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八十八夜

 昨日から「クールビズ」が始まりました。環境省が、冷房時の室温28度でも快適に過ごすことのできるライフスタイルとしてノーネクタイ、半袖シャツなどの軽装で業務に当たる「クールビズ」を提唱し、2005年の初回実施から今年で10周年を迎えます。

 当初は6月から9月末まででしたが、東日本大震災が発生し電力需給が著しくひっ迫した2011年以降は、開始と終了の時期を1カ月ずつ拡大した5月から10月末までの半年間、1年の半分がクールビズ期間となっています。

 ところで、立春から数えて八十八日目の今日は「夏も近づく八十八夜」ということで、いよいよ若葉の季節、新茶の季節です。

 お茶はもともとが「養生の仙薬、延齢の妙術」として飲まれており、科学が進歩した現代においても様々な効用がうたわれていますが、さわやかに香りたつ新茶は旬の味わいとともに「無病息災長寿目出度の茶」の縁起物として珍重されてきました。

 長らく抹茶のみだった日本茶文化にあって、葉茶を瑞々しい緑色に煎じて飲料用に供する煎茶の技法を編み出したのは、江戸中期の宇治の人、永谷宋円その人で、宋円の直系の子孫は京都府宇治市で「永谷宗園茶店」を営み、また別の子孫の一人は「永谷園」を創業しました。

 江戸の頃、将軍に献上するお茶を宇治から江戸に運ぶ「お茶つぼ道中」は、大名行列でさえ道を譲らなければならず、「茶つぼに追われてとっぴんしゃんぬけたらどんどこしょ」の歌のように、お茶つぼ道中の障りになるのを恐れた庶民は家中の戸を全て閉ざしてやり過ごしたそうです。

 尚、陶器などと同じく「土に還る」という意味合いから、または飲みながら故人を偲ぶということでお茶は不祝儀などによく使われます。

 その一方で、お茶の木は丈夫かつ長寿で、地中深くまっすぐに根を張ることから、嫁ぎ先にしっかり根をおろしてほしいとの願いを込めて結納にも用いられます。結納茶には、新芽をつみ取った残りの茶葉で作られる番茶が使われますが、「番茶は一度しか出ない。嫁も家を出るのは嫁ぐ時の一度だけ」の縁起をかついでいるそうです。

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