(フライトコントローラーのつもり)をその中に座らせたりして、一心に飛行機が来るのを待っている。形の上では何もかもがちゃんと整い、いかにも昔通りの姿が再現されたかのように見えます。

  ところが全然その効果はなく、期待する飛行機はいつまで待ってもやってきません。このようなことを私は「カーゴ・カルト・サイエンス」と呼ぶのです。つまりこのえせ科学は研究の一応の法則と形式に完全に従ってはいるが、南洋の孤島に肝心の飛行機がやってこないように、何か一番大切な本質がぽかっとぬけているのです。』

 上記の住民は根本的な間違いに気付くことはなく、住民にしてみれば同じようにやっているはずなのに、期待した結果を得ることは決してありません。

 目的や方向ははっきりと捉えているけれどもやり方が間違っている・・・、ありがちな話です。

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いずれアヤメかカキツバタ

 五月は一層濃くなってきた葉の緑とともに花々が美しい季節です。

 水辺に際立つ水芭蕉。藤棚から垂れ下がる藤の花。紫色のアヤメ(文目、綾目、菖蒲)もこの時期に咲く花で、同じアヤメ科に属するカキツバタ(杜若)とともによく目にする花となっています。

 ちなみにアヤメとカキツバタは「いずれアヤメかカキツバタ」と言われますように区別が難しいのですが、葉の幅が判断材料の一つで、葉の幅が広いのがカキツバタで細いのがアヤメです。また、カキツバタは湿地を好み、アヤメは日当たりの良い乾燥地を好むという違いもあります。

 公園などの湿地では鮮やかな黄色い黄菖蒲の群生も目にします。また、地面に近い場所で咲いている白いボンボンのような小さな花はクローバー。本来は白詰草という名を持ち、昔、交易のために来航していたオランダ人が商品を箱詰めするときの詰め物として用いていたことからこの名が付けられたようです。稀に見る四ツ葉は、その形が「十字架」に似ていることから幸運のシンボルとされています。

 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の芍薬(シャクヤク)も今の時期の花で、根は鎮静・鎮痛剤として使われる漢方薬の一つです。牡丹と芍薬もまた似ており、枝分かれして横に膨らんでいるのが牡丹で、まっすぐに伸びた枝の先に花をつけるのが芍薬です。

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ワールドカップ

 気象庁が昨日発表した3カ月予報(6月~8月)によりますと、夏には「エルニーニョ現象」が発生する可能性が高いとし、向こう3か月の気温は北日本で平年並か低く、東日本でほぼ平年並、西日本と沖縄・奄美では平年並か高いと予想しています。

 ちなみに、エルニーニョ現象というのは、南米のペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温が平年に比べて上昇する現象で、日本では冷夏になりやすいとされています。

 ところで、世界中が注目するサッカー・ワールドカップ(W杯)の開幕(6月12日)の開幕が20日後に迫り、日本国内でも徐々に盛り上がってきましたが、開催地のブラジルはどうかと言いますと、実は明るい話題ばかりではありません。

 まず、空港や鉄道、道路などのインフラの整備が遅々として進まず、開幕戦が行われるサンパウロの競技場「アレーナ・コリンチャンス」は屋根が未完成のままです。先日は試合開催地の一つとなっているマナウスの空港の屋根が雨によって崩落し、空港が水浸しになる事態が発生しています。

 また、ブラジル国内では建築労働者への給料未払いが慢性化し、政治腐敗や生活困窮に対する不満からW杯開催反対の抗議デモやストライキが頻発。その他、様々な面で不備が露呈し、国際サッカー連盟の会長や事務局長からは開催を危ぶむ声があがり、サッカーの神様と言われる地元出身のペレ氏からも自国の現状について「恥ずべき状態」だと嘆いています。

 驚くべきことにこれらの事は全て最近の出来事です。このような状態ながら観戦チケットの需要は過去最高で、航空運賃やホテル代が高騰、当然のようにチケット詐欺も横行しています。試合会場間を移動するにしても鉄道が未整備のところが多く、治安も悪いことから、先のFIFA事務局長はこうした状況を踏まえ最大の迷惑を被るのは観戦者だと警告しています。

 なお、サッカーのブラジル代表は、代表を意味する「セレソン」と呼ばれています。また、カナリア色の黄色いユニフォームにちなみ日本では「カナリア軍団」の名で知られていますが、当地では「カナリーニョ」とも言います。

 ちなみに、カナリーニョの「ニョ」は、本来はスペイン語で「イエス・キリスト」または「男の子」を表す接尾語で、「エルニーニョ」や「ロナウジーニョ」などの場合と同じだそうです。

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会話のとっかかり

 地元のイベントの事や天気の話のように、会話のとっかかりに使われる話題として昔から言われているのが下記の「木戸にたてかけし衣食住」です。

  キ(季節  :お正月やお祭りなど季節の出来事など)
  ド(道楽  :趣味や関心事など)
  ニ(ニュース:身近な話題や今騒がれて事柄など)
  タ(旅   :土産話など)
  テ(天気  :天気)
  カ(家庭  :家族の近況など)
  ケ(健康  :健康管理、ダイエットや運動など)
  シ(仕事  :景気や会社での事など)
  衣(衣服  :服装や流行など)
  食(食べ物 :旬の食材や好きな食べ物など)
  住(住まい :住宅や庭、出身地など)

 尚、政治、宗教、スポーツ(3S)の話題は、個人の信念が入り込みやすく、意見が対立した場合に相手の心証を害する可能性があるため、とくに相手の事がまだよく分らない場合にはこれらの話題は避けるべきです。

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ウ リ

 「瓜」と書いて「ウリ」。そのウリがスーパーなどの店先に出回り始めています。ウリ科の植物として、キュウリ、カボチャ、スイカが含まれますが、そう言えば、「胡瓜」と書いて「キュウリ」、「南瓜」の書いて「カボチャ」、「西瓜」と書いて「スイカ」となるなど「瓜」の文字がいずれも入っています。

 ただ、一般にウリと呼ばれるのはマクワウリやシロウリ、ハヤトウリだそうです。かつて、日本でウリという場合にはマクワウリを指しましたが、現在では全国的に栽培が多いのは奈良漬に使われるシロウリです。

 成分の大部分が水分で、低カロリー。ビタミンCやビタミンB1、カロチンを含んでいます。奈良漬の他、葛煮(くずに)や炒め物、浅漬けなどの料理にされます。徳島県がシロウリの全国の生産量シェアの半分を占めており、奈良漬発祥の地で店先にも並ぶ奈良県ですが、シロウリの生産はほとんどないそうです。

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木登り名人

 成功目前でミスを犯して失敗してしまったという経験は誰にでもあるかと思います。

 「油断大敵」あるいは「百里を行く者は九十を半ばとす」という言葉が示しますように、何事におきましても最後のツメが重要であり、慣れや慢心は大きなミスにつながります。

 『徒然草』にある「木登り名人」の話もよく知られています。ある木登り名人が人に指図して高い木の上で作業をさせる時、登り始めでもなく、目的の高さに達した時でもなく、降りる際、あともう少しで地面というところで「あやまちすな。心して降りよ」と声をかけたという話です。

 「あと少しで終わり」という時に大きなミスや事故が起こってしまうことは多々あることで、それまでの苦労が水泡に帰してしまうこともあります。

 「木登り名人」の話は、上手く行きそうな時こそ、初心にかえり最後まで丁寧に事を運ぶことが大切であるということを教えてくれています。

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バナナ

 この時期に最も消費が増えるのがバナナ。果実の中で輸入量は第1位となっています。日本に最初に入ったのは今から110年ほど前の1903年。当初は台湾産バナナが中心で高級食材でした。1963年に輸入が自由化され、現在は主力のフィリピン産(90%超)を中心に糖度が高いインド産やベトナム産も出回っています。

 テニスやゴルフなどスポーツの舞台では栄養補給の定番となっており、東京マラソンでもランナーにはバナナが配られます。消化酵素のアミラーゼを多く含むためエネルギーの吸収効率が良く、血圧の上昇を抑える効果のあるカリウムが豊富に含まれており、脳梗塞や心筋梗塞などの予防に効果が期待できます。

 また、食物繊維やフラクトオリゴ糖が消化を促進し、便秘改善にも効果的だそうです。フラクトオリゴ糖には腸内のビフィズス菌を増やす効果があるされ、普段からバナナを食べている人は大腸がんになりにくいとも言われています。

 生産量はインドが1位で25%近くを占め、2位が約10%の中国、3位が9%程度のフィリピン、そしてエクアドル、プラジルと続いています(2012年FAOSTAT調べ)。

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マクロとミクロ

 経済動向を解説する際に「マクロ」と「ミクロ」という言葉がよく使われます。例えば、「マクロ経済指標が・・・・」とか「ミクロ的には回復傾向が見られる・・」といった具合です。

 「マクロ」とは巨視的とか総合的といった意味であり、経済学的には、国民所得や設備投資、消費・輸出入といった社会全体の流れを把握し、経済全体に関わる問題を分析することを指しています。マクロ経済指標としては、GDP統計の他、失業率、鉱工業生産指数などがあります。

 それに対して、微視的という意味の「ミクロ」は、経済学で言う場合、個々の企業や家計など個別的な事象に着目します。

 ミクロ的な変化はマクロ的な変化に先んじて表れるものです。もちろん、現状認識にはどちらも重要な要素となります。

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商売訓

 知恵と才覚で財を成し、今につながる大商家の創業者が残した言葉は、後続の繁栄を願い、経験と苦労を通して培った商売訓として伝わっています。そのいくつかを以下にてご紹介させていただきます。


◎岩崎弥太郎(三菱財閥の祖)

 「小事にあくせくする者は大事はなせない。

     ぜひとも大事業を行うという方針を取れ」


◎三井高利(三井財閥の祖)

 「商売は決断力を最も必要とする。

    見切ることによって、たとえ一時的な損失があっても、

    後日にいたってより大きい損失を受けるよりは良い」


◎安田善次郎(安田財閥の祖)

 「意志の弱い人は、困難なことや紛糾する事件に遭遇すると、

     すぐに参ってしまったり、または嫌がったりし、

     ついに何事も成し遂げることができない。

     このような人は、結局、奮然たる気力を発揮して事に当たる

     勇気がないので、終生向上することはできない。

     ましてや克己心などあろうはずもない」

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八相縁喜

 先日は甲賀市信楽町の信楽駅前広場で恒例の「しがらき駅前陶器市」が行われ、連日大盛況だったそうです。

 ご存知のように信楽焼を一躍全国区にならしめたはタヌキの置物で、このタヌキには「八相縁喜」という八つの縁起があり、商売繁盛の縁起物として瞬く間に全国に広がりました。タヌキが右手に持つ「御通」あるいは「大福帳」には、「世渡りは先ず信用が第一ぞ 活動常に四通八達」(信用こそ世渡りの第一)という意味が込められています。

 ところで、単式帳簿とは銀行の通帳や子供お小遣い帳のように金銭の出し入れのみの記載で、複式の場合は金銭の出し入れとそれに伴う資産の増減も記載しますが、昔の商売は掛売りがほとんどで、大福帳のような単式帳簿が一般的でした。

 明治の頃、富山で育った黒田善太郎は幼少の頃、家業が人出に渡ったために丁稚奉公となります。紙の卸問屋で、大福帳の表紙を販売する奉公先で寝る間も惜しんで働き、その経験を活かして黒田表紙店として独立します。成功して国(富山)に錦を飾りたいとの思いから作った商標が「国誉」(現コクヨ)でした。

 表紙のみの加工販売から、やがて帳簿そのものを製作するようになり、下請けからメーカーへと成長してゆくことになります。「良い品物を作れ」が口癖だった黒田の作った品物は決して安くはなかったとのことですが、「良い製品は結果として安くなる」との信条で、手作りの良品にこだわったそうです。

 黒田が商売を始める時、知人から「今頃、いい商売など残っているはずがない。もっとお金をもっている人、もっと賢い人たちがすでに始めている。今頃残っている商売はカスの商売だ」と言われたそうです。しかし、自分が出来ることに磨きをかけ、誠心誠意で商品を作り出す黒田は、徐々に客の信頼を獲得していきます。

 戦後、占領軍による経済・財政改革の一環で旧来の財政・税制が大きく変貌をとげることになります。いわゆる「シャウプ勧告」により、それまでの単式簿記から、貸借対照表を加え資産と負債のバランスを見るのに適した複式簿記が導入され、青色申告も制度化されます。結果、黒田の店先に得意先が現金を積み上げて行列をつくるほどに帳簿需要が急激に増大。需要が増大すれば価格を上げるのが通常ですが、「今の状況はアブクのようなものだ。そんなもんに目がくらんではダメだ」とし、原価ぎりぎりの値段で品物を渡していったそうです。そういった行動が結果的にコクヨの地位を確固たるものにしていきます。

 ちなみに、タヌキの置物が体現している「八相縁喜」とは下記のようなものです。

 「笠」 思わざる悪事災難を避けるため 用心常に身を守る笠

 「目」 何事も前後左右に気を配り 正しく見つむることを忘れめ

 「顔」 世は広く互いに愛想よく暮らし 真を以って努めはげまん

 「徳利」恵まれし飲食のみにこと足利て 徳はひそかに我につけん

 「通」 世渡りは先ず信用が第一ぞ 活動常に四通八達

 「腹」 もの事は常に落ちつきさりながら 決断力の大胆をもて

 「金袋」金銭の宝は自由自在なる 通用をなせ運用をなせ

 「尾」 何事も終りは大きくしっかりと 身を立てるこそ真の幸福

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逃 水

 陽射しが強くなるこの時期、富山湾などでは建物などの景観が海上に浮いて見えたりする蜃気楼が見られることがあります。

 温められた空気が光を屈折させるために起こる現象で、高速道路などで前方に水がたまって見えることがあり、行っても行っても追いつくことはない「逃水(にげみず)」という現象も同じ原理です。

 目標や夢も、思うばかりで地道な努力が伴わなければ、まるで逃水のようにつかまえることはできません。

 話は変わりますが、ある小学6年生が書いた作文を紹介したいと思います。

『僕の夢は一流のプロ野球選手になることです。

 そのためには中学、高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。活躍できるようになるためには練習が必要です。僕は三歳の時から練習を始めています。

 三歳から七歳までは半年くらいやっていましたが、三年生の時から今までは365日中360日は激しい練習をやっています。だから、1週間で友達と遊べる時間は5、6時間です。そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球の選手になれると思います。

 ・・・・そして、僕が一流の選手になって試合に出られるようになったら、お世話になった人に招待券を配って応援してもらうのも夢の一つです。

 とにかく一番大きな夢は野球選手になることです。』

 小学生が書いた「夢」と題するこの作文には遊ぶ時間の少なさに対する悔いや未練などなく、自分の夢を信じ本気で努力を重ねている姿を見ることができます。作者は愛知県の豊山小学校6年2組鈴木一郎。そうあのイチローです。

 夢を実現するには素質や環境も大事なのかもしれませんが、それ以上に大事なことは何かということをこの作文は教えてくれます。

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15歳未満の子供の推計人口

 「こどもの日」に合わせて総務省が発表した15歳未満の子供の推計人口(4月1日現在)が、前年より16万人少ない1633万人となっています。33年連続の減少で過去最低を更新しています。

 総人口(1億2714万人)に占める割合は0.1ポイント低い12.8%と40年連続の低下となっており、人口4000万人以上の主要国と比べても、米国(19.5%)、中国(16.4%)、韓国(15.1%)、ドイツ(13.2%)などを下回り、最低水準となっています。

 男女別では、男子が836万人、女子が797万人。3歳ごとの年齢層を区切りますと、中学生に当たる12~14歳が351万人で最多で、小学校の高学年(9~11歳)の333人が続いています。最も少ないのは、0~2歳の314万人です。

 人口に占める子供の割合は沖縄県の17.6%が最も高く、滋賀県(14.8%)、佐賀県(14.3%)と続いています。最低は秋田県の10.9%です。

http://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi820.htm

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頭語と結語

 手紙文を書く際に時折迷うのが、頭語(冒頭に書く言葉)と結語(結びに書く言葉)の組み合わせです。例えば、「拝啓」で始めて「敬具」で締めるのが一般的な頭語と結語の組み合わせで、「拝啓」は「拝=つつしんで」「啓=申し上げる」という意味となり、「敬具」は「敬=つつしんで」「具=申し上げました」という結びになります。

 手紙を出す相手が媒酌人や恩師などの場合には、より丁寧な頭語と結語を使います。例えば、「謹啓」→「敬白」などで、「拝啓」→「敬具」と意味は同じですが、より一層丁寧な表現になります。

 また、急用の手紙の場合には、「急啓」→「草々」と書き、時候のあいさつを省略する場合には、頭語を「前略」「冠省」などと書き、結語は「草々」などで結びます。「草々」とは、「ぞんざいな走り書きで、失礼しましす」という意味となります。死亡通知やお悔やみなど弔事の手紙には、頭語を省くのが習わしで、「敬具」などの結語は使ってもよいそうです。

 尚、女性の手紙では頭語はあまり使わず、結語は「かしこ」で終わるのが一般的です。「かしこ」とは「恐れ多い」という意味の「畏し(かしこし)」の語幹で、「これで失礼します」といった意味となります。

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外国人観光客

 3月に日本を訪れた外国人旅行者が推計105万500人(政府観光局調べ)。前年実績を上回るのは14ヶ月連続となり、月間として昨年7月の100万3千人を上回り、過去最高を更新しています。

 国・地域別では、台湾からが41%増の20万8500人で1位。2位は7.2%減の韓国で19万2100人。日中関係悪化で一時期落ち込んでいた中国が好調で80.1%増の18万4200人と7ヶ月連続のプラスとなっています。

 尚、2013年度の訪日客は前年度比26%増の1098万人と過去最高を更新。国・地域別でみますと、伸びが目立ったのは東南アジアで、タイが76%増の約50万人、マレーシアが46%増の約20万人となっています。円安に加え、昨年7月に両国の観光査証(ビザ)を免除した効果が表れています。人数ベースで最も多かったのは韓国で10%増の約246万人です。

 訪問先は北海道や福岡などの地方都市に広がっており、東京一極集中からの脱却が進んでいます。13年に台湾から日本を訪れた旅客の宿泊先は、北海道の割合が16.3%と東京の19.1%%に次いで2位となっています。スキーシーズンの10~12月は東京を上回る人気ぶりです。

 これまで外国人の日本観光といえば、東京を拠点に富士山や京都、そして大阪をたどる「ゴールデンルート」が定番でした。

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三辞三譲

 穏やかな春の日、つつじが見頃を迎えています。垣根や庭先、道路脇などでも見られるポピュラーな花で、各地のつつじ園ではつつじ祭りが催されています。

 つつじは非常に種類が多く、北は北海道から南は沖縄まで全国各地に固有種があり、花色も様々。それぞれの種が季節を追うように山を彩ります。中国伝来の表現に「山笑う」というのがありますが、若芽が吹いて、つつじ類が彩りを加えるちょうどこれからの時期の春の山を言います。

 ところで、現代社会においては、時に「遠慮」や「譲り合い」は美徳とならないばかりか、そんなことをしていると損するような風潮さえ感じられます。

 しかしながら、人と人との関係で成り立つ世の中でありますから、相手への心遣い、譲り合いの気持ちは失いたくないものです。

 譲り合いと言いましても、お互いにどこまでも譲り合っていたり、固辞するなどしてはかえって失礼になります。礼法のひとつに「三辞三譲」というのがありますが、たとえば訪問先で上座をすすめられた時や、手伝いの申し出があった時のたしなみで、譲るのも辞退するのも三度まで、それ以上はむしろ相手に失礼であるとされます。

 譲り合いは気遣いのあらわれであり、それなくしては寒々しい世の中になってしまいます。ただし、三辞三譲も場合によりけりで、「二辞二譲」くらいが丁度良いという意見もあります。

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母の日

 アメリカの新聞に下記のような求人広告が掲載されたそうです。

 

  内容は主に危機管理、ほかに多種多様な業務

  労働時間は1日19時間、週135時間程度、時間制限なし、休憩なし

  立ちっぱなしの場合も多く、スタミナは必須

  経済、薬、調理などのさまざまな知識が必要

  しかも無給

 日本であれば「最悪のブラック企業」との非難を受けそうですが、実際に面接に来た人からは「法律違反では?」「クレイジーだ」との声もあがりました。しかし、面接官は「やりがいはある。だから今も大勢の人がやっている仕事だ」と伝えます。誰ですかと聞くと、面接官曰く「母親ですよ」。

 種明かしは、母親の偉大さを再認識してもらうための「母の日」の企画だったというわけです。

 また、米人材情報会社は専業主婦の家事労働を以下の10種類に分類しています。

  ※職種     (内容)

   保育士     子供の世話

   コック     料理・炊事

   事務員     家計管理等

   洗濯人     洗濯

   清掃作業員   掃除

   設備管理者   住宅のメンテナンス

   CEO(経営者) 家族の中でリーダーシップを発揮している場合

   運転手     子供の送迎

   精神分析医   子供や家族の心のケア

   ハウスキーパー 買い物や介護等、上記以外の家事労働

 上記のような主婦の仕事について、それぞれの作業を外注した場合の時給と労働時間から賃金を積算し、さらに週40時間を超過した分や休日・深夜について割増しの時間外手当を支給した場合、主婦の家事労働の賃金(年収)換算額は1000万円を優に超えるそうです。

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ミネラルウォーター

 暖かくなって水を飲む機会も増えてきますが、全国で一番ミネラルウォーターの生産量が多いのは山梨県です。1県だけで日本全体の3分の1を占めています(日本ミネラルウォーター協会調べ2012年)。

 これに静岡県(21%)、鳥取県(9%)、鹿児島県、兵庫県が続き、上位5県だけで全国の7割以上を生産しています。カギを握るのは、豊富な水をたたえる山の存在です。山梨と静岡は富士山、鳥取は大山、兵庫は六甲山を抱えています。

 これらの山の麓にある採水地の近くには大手飲料メーカーが相次いで進出、それぞれの地域の名を冠したミネラルウォーターを生産しています。

 ところで、ミネラルウォーターと言えば、「自然の水」、「ミネラルを多く含んだ水」というイメージが一般的かと思います。実際にはそのイメージとはちょっと違います。

 農林水産省のミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドラインでは、「ナチュラルウォーター」・「ミネラルウォーター」・「ボトルドウォーター」と大きく3つに分類され、更に「ナチュラルウォーター」は、「ナチュラルウォーター」と「ナチュラルミネラルウォーター」の2つに別れています。日本の大手メーカーが生産しているミネラルウォーターは、ほとんどが『ナチュラルミネラルウォーター』に属しています。

 ガイドラインでは、「ナチュラルミネラルウォーター」とは、原水になるものが特定水源より採水された地下水のうち、地下で滞留または移動中に無機塩類が溶解したもので鉱水、鉱泉水などを指し、濾過、沈澱および加熱殺菌に限る殺菌処理を行われたものを指しています。

 一方、ヨーロッパではミネラルウォーターと銘打つ水は採水地の水をそのままボトリングしており、殺菌処理をしてはいけないという決まりがあります。従いまして、安全性という観点から採水地の周辺に工場やゴルフ場、農地、牧場などの建設が禁じられ、水質源が汚染されないように環境の保護に力を入れています。

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徳川家康の癖

 「無くて七癖」、人は色々な癖がある様です。徳川幕府、初代将軍・家康公は、少年時代から、爪を噛む癖があったそうです。精神病理学から言うと、これは精神的・肉体的な緊張をほぐそうとすると無意識に出る癖です。たいがいは成長とともに自然となおるのですが、家康公の爪噛みは大人になっても続きました。

 三河の国(現・静岡県)一帯を統一したのは、三河・松平七代目の清康(家康公の祖父)でした。大永三年(1523)、十三歳で松平当主となった清康は、先祖伝来の本拠地であった安祥城から岡崎城ヘ移り、ここを本拠地として三河全土を統一します。勢いをかって享禄二年(1529)、織田信秀(織田信長の父)を討つべく、七千の兵を率いて、尾張の春日郡へ攻め込み、森山へ陣を張ります。しかし、松平六代目を長兄の信忠と争って破れた松平信定は、裏で織田と手を結び、清康には援軍を送りません。他の松平一族も態度を鮮明にしない支族が多くありました。

 そんな時、森山の陣営に不吉なうわさが流れます。重臣の阿部定吉が松平信定と意を通じていると言うものです。それを知った定吉の息子・弥七郎は父の定吉が殺されると考え、清康の背後に忍び寄ると、背中から斬りつけ、殺害してしまったのです。清康は二十五歳で無念の死をとげ、清康軍は大いに揺れました。この異変を「森山崩れ」と呼びます。松平家に残された嫡子、広忠(家康公の父)は四歳でした。定吉は息子の罪を償おうとして、広忠を伴って、伊勢へ亡命しますが、ここから、松平家の凋落が始まります。

 天文四年(1535)、十歳になった広忠は、今川義元の協力により、岡崎城へ帰還する事が出来ましたが、その代償として、三河の領土は今川家のものとなり、西三河は織田家の占領を受けます。今川家への忠誠でやっと生きながらえている様な広忠は、織田家からの侵略を防ぐため、織田信秀と通じている水野忠政の娘、於大を嫁に取ります。ところが、嫡子、竹千代(後の家康公)が生まれた翌天文十二年、水野忠政が死に、後を継いだ信元も父にならって織田信秀と手を組みました。信元の妹を妻にしていては、今川義元の不信を買う恐れがあると考えた広忠は、於大を離縁します。それでも、織田家の西からの侵略は止みません。広忠は今川家に後ろ盾となってもらうため、交換条件として、嫡子、竹千代を人質として差し出しました。

 天文十六年、六歳の竹千代は部下に守られ、岡崎を出発し、三河湾を渡り、田原(渥美半島の内側)へ上陸、竹千代の義理の祖父にあたる田原城主、戸田康光が、今川の待つ東の駿府へ、船で送ってくれるてはずでした。ところが、内々、織田家に通じていた康光は、松平家を裏切り、船を西に向け、尾張熱田の織田領へ上陸すると、織田信秀に竹千代を五百貫(約百両、百貫と言う説も有り)で売り払ってしまいます。竹千代は、これより二年間、織田家の人質となります。

 そして、天文十八年、二十四歳になった松平家当主の広忠も、父・清康と同じように、部下の岩松八弥と言う部下に、逆恨みにより背後から斬りつけられて、殺されてしまいます。主君を失った岡崎城へ、今川義元が攻め込み、岡崎城は今川の手に落ちます。勢いをつけた今川勢は、安祥城を攻め落とし、織田信秀の庶子、信広を生け捕りにします。義元と信秀の交渉により、信広と竹千代を交換し、義元は、竹千代を駿府へ連れ帰ります。八歳の竹千代は、それから、十九歳までの十二年間、駿府で人質生活を送る事になるのです。

 家康公の爪を噛む癖は、いつ頃始まったのか不明ですが、感受性の強い少年期に、度重なる身内の惨殺に加え、自らも人質にされ、いつ処分されるかわからないと言う、不安定な身をまぎらわすためについた癖と考えられますので、大人になっても、容易に消えなかったと推測されます。

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春眠暁を覚えず

 孟浩然歌うに、「春眠不覺暁 處處聞啼鳥 夜来風雨聲 花落知多少」(しゅんみんあかつきをおぼえず しょしょていちょうをきく やらいふううのこえはなおつることしるやいくばく)。さてこの「春眠暁を覚えず」とはどういう意味でしょうか?

 春は眠りが深くて朝が来たのに気が付かない、という解釈が一般的ですが、春は自然現象として朝が来るのが単純に早くなるので起きたらもう朝が来てしまっている、とも解釈出来るでしょうし、春は時間的にかなり早い時間から鳥が鳴いたり天候も不順で夜静かに眠れず寝不足になってしまう、とも解釈可能のように思えます。

 この歌の要諦は、まさに「春眠暁を覚えず」という句自体が持つ語呂の良さと、「春は眠い」という共感ではないでしょうか。?

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古河発祥の企業

 古河市兵衛はもともと豆腐売りでしたが、貧困暮らしのみじめさがいやになり一念発起し一代で古河財閥を築いています。

 日本が近代化の道を歩もうとした時、鉱業が大きな威力を発揮しました。住友財閥は別子銅山から始まり、日立グループも久原房之助が行った日立鉱山の開発からの出発であったように、古河グループも古河鉱業(現在の古河機械金属)に端を発します。

 その古河鉱業の電線部門が古河電気工業として独立し、古河電工と米BFグッドリッチとの合弁で誕生したのが横浜ゴムです。古河電工と現在の東京電力とで設立されたのが日本軽金属で、当初は日本軽金属社内に本社組織を置き、BFグッドリッチとの技術提携で塩化ビニル樹脂の生産を始めたのが日本ゼオンです。

 ちなみに、古河が開発した鉱山とは足尾銅山です。足尾銅山の開発で、機械設備を購入したことをきっかけに親密になった独ジーメンス社と提携して誕生した企業が、古河の「ふ」とジーメンンスの「ジ」で「フジ(富士)」の名を冠した富士電機製造(現在の富士電機)です。

 さらに、富士電機の電話部所管業務が分離・独立して発足したので富士通信機製造(現在の富士通)です。また、NC旋盤やFA(ファクトリー・オートメーション)、工業用ロボットの世界トップメーカーであるファナックは、富士通の計算制御部が母体となっています。

 現在は各社ともわずかに数%程度の株式を持ち合う程度に資本関係は薄まっており、ファナックにおいては資本関係を解消し完全に独立した存在となっています。

 参考までに、源流となった古河機械金属からファナックまで、14年3月期の売上高(富士電機は実績値、それ以外は予想数値)と時価総額を比較してみますと下記のようになります。

                   売上高     時価総額

  古河機械金属(5715)   1620億円    756億円

  富士電機  (6504)   7599億円   3523億円

  富士通   (6702) 4兆6800億円 1兆2627億円

  ファナック (6954)   4400億円 4兆4021億円

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山の日

 山の日なる新しい祝日の制定が先日衆議院で可決したとのこと。そんな法案を出して審議していたのか。国会議員は休みが好きなのかなぁ。これで日本の祝日は16日に。世界的に見てもこれは多いのです。

 しかし祝日を増やすよりも“実際に休む日”を増やす工夫をした方がいいと思うのですが。祝日が増えると国全体の売り上げは増えるのか減るのか?これは微妙ですね。減る業界もあるでしょう、でも給料をいじらない限りコストは変わらない。同じような状況にある企業は多いのではないか?遊園地とかは別ですけどね。

 “国民の祝日!”となると混みそうですし、それよりも祝日は増やさず、マーケットは開いている日を多く維持して、しかし人々がもっと休暇を取るように促進し、消費も増え、結果企業収益も増え、給料も増える、しかしいきなり混んだりしない。そういう方向に持って行けないでしょうか?

 海の日があるから山の日を作り、祝日のない8月(8月11日)にしたそうです。これであと6月だけ祝日がないことに。いずれ川の日とか出来るのでしょうか。?

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端午の節句

 「こいのぼり」が泳ぐ季節、今日は「端午の節句」です。他の魚と比べて生命力が強く、多少汚れた沼地や池でも平気な鯉(こい)は、子供の健やかな成長を願う親心の象徴となっています。

 中国の故事に『鯉が黄河の急流を登り、その水脈(登竜門)に達したとき、龍になる』という言い伝えがありますが、「こいのぼり」を立てることは、元気に成長して立派になってほしいという願いを託した親の気持ちの表れそのものと言えます。

 ちなみに、「端午」とは月始めの午(うま)の日のことで、中国の陰暦では5月が物忌み(ものいみ)の月とされ、5月5日を重五(ちょうご)と呼んでいました。災いや病気を祓う(はらう)日とし、蘭の湯に浸かる、菖蒲(しょうぶ)入りのお酒を飲むなどの風習が中国にありました。日本の宮中でも同様な行事が催されました。

 やがて、宮中から武家の世の中に移ると、武士達はこうした行事から「菖蒲」を「尚武」(武道を重んずる)とかけて、5月5日を尚武の節目の行事とし、盛んに端午の節句を祝うようになります。

 江戸時代になると、端午の節句は男子の節句とされ、武家の男の子の出世を祝う日として定着してゆきました。子供が強く、たくましく育ってほしいという気持ちから、武者人形やのぼりを飾りました。それを真似、庶民の間で紙で出来た鯉を飾ったのが、「こいのぼり」の始まりと言われています。

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五常の徳

 大きな鯉のぼりを上げる家庭が少なくなった現在は、各地域で使われなくなった鯉のぼりをたくさん集めて泳がせるのが風物詩となっています。大空を泳ぐ鯉のぼりの群れは、まさに水を得た魚のように気持ち良さげです。

 昔は男子が生まれると、家の前に長い竿を立て、その竿をつたって神様が天から降り、子供を守ると信じられていました。そのうち他家よりも神様に目立つようにと様々な色の布を先端に付けることが流行しました。

 これが吹流しの原型で、五行説に由来する五色(青、赤、黄、白、黒)を配して魔除けとし、身につけるべき徳・人としての道を説いた儒教の教え「五常の徳」(仁・義・礼・智・信)も表しています。

 また、この日にひげ面の恐ろしげな閻魔様のような人物が描かれた錦を飾るご家庭もあるかと思います。

 鍾馗(しょうき)様と言って、左手で悪鬼を抑え、右手に破魔の剣を持つ鬼神で、中国の故事によりますと実在した鍾馗は秀才でもあったことから、子供を病魔から守り、学問の神様として飾られるようになりました。鍾馗の絵柄は「日本の張飛」「花実兼備の勇士」「天下無双の大将」と称えられた徳川十六神将・四天王の一人、本多忠勝の旗印としても有名です。

 子どもの日の食べ物としては、チマキと柏餅があります。チマキは武士の携帯食の名残であるとともに、古代中国の楚の詩人、屈原の命日(五月五日)に茅(ちがや)の葉で包み五色の糸で結んだ米を川に流して弔ったことがそもそもの起源とされ、難を逃れるという意味合いもあります。柏の葉は、新芽が出てくるまで古い葉が落ちないことから、「家が途絶えな」という願いが重ねられているそうです。

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兌換紙幣

 1995年公開のハリウッド映画「ダイ・ハード3」は、ニューヨーク連銀から大量の金塊を強奪するという展開でしたが、現実にそこには大量の金塊が保管されています。

 米国は外貨準備として大量の金塊(8000トン超)を保有しており、米に次いで世界2番目の金準備を保有するドイツは、その大部分をニューヨークとロンドンに分けて保管しています。米国の金準備とドイツの金準備の一部、そのかなりの部分がニューヨーク連銀の地下金庫に保管されているといわれます。

 話は変わりますが、第二次大戦後しばらくは、世界の通貨はドルを基軸にした固定為替レートでした。

 固定為替レートの根拠は、当時のドルは金との交換が可能な兌換紙幣だったことにあります。ドルは金との交換比率が1トロイオンス=35ドルに固定されており(金本位制)、各国通貨はドルと交換比率(日本円は1ドル=360円)を固定することで通貨価値の裏付けとしていました。これがいわゆる「ブレトン・ウッズ体制」です。

 1ドル=360円の根拠は、円(丸)は360度だからとか、約数の多い数字だからとかの説がありますが本当のところは定かではありません。

 1960年代後半になりますとアメリカは景気拡大とインフレの進行、さらに過剰財政支出で財政収支が大幅に悪化します。当時のアメリカの債務残高は、同国の金の保有高の3倍超に達し、実質的にドルの価値は暴落していましたが、各国中央銀行のドル買いによってかろうじて固定相場制が維持されていました。

 価値の下がったドルと金を交換する動きにも拍車がかかり、1971年、ついにアメリカはドルと金との交換停止を宣言し、為替は変動相場制に移行しました。いわゆる「ニクソン・ショック」(ドル・ショック)です。

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八十八夜

 昨日から「クールビズ」が始まりました。環境省が、冷房時の室温28度でも快適に過ごすことのできるライフスタイルとしてノーネクタイ、半袖シャツなどの軽装で業務に当たる「クールビズ」を提唱し、2005年の初回実施から今年で10周年を迎えます。

 当初は6月から9月末まででしたが、東日本大震災が発生し電力需給が著しくひっ迫した2011年以降は、開始と終了の時期を1カ月ずつ拡大した5月から10月末までの半年間、1年の半分がクールビズ期間となっています。

 ところで、立春から数えて八十八日目の今日は「夏も近づく八十八夜」ということで、いよいよ若葉の季節、新茶の季節です。

 お茶はもともとが「養生の仙薬、延齢の妙術」として飲まれており、科学が進歩した現代においても様々な効用がうたわれていますが、さわやかに香りたつ新茶は旬の味わいとともに「無病息災長寿目出度の茶」の縁起物として珍重されてきました。

 長らく抹茶のみだった日本茶文化にあって、葉茶を瑞々しい緑色に煎じて飲料用に供する煎茶の技法を編み出したのは、江戸中期の宇治の人、永谷宋円その人で、宋円の直系の子孫は京都府宇治市で「永谷宗園茶店」を営み、また別の子孫の一人は「永谷園」を創業しました。

 江戸の頃、将軍に献上するお茶を宇治から江戸に運ぶ「お茶つぼ道中」は、大名行列でさえ道を譲らなければならず、「茶つぼに追われてとっぴんしゃんぬけたらどんどこしょ」の歌のように、お茶つぼ道中の障りになるのを恐れた庶民は家中の戸を全て閉ざしてやり過ごしたそうです。

 尚、陶器などと同じく「土に還る」という意味合いから、または飲みながら故人を偲ぶということでお茶は不祝儀などによく使われます。

 その一方で、お茶の木は丈夫かつ長寿で、地中深くまっすぐに根を張ることから、嫁ぎ先にしっかり根をおろしてほしいとの願いを込めて結納にも用いられます。結納茶には、新芽をつみ取った残りの茶葉で作られる番茶が使われますが、「番茶は一度しか出ない。嫁も家を出るのは嫁ぐ時の一度だけ」の縁起をかついでいるそうです。

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山の日

 ゴールデンウィークは皆様も有意義な時間をお過ごしのことと思いますが、一般的に休祝日はレジャーや行楽の需要を促し、心身のリフレッシュにもなります。

 ちなみに、「ゴールデンウィーク(黄金週間)」の名は、興行成績が良い期間として映画会社が名付けたのが始まりですが、2004年以降は損害保険ジャパンの登録商標となっています。

 そのような事情もあって、NHKや一部のメディアでは「ゴールデンウィーク」という言葉は使わず、「(春の)大型連休」という表現で統一しています。

 ところで、現在、国民の祝日は年間15日で、6月と8月に祝日はありません。しかし、8月11日を「山の日」と定める祝日法改正案が与野党の賛成多数で衆院を通過し、参議院での審議を経て今国会中に成立する運びとなり、8月にも祝日が追加される見通しです。

 当初はお盆に絡め8月12日を祝日とする案がありましたが、その日は日本航空123便の墜落事故と同日のため反対の意見があり、最終的に8月11日に落ち着きました。祝日法改正案には、山の日の意義を「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」と明記され、施行は2016年からとなっています。

 施行後は国民の祝日は現在の15日から1日増えて16日になり、祝日がないのは6月のみとなります。

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