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2015年3月

消せるボールペン型

 省庁や企業の多くは2015年度スタートの日、4月1日に入社式を行います。

 多くの若者が4月1日から新社会人としてスタートを切るわけですが、日本生産性本部は今年の新社会人のタイプについて「消せるボールペン型」と発表しています。

 日本生産性本部はその理由として、

 見かけはありきたりなボールペンだが、その機能は大きく異なっている。見かけだけで判断して、書き直しができる機能(変化に対応できる柔軟性)を活用しなければもったいない。ただ注意も必要。不用意に熱を入れる(熱血指導する)と、色(個性)が消えてしまったり、使い勝手の良さから酷使しすぎると、インクが切れてしまう(離職してしまう)。

 と、説明しています。


 日本生産性本部は「使い勝手の良さから酷使しすぎると、いわゆるブラック企業と誤解され、すぐにインクが切れてしまう(早期に離職してしまう)危険性」を指摘した上で、「新入社員の皆さんには、若いうちは何度でも『書き直し』ができると思って、失敗を恐れず、のびのびとチャレンジをして職業人としての経験を積んで欲しい」と結んでいます。

http://activity.jpc-net.jp/detail/lrw/activity001438.html

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長屋の花見

 中国の四季は青帝、炎帝、白帝、黒帝という男性の神々がそれぞれ司っていますが、日本の四季は女神が司ります。

 平城京の東、佐保山に住む佐保姫が春を司り、野山を花で埋め尽くします。温んだ水や地面から湧き立つ水蒸気で、薄い帯のように棚引く春霞は「佐保姫の裳裾(もすそ)」。

 白く柔らかな春霞の衣をまとう佐保姫の、裾がふれた場所から花開く・・・。

 昨日は福岡と東京で、今日は広島と高知で桜(ソメイヨシノ)が満開となり、宇都宮の桜も開花したそうです。佐保姫の姿は見えませんが、存在は何となく感じます。

 
 ところで、花見の文化は平安時代からありましたが、一般庶民、老若男女、町人や長屋の住民までが楽しむようになったのは江戸の頃からです。

 楽しみ方はそれぞれで、切なくもおかしい長屋の住民の花見は落語の恰好の題材です

 花見を題材にした落語はいくつかありますが、「長屋の花見」もよく知られた話の一つです。

 貧乏長屋の住人たちの花見は、卵焼きに見えるのがたくあんで、カマボコは大根の漬物で代用し、酒は薄めた番茶といった具合でまったく盛り上がらず。番茶のお酒(おちゃけ)をたくさん注がれたりするとケンカになる始末です。

 その内にやけくそになりだして、そこからのやり取りがまた笑いを誘います。

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ソメイヨシノ

 桜の開花宣言後、初めての週末となった土曜日と日曜日。好天に恵まれ、上野公園など花見の名所は大勢の花見客で賑わっていたようでしたし、近くの江戸川公園でも同様でした。


『ひさかたの 光りのどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ』

『花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに』


 上記は平安時代といわれる百人一首の中で桜を歌ったものの一部ですが、百人一首では桜を歌ったものは6つ、梅は1つのようです。


 一方、それより古い奈良時代の日本最古の和歌集と言われる万葉集に詠まれた桜の歌は40首、対する梅の歌は118首あるそうです。

 奈良時代には、花と云えば梅を指し、平安時代になって花と云えば桜を指すようになったと云います。奈良時代に中国の思想をもとに造営された平城京、そしてそれを受け継ぐ平安京、その平安京では御所の紫宸殿(ししんでん)前にあるのは当初「左近の梅」でしたが、菅原道真の進言によって桜に代わったと云います。


 ところが、奈良時代より以前の神話の時代の話では、これまた花と云えば桜だったようです。ただし、今の「ソメイヨシノ」ではなく、「ヤマザクラ」、「オオヤマザクラ」、「オオシマザクラ」と云った種類の桜です。


 ちなみに、今のソメイヨシノは東京都豊島区の「染井」と云う地で江戸時代後期にウバヒガンとオオシマザクラの交配種として誕生したそうです。値段が安く、成長が早いので一気に日本全国に広がったそうです。

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オレオレ詐欺

 繰り返し注意が呼びかけられているはずなのに、詐欺被害が後を断ちません。

 警察庁のまとめによりますと、オレオレ詐欺や還付金詐欺、架空請求詐欺、金融商品詐欺などの特殊詐欺の昨年1年間の被害総額は、前年比14%増の559億円に達し、過去最高を更新しています。

 特殊詐欺の昨年の発生件数は1万3371件で、約40分に1件の割合で発生している計算になります。

 犯行グループの現金受け取りの手段は「手渡し型」が最多で、宅配便やレターパックを使う「送付型」が激増しているとのこと。また、被害者の約8割は65歳以上の高齢者で、被害者の実に5人に4人は「自分はだまされない、大丈夫だと思っていた」と答えているそうです。

 尚、金融機関や宅配業者、タクシー運転手らが詐欺に気づき、被害を免れた金額は昨年1年間で300億円近くにもなり、実被害と合わせますと800億円を超える詐欺事件が発生したことになります。

 こうしたことを考えあわせますと、詐欺事件は身近で頻繁に発生していると認識を改めたほうがよさそうです。

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食料自給率

 国内で消費された食料がどれだけ国産で賄われたかを示す「食料自給率」という指標があります。

 先日は自給率目標の引き下げについて報じられていましたが、農水省が目標として掲げているのはカロリーベースの自給率で、この指標が登場したタイミングは米国が日本に対し農産物(牛肉やオレンジ)の自由化を迫った時期と重なります。

 農業政策を担う農水省は、自給率を低く見せることができるカロリーベースの数値を使い、国民の危機感を煽ってきました。食料自給率には、世論を誘導し、既得権益を守る道具として利用されてきたという過去があります。

 ちなみに、カロリーベースの食料自給率を計算する際、分子は「国内で生産された農産物のカロリー」、分母は「国内で供給された全カロリー」となります。

 国内で供給された全カロリーとは何かと言いますと、日々大量に破棄・処分される売れ残り・食べ残し、つまり摂取されなかったカロリーも含んだ総計です。「飽食の時代」と言われて久しく経ちますが、飽食ゆえの低自給率であり、足るを知れば自給率は上がります。

 自給率を上げるには国内の生産量を増やすことが必要との議論になりがちですが、破棄される量を減らすことが先決です。摂取しなかったカロリーを含めず、実際に摂取されたカロリーで国産の割合を求めれば、自給率は5割を超えると言われます。

 スーパーで売られている卵は9割超が日本産ですが、卵を産むニワトリのエサはほとんどが輸入に頼るため、卵の自給率はわずか数%とカウントされており、これもおかしな話です。

 また、国内生産分が分子で、輸入を含めた総量が分母にくるということは、輸入を止めれば自給率は100%になります。TPPが実現すれば農産物の輸入が増え、結果として自給率が下がるのは明白で、農水省が殊更にカロリーベースの食料自給率を示すのはいわゆる「大人の事情」です。

 日本の農業の生産効率は高く、農業総産出額は約8兆5千億円で、これは世界でも上位の水準です。農水省はカロリーベースの食料自給率を39%と発表していますが、生産額ベースの食料自給率は69%に跳ねあがります。※いずれも農水省の平成25年度データです。

 自給率の向上を目指すために国内生産を増やすというのであれば、生産額をベースとした自給率を示すべきであり、数値が低くでるカロリーベースの自給率が論拠として使われる裏には農水省の意図があり都合があります。

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通販業者ランキング 

 カタログやテレビ、ラジオなどの媒体を用いて、消費者へPRすることで販売につなげる通信販売業者(174社)を対象に、帝国データバンクが売上高ランキング(2013年度)を発表しておりますのでご紹介させていただきます。※業績非開示のアマゾンジャパンは含まれず。


   <企業名>      <主な取扱品> <売上高>  <前年度比>

 1位)アスクル       オフィス用品 2103億円  6.4%増

 2位)ジャパネットたかた  電化製品   1423億円 21.6%増

 3位)ジュピターショップチャンネル
               総合     1327億円  4.4%増

 4位)千趣会        婦人服    1264億円  3.1%減

 5位)ディノス・セシール  総合     1219億円  5.8%増

 6位)ニッセン       婦人服    1147億円 12.7%減

 7位)ベルーナ       総合      981億円  1.5%増

 8位)郵便局物販サービス  地産品     843億円  6.3%増

 9位)カウネット      オフィス用品  808億円  2.6%増

10位)サントリーウェルネス 健康食品    635億円  8.8%増



 全体の総売上高は前年度比3.2%増の約2兆1161億円で、2期連続で前年度を上回っています。

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青木昆陽

 享保十七年(1732)、瀬戸内海を中心に、イナゴ、ウンカの大発生が起こります。一夜の内に稲、数万石を食い荒らすと言う勢いです。餓死者も多発し、幕府老中は困惑するばかりでした。

 米価は急騰し、一石当たり五十文目であった価格が、百三十文目まで高騰します。江戸市内でも、打ち壊しが発生するなど、大恐慌をていしました。「享保の飢饉」と呼ばれるものです。

 その頃、町奉行を勤めていたのが、テレビでもおなじみの「大岡越前」。その越前公の支配下に属する与力の屋敷内に、青木昆陽と言う儒学者がいました。昆陽は通称を「文蔵」と言い、江戸の商人の子として生まれましたが、若いころ、京へ登って、文献の考証調査、経済実学を重んじる伊藤東涯に師事し、享保四年(1719)頃、江戸へ戻り、縁あって、越前配下の与力の屋敷にいたのです。

 飢饉が続く、享保十九年(1734)、越前公は、老中の松平伊豆守に進言しました。「私の組屋敷にいる浪人青木文蔵と言う者が、この度薩摩芋の作り方に巧者であると申しましたので、御側衆へ申し上げたところ、その事を絵双紙のように印刷して、世間に広めよとの事でございますので、この薩摩芋の作り方を文蔵が知っておりますので、どこかに二百坪ほどの土地をわたし、公儀御入用として、芋を作らせてはいかがでしょうか。」

 こうして、翌享保二十年(1735)正月八日、薩摩芋の栽培法を記した「蕃藷考(ばんしょこう)」が出来、小石川に薩摩芋の試作所も出来、時の将軍、八代・吉宗公も、江戸城内の庭園で薩摩芋の試作を行うなどして、飢饉は回避されたのです。

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勝ち組 負け組

 巷からは「格差社会」・「勝ち組」・「負け組」といった言葉が聞こえてきます。それに関しまして興味深い話をご紹介させて頂きたいと思います。


 『山女(やまめ)とサクラマスは元々同じ魚だそうです。稚魚の時、餌の奪い合いとなり、生存競争に負けた山女の稚魚は清流から追いやられ、川を下って海に行く。海には栄養源となる豊富なプランクトンがいる。それを食べ育った山女はやがてサクラマスとして産卵のために生まれた清流へ戻る。そこには勝ち残った山女が暮らしている。負け組の山女であるサクラマスの体重は勝ち組の山女の10倍以上になっている・・・』


 「格差」・「勝ち組」・「負け組」といった言葉が身近な社会で頻繁に使われる昨今ですが、最近では勝ち組企業が負け組に転落するケースも珍しくありません。その一方で、負け組と言われた企業やその株価が大化けするケースもたくさん出てきています。これは、企業ばかりではなく、人に対しても多くのケースで当てはまりそうです。


 リチャード・ニクソンの「人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。」という言葉、また柔道家である神永昭夫氏の「勝負は負けた時から始まる」という言葉も同様の意味合いで心に残ります。

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コンビニ

 半径1km圏内に複数のコンビニがあることは珍しいことではなく、この業界の生き残り競争の激しさは肌で感じます。

 加えて最近はドラッグストアと互いの領分を侵しつつ、コーヒーチェーンの領域にも触手を伸ばすなどの動きの他、出店を増やしているディスカウントスーパーとの競合も目立つようになりました。

 全国のコンビニの店舗数は約5万2000店。増税後の消費の落ち込みでコンビニ全体の既存店売上高は前年同月に比べ10カ月連続のマイナスとなっています。

 ところで、業界最大手のセブンイレブンは本日、空白地帯だった高知県で3店同時に開業しました。今後4年間で同県内に約100店の出店を予定しているそうです。

 残る空白県は青森、鳥取、沖縄の3県で、青森県への進出は今夏にも達成する予定です。まるで国盗りゲームのようですが、残る空白県は鳥取と沖縄の2県のみです。

 業界3位のファミリーマートと同4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニー・グループが経営統合に向けて交渉中と報じらましたが、参考までに業界内の順位は下記のようになっています。


               <売上高>     <店舗数>
 
    セブンイレブン   3兆7812億円  1万7177店

   ◎F+S       2兆8133億円  1万7465店

    ローソン      1兆9453億円  1万2081店

    ファミリーマート  1兆8627億円  1万1146店

    サークルKサンクス   9506億円    6319店

    ミニストップ      3499億円    2138店

 
 ※数字は2014年2月期。「F+S」はファミリマートとサークルKサンクスを単純に合算した数字です。

 ちなみに、1店舗あたりの1日平均売上高は、セブンイレブンが約66万円、ローソンが約54万円、ファミリーマートが約52万円、サークルKサンクスとミニストップはともに45万円前後で、セブンイレブンが群を抜いています。

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采根譚

 そろそろ桜の季節到来となりますが、中国古典に

 「花は半開を看る」(はなは、はんかいをみる)・・・采根譚

とあります。


 満開に咲き乱れている花は確かにきれいですが、すぐに見飽きてしまいます。それよりも五分咲きぐらいの方に、かえって風情があるようです。満ちたりた状態というのは、だれでも願うところです。しかし、それがはたして幸せなことなのかどうか、よくわかりません。


 まわりから見て、なんの不自由も心配もなさそうな人がいます。しかし、そんな人に限って意外に深刻な悩みをかかえていたりします。それに、満ち足りた状態というのはおおむね長続きしません。いや、そこまで登りつめたら、満開の花がすぐ散っていくように、転落する日も近いと覚悟すべきです。だからいよいよ悩みも尽きないということになるかもしれません。


 それを考えますと、満開、絶頂はあまり誉められた状態ではないかもしれません。むしろそこまで登りつめないで、ほどほどのあたりが理想ということになります。

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社 日

 本日は大安、そして「社日」(しゃにち)です。

 「社日」は春と秋の2回あり、春の社日は種蒔きの時期で五穀豊穣の祈願が行われ、秋の社日は収穫の時期で無事に作物を収穫するための祈願が行われます。いずれも農業において忘れてはいけない大事な時期であり、そのため重要な節目の日とされています。


      「思い出す、様々のことさくらかな」 芭蕉


 土曜日には鹿児島や熊本、そして名古屋でサクラが開花しました。この時期、「満開の桜並木に新入生の晴れ姿」という光景がふと瞼を閉じると想い浮かびますが、やはり日本人の文化と心に宿す花といえば桜かもしれません。


 「春のうららの・・・」で始まるメロディーを聞きますと、誰しも幼き日の思い出が蘇り、日頃の邪心は束の間消え失せるのではないでしょうか。


 この季節は、別れと出会いの人生の岐路に立ち、多くの涙を流し、多くの出会いに感動します。いにしえより貴賎貧富の差はなく、等しく公平に美の喜びを与え続け、それぞれの思い出と重なり合うという人も多いかと思います。


 また、桜に感じる魅力を「一斉に咲き、一斉に散るところにある」と言う人もいます。「同期の桜」の連帯感とハラハラと散る切なさ、一晩の嵐に散る「散り際の良さ」が日本人の心情にたまらないようです。

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土地価格

 先日発表の「公示地価」も含めまして、公に発表される地価には以下のようなものがあります。


・公示地価  国土交通省が3月に公表。1月1日時点での全国の約2万3千の調査地点について、各地の不動産鑑定士が実際の売買事例を重視しながら土地の評価を行い、国交省土地鑑定委員会が公表します。

 国や自治体の用地取得や国土利用計画法に基づく取引価格の基準となり、民間の土地取引の適正価格の目安にもなっています。



・路線価   国税庁が7月に公表。1月1日時点での全国の主要な道路に面した土地の標準価格で、売買実例価格や不動産鑑定士らの鑑定評価額などをもとに、公示地価の8割を目安に算出され、相続税や贈与税を算定する際の基準にもなっています。



・固定資産税評価額  固定資産税など土地と建物にかかる税金の基準となる価格で、専門家らの判断も参考に市町村が算定しおおむね2月から4月にかけて公表されます。土地の固定資産税評価額は公示価格の7割、新築の建物の場合は建築費の5~7割程度が目安とされます。評価の見直しは3年に1度。



・基準地価  都道府県が9月に公表。7月1日時点での全国約2万4千地点の土地価格を調査し、周辺の取引事例も参考にしながら不動産鑑定士が評価・算出したもの。公示地価とともに土地取引の目安となります。



 公的な土地の価格(評価額)には、上記4つの価格が存在することから「一物四価」と言われ、実際に取引される「時価(実勢価格)」も加えますと「一物五価」となります。また、一物四価のくくりは、固定資産税評価額の代わりに時価を入れる場合もあります。


 なお、先日発表の公示地価では、全国の地価は7年連続で下落していますが、商業地は7年ぶりに下落が止まり、前年比横ばいとなっています。

 都道府県別の商業地では東京都が最高の2.9%上昇。景気回復や海外からの観光客の増加で事務所や店舗の需要が拡大しています。また、都内の住宅地は全ての区で上昇しており、中でも千代田区、中央区、港区は五輪開催に伴うインフラ整備への期待などで上昇率が6%に達しています。

 ちなみに、全国で最も高額な土地は東京都中央区銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」で、1平方メートルあたり3380万円、前年比で400万円超の値上がりとなっています。

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江戸の冬の暖房事情

 江戸期のいろいろな文献を調べると、冬の暖房器具はほとんどが「火鉢」で、ごくまれに「炬燵」が出て来る程度です。炬燵は、下半身全体を暖められて、火鉢より、エネルギー効率が良い暖房器具なのですが、やかんなどを掛けられず、副次的な効果が期待できない上、身動きしにくくなると言う欠点があるので、火鉢より普及しなかったのかもしれません。それに江戸期は、現代の様に炬燵の上に天板を乗せる、と言う風習がなかったため、炬燵に入りながら、書き物をする、食事をする、などがほとんど出来なかったので(まっ、要領の良いヤツは、暖めたお鍋と、お癇したお銚子を、お盆乗せて、そのお盆をバランス良く天板の無い炬燵の上に乗せて、チビチビやってたヤツもいるでしょうが)、炬燵は単に下半身を暖めるためだけのアイテムだったのです。

 しかし、火鉢も炬燵も、暖房器具なのかもしれませんが、現代のストーブやエアコンなどの様に、部屋全体を暖めるのではなく、人の体の一部を暖めるだけにすぎません。

 江戸期、部屋全体を暖める、画期的な暖房器具としては、「囲炉裏」があったのですが、超過密でただでさえ火事の多かった江戸の町では、囲炉裏など設置する事は当然不可。

 文字、文化、宗教、生活習慣など、多くの面で大陸(中国、韓国)の影響を受けている、近世日本ですが、大陸にあるオンドル=「石で組み上げた家の床下から火を焚いて、その熱風で部屋全体を暖める設備」は、ついて普及しませんでした。これは、石で造ったオンドルの家は、たとえどんなに冬が暖かくても、高温多湿の日本の夏では、とても住む事の出来ない構造であったからです。江戸期の日本は、冬はたしかに寒かったでしょうけれども、それでも、北京や北欧よりははるかに暖かく、部屋の中は寒くても、火鉢と炬燵で体を暖めて、背い寒いと愚痴を言いながら、なんとか冬を乗り切ればやがては春がめぐって来たのです。

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春彼岸

 春分の日(3月21日)とその前後3日間を合わせた7日間を「春彼岸」と言います。

 「彼岸」とは、迷い苦しむ現世の人間界(此岸)に対する言葉で、「彼(か)の岸に至る」を意味するサンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多)」からきています。煩悩の束縛から解き放たれて悟りを開いた涅槃の境地が彼岸です。

 空間的には東が現世(此岸)で、西にあるのが極楽浄土(阿弥陀如来が建立したとされる極楽)となっています。太陽がほぼ真西に沈むこの時期は西方にある浄土(彼岸)に最も近いと考え、仏事が行われるようになったそうです。

 ところで、彼岸に欠かせないのが「ぼたもち」です。今は一年を通して「おはぎ」として売っているお店もありますが、本来は季節の花にちなみ春の彼岸は「牡丹餅」、秋の彼岸が「お萩」。赤色系の花の色や、餡となる小豆には邪気を払う効力があるとされています。

 この二つ、違いは食べる時期や名前だけではなく、ぼたもちは牡丹の花をかたどり丸く大きく、おはぎは萩の花のように小ぶりで少し長め、元々はぼたもちはこし餡、おはぎはつぶ餡という違いもありました。

 ちなみに、夏のぼたもちは「夜船(よふね)」、冬のぼたもちには「北窓(きたまど)」という呼び名があります。

 ぼたもちは餅米を使いますが、杵と臼で搗(つ)くようなことはしません。「搗き知らず」→「着き知らず」→「いつ着いたのか分らない夜の船」ということで「夜船」。同じように「搗き知らず」→「月知らず」→「月が見えないのは北側の窓」ということで「北窓」と呼ぶそうです。

 話は変わりますが、昔の書物にこんな話があります。

 一人の旅人が東から西へ向かって歩いていると、突然前方に業火渦巻く火の河と激しい流れの水の河があらわれ、後ろへ戻ろうとすると盗賊や獣が襲いかかってきました。旅人は窮地に陥りますが、西へ延びる白い細い道を見つけます。

 河に呑み込まれずに白道(びゃくどう)を渡りきれるかどうか分からず立ちすくむ旅人に、「心を決めてその道を渡りなさい。信じなさい。河を恐れることはない」と声がします。

 その声に勇気付けられ旅人は西に進みますが、今度は背後から「引き返しなさい。その道の先には何もない」との声がします。しかし旅人はその声に耳を貸さず白道を渡りきりやがて西岸に辿り着きます。

 この話で東は現世(此岸)、つまり今いるところ。西にあるのが極楽浄土(彼岸)で旅人の目的地。怒りや憎しみで燃えたぎる火の河、何もかも流しつくす欲望の心をあらわす水の河、そして背後の声は煩悩です。

 怒りや憎しみの業火に焼かれることなく、欲望に流されず、我愛、我見、疑い、迷い、慢心といった煩悩を振り切って進んだ先に目的地があるということです。

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祝婚歌

 卒業、進学、就職と、春は人ぞれぞれに生活に変化がおこりやすい季節です。

 例えば離婚もそうです。気持ちが決まればさっさと別れたいという心理的要因によって月別の差異が結婚ほど顕著ではありませんが、離婚は3月に増える傾向があります。

 子どもの住環境の変化を第一に考え、学校が変わったり、名字が変わったりするのを、学校に上がる前や新学期が始まる直前のタイミングで・・・というケースが多く、結果、3月に離婚が増えるというわけです。

 また、「ジューンブライド」と言われるわりには、梅雨時であるため6月の結婚は意外に少なく、気候の良い3月と11月に結婚式のピークが訪れます。


 ところで、詩人・吉野弘氏(故人)の代表作の一つに「祝婚歌」という詩があります。

 結婚する姪に餞(はなむけ)として贈られた詩で、作られてから42年が経ちます。今も披露宴のスピーチなどで新郎新婦に贈られることが多く、贈られた側の夫婦にはその後の二人の歩みにおいて大切な道しるべとなります。

 改めて気づかされることがあるかもしれませんので、詩の一節をご紹介させていただきます。


    ~祝婚歌~  吉野弘

    二人が睦まじくいるためには
    愚かでいるほうがいい
    立派すぎないほうがいい
    立派すぎることは
    長持ちしないことだと気付いているほうがいい
  
    完璧をめざさないほうがいい
    完璧なんて不自然なことだと
    うそぶいているほうがいい
  
    二人のうちどちらかが
    ふざけているほうがいい
    ずっこけているほうがいいい

    互いに非難することがあっても
    非難できる資格が自分にあったかどうか
    あとで
    疑わしくなるほうがいい

    正しいことを言うときは
    少しひかえめにするほうがいい
    正しいことを言うときは
    相手を傷つけやすいものだと
    気付いているほうがいい

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春の嵐

 「春の嵐」との言葉がありますように、南北で寒暖の差が大きくなりがちな今の時期は強風が起きやすい時期でもあります。全国の観測点で風速10メートル以上の風を観測した平均日数が多い月は、台風シーズンの9月や10月ではなく、3月と4月です。

 それ故一たび火災が発生すればこの時期は特に延焼しやすく、江戸三大大火の「明暦の大火」「明和の大火」「文化の大火」はいずれも新暦の3月と4月に発生しています。春の全国火災予防運動が今の時期に行われるのも強風によって大火になりやすいからです。

 ところで、風は気圧や温度の変化によって発生しますが、一般的に海岸付近では昼夜で風向きが逆転します。(もちろん、上空に大きな低気圧や高気圧があった場合にはそちらに影響されます。)

 陸は暖まりやすく冷えやすい、海は暖まりにくく冷えにくいという比熱の差によって生じる現象で、日差しのある日中は(海風)海から陸へ、気温が下がる夜は(陸風)陸から海へと風向きが変化します。マリンスポーツに親しんでいる方は「オンショア」(海風)、「オフショア」(陸風)と言った方が通りがいいかもしれません。

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鬼 門

 鬼と言えば、もともとは死霊や得たいのしれないモノを指し、「災い」そのものを意味するようになりました。そして、北東の方位は鬼が出入りする方角「鬼門」として忌まれてきました。

 福徳を司る歳徳神のいる恵方が四つの方位の間を毎年変わるのに対し、鬼門は常に北東の方角にあります。

 徳川幕府は、京の鬼門を守護する比叡山(延暦寺や日吉大社)に倣い、江戸城の北東に寛永寺を建立し、鬼門守護としました。寛永寺は「東の比叡山」という意味の「東叡山」を山号としています。

 また、鬼門の反対にあたる南西の方角は「裏鬼門」と呼ばれ、この方角も不吉な方角とされてきましたが、江戸城の裏鬼門にあたる南西には山王日枝神社が遷座されました。

 比叡山の名は、古事記では日枝山(ひえのやま)と表記されており、寛永寺も日枝神社も王城守護の比叡山と密接なつながりがあります。

 ちなみに、鬼門(北東)の方位は、風水で言えば艮(うしとら)=丑と寅の間の方角となります。もともとは姿形が定まっていなかった鬼でしたが、うしとらの方角を鬼門と呼ぶことから、一般的に丑(牛)の角と寅(虎)の牙と爪を持ち、虎の皮を身に着けた姿として具現化されてきました。

 鬼は本来は恐ろしい災いの象徴ですが、現代の鬼は来年のことを言えば笑い、豆をぶつければ涙を浮かべて逃げまどう、少々愛嬌のある存在となっています。

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人生七十古来稀なり

 今年は団塊の世代が65歳以上となりますが、10年後の2025年にはその団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となります。その数2200万人、5人に1人が75歳以上という超高齢社会の到来です。


 2025年問題とも言われていますが、1947~49年(広義では51年まで)の第一次ベビーブームに生まれた世代は団塊の世代と呼ばれ、約700万人(広義では1000万人超)と人口が多いです。


 医療の発達や栄養の質の向上などで平均寿命が伸びていますが、唐の時代の詩人杜甫の詩「曲江」(きょっこう)の一節には「人生七十古来稀なり」とあり、「古希」の語源とされ、人の一生は短いもので70歳まで生きる者は少ないと言っていました。古希は数えの70歳(満69歳)で長寿の祝いとされています。お祝いの色は、喜寿(77歳)祝いと同じ紫色です。


 70と申しますと、今年は終戦から70年目という大きな節目の年でもあります。戦火を知らない世代が70年続いたのはまさに「稀」なことです。また、孔子の「論語」の中には『三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順ふ。七十にして心の欲する所に従えども矩(のり)をこえず』とあります。


 『30歳で自己の見識を確立して自立し、40歳になって道理が明らかになって自分の生き方に迷わず、50歳になってはじめて自分の人生の天命・使命を自覚し、60歳で他人の意見に反発を感じず、素直に耳を傾けられるようになり、70歳になって欲望のままに行動しても人の道に外れることがない』と言っています。


 もっとも、生身の人間が孔子の70歳の境地に到達するのは至難の業です。多くの人は江戸時代の都々逸(どどいつ)「割って見せたや私の心、割れば色気と欲ばかり」に共感を覚えるのではないでしょうか。

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ブルーマンデー

 一般的に、気分が乗らず、憂うつな気分で迎える人も多いことから、休み明けの月曜日は「ブルーマンデー」とも呼ばれます。

 海外では月曜日は脳卒中や心筋梗塞などの心血管系疾患の発生が多いことが知られており、日本でも同様の調査結果があります。

 ゆったり過ごした週末から、仕事などで緊張する平日に変わることからくるストレスが影響するものと考えられています。実際、自殺が最も多い曜日は男女ともに月曜日ということが厚労省の統計でも明らかになっています。

 このようないわゆる「月曜日病(ブルーマンデー症候群)」は、休日の朝寝坊にも関係があるようです。休日に遅い時間に起きることで体内時計に狂いが生じ、軽い時差ボケ状態で月曜日を迎えてしまうことが月曜日病の一因と言われています。

 ある調査では、休日の「寝だめ(朝寝坊)」は平日の不眠を招き、結果的に抑うつ(うつ状態)を招く要因となることが明らかになっています。つまり休日の「寝だめ」は逆効果で、身体的にも精神的にも悪循環に陥る可能性が高いのだそうです。

 ちなみに、月別で自殺者が最も多いのはこの3月であるため、内閣府は3月を「自殺対策強化月間」と定め、広報啓発活動を展開しています。

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ヤマハの四輪事業

 ヤマハ発動機の4輪車参入は過去幾度も浮上した話で、ヤマハ発には四輪車を作るための技術やノウハウがあります。ホンダが2輪の技術を活かし四輪に参入したのと同じです。

 ちなみに、オルガンメーカーとして明治に創業した山葉風琴製造所は、後に日本楽器製造株式会社(現ヤマハ)に改組。日本楽器は、生活に彩りを加える分野での事業の多角化を図り、狭い住宅環境でも鍵盤楽器に親しめるようにとエレクトーン(ヤマハの電子オルガンの商品名)などを開発し、音楽以外の分野で手掛けたのが二輪車でした。その日本楽器の四輪車部門が分離・独立する形でスタートしたのが今のヤマハ発動機です。

 ヤマハ発は1960年代前半には既に四輪の試作車を作り本格参入を準備していたとされます。トヨタ初の本格スポーツカーとして1967年に登場した「2000GT」はヤマハ発の技術供与で開発され、生産もヤマハ発が担ったことはよく知られています。

 1960年ごろのトヨタは実用車主体のメーカーであり、スポーツカーの開発ではヤマハ発が先んじていました。トヨタ本社は一切タッチしないとの異例の方針もあって、「2000GT」の開発本拠はヤマハ発の社内に置かれ、内装には日本楽器の木工技術が活かされています。

 ヤマハ発は四輪のモータースポーツでエンジンを供給するコンストラクターとしての経験も豊富で、1985年頃から国内のレースで使用するマシンにエンジンを供給し、1989年から1990年代後半までは四輪で世界最高峰のレースであるF1マシンにもエンジンを供給しています。

 今現在、トヨタ自動車はヤマハ発に3.6%出資する関係にありますが、トヨタの高級車ブランド「レクサス」向けにヤマハ発動機がエンジンを供給するなど事業面でのつながりも濃厚です。

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江戸の「お妾さん事情」

 江戸期、お大名は側室(お妾さん)を持つのは当たり前でした。単に女好きと言う訳ではなく、早く後を嗣ぐ男子を確保しておかなければならないからです。仮に後継者が決まらない内に、殿様が急死してしまうと、その家は改易、つまり取潰しにされてしまうのです。家老以下家来達も収入がなくなり、身分は浪人となってしまいますので、お家の取潰しを回避するために、殿様は、側室を何人も持って、男子製造に励むのです。

 跡取りは正夫人から生まれた男子が第一位ですが、正夫人に男子が生まれなければ、側室の産んだ男子が跡取りになります。身体の障害がなければ、早く生まれた男子が跡取りの権利を取得するのです。男子が一人なら問題は無いのですが、側室お壱様が男子(長男)を産み、次に側室お弐様が男子(次男)を産み、その次に正夫人が男子(三男)を産んだとすると、正夫人の産んだ男子が三男ですが、上の二人を抑えて、嫡子(ちゃくし=本妻の子)と言う事で跡取りになるのですが、その子が病弱だったりすると、側室が産んだ男子を跡取りにしようと言う勢力も出て、時代劇でもおなじみの「お家騒動」が起こる事もあります。

 そして、側室は妾奉公、つまり「奉公人」ですから、給料ももらいますし、年四回の仕着せもあり、月々の御扶持もあります。すべて家来、使用人の扱いで、正夫人との間柄も主従になります。正夫人に男子がなく、側室の産んだ男子が当主になった時、はじめて当主の生母と言う地位が与えられますが、身分は側室のままで、仮に正夫人が死亡しても、正室になる事は出来ません。これは、享保八年(1733)に、側室を正室に直す事を禁じる法令が出ているためです。

 また、庶民の場合は、俗に「黒板塀に見越しの松」などと言われる「妾宅」を構えます。妾奉公を希望する女性は、仲人(ちゅうにん)と言う妾を斡旋する人を介して、大家の旦那などと契約をします。契約が成立すると、支度金を取ります。最低でも三~五両、旦那が一目ぼれしてしまったりすると、十~二十両なんて大金が支払われる事もあった様です。

 中には「安囲い」と言って、お妾さんは妾宅に住んで、女中の一人も置いていますが、そこへ複数の「旦那」が、日を決めて、交代で訪れる。お妾さんは、その複数の旦那がそれぞれお手当をもらい、生活費とする、なんて場合もあります。仮に四人の旦那が一人の安囲いのお妾さんを、共同で囲っているとすると、旦那にとっては、お妾さんに会いに行けるのは、通常の四分の一になりますが、その代わり、お妾さんに渡すお手当も四分の一で済む訳で、お妾さんにすれば、中々いない、大金出してくれる良い旦那を一人見つけるより、すぐ見つかる、少ないお金で遊びたい旦那を四人みつければ良い訳で、需要と供給のバランスが取れていた様です。

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アップルウォッチ

 米アップルが腕時計型の情報端末「アップルウォッチ」を発表しました。

 ほぼ予想されていたとおりで、iPhoneと連携させたり、心拍数や歩数を計測したり、カロリーの消費量などを記録して健康管理に役立つ機能も搭載しています。日本での価格は4万2800円からで、18金を使った最上位モデルは128万円の高価格となっています。

 もちろん、日進月歩のデジタルの世界において時間の経過とともに性能の陳腐化から逃れることはできません。いわゆるウエアラブル端末も今後ますます高性能化が進み、次々と新しい商品が登場しそうです。また、充電1回あたりの駆動時間が18時間という点も、まだこれからの商品であることを感じさせます。


 ところで、腕時計には大きく分けて、電池で動くクオーツとゼンマイで動く機械式の2種類があります。

 クオーツ時計は、精度が高く、価格は安く、維持費も安いというのが特徴です。ただ、時計としての寿命は10年ほどと言われます。太陽光で発電し、標準電波を受信して時刻の誤差を自動補正するソーラー電波時計も、二次電池(バッテリー)は劣化するため、いずれ電池交換が発生するそうです。

 機械式は、精度の面でクオーツや電波式にはかなわず、2、3日放っておけば動きが止まってしまいます。維持費もクオーツに比べ高額で、摩耗した部品の交換のために数年毎に行うオーバーホールでは数万円の費用がかかるのが当たり前です。ただ、その一方で、丁寧に扱えばクオーツの数倍の寿命が期待でき、場合によっては親子二代での使用にも耐えます。

 誰もが携帯電話やスマホを持ち歩く現在は、腕時計をしなくても時間を正確に知ることがきます。時間を知るだけで良ければ、100円ショップで売られているデジタル時計で十分です。

 精度で劣り、手間がかかる機械式腕時計ではありますが、50万円を超えるような高額品の大半は機械式です。

 例えていえば、クオーツ腕時計が大量生産の工業製品であるのに対し、繊細な部品と複雑な機構を持つ機械式腕時計は職人が作る工芸品です。

 どこに価値や魅力を感じるかについては人それぞれの趣味や好みによって違ってくる部分ではありますが、いくらでも選択肢がある中で高額な機械式腕時計が生き残り続ける理由は、工芸品としての付加価値と贅沢品としてのステータスにあります。

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ベストカー

 米大手消費者団体が発行する品質調査専門誌「コンシューマー・リポート」が、恒例の自動車信頼性ランキング(2015年版)を発表しました。

 このランキングは、数十回にも及ぶ路上試験を繰り返し、安全性、燃費、快適性、乗り心地などの項目を、同誌が独自に調査した結果に基づいて評価したもので、2015年モデルの部門別ベストカー及び全部門を通じての最優秀車は下記のようになっています。

 ちなみにこのランキングは、米消費者の購買動向に大きな影響を及ぼすと言われています。

             [車種]     [メーカー/ブランド]

  <最優秀車>     モデルS     テスラ

  <小型車>      インプレッサ   富士重工

  <中型セダン>    レガシー     富士重工

  <大型車>      インパラ     シボレー(GM)

  <高級車>      A6       アウディ(VW)

  <グリーンカー>   プリウス     トヨタ

  <スポーツセダン>  リーガル     ビュイック(GM)

  <ミニバン>     オデッセイ    ホンダ

  <小型SUV>    フォレスター   富士重工

  <中型SUV>    ハイランダー   トヨタ


 最優秀に輝いたのは1千万円近くするテスラ・モーターズの電気自動車「モデルS」。日本車は全10部門中、6部門でトップをとっており、日本車に対する信頼度の高さを裏付けています。その中でも「スバリスト」または「スービー」の名で呼ばれる愛好家の存在でも知られるスバル(富士重工)カーへの高評価が際立ちます。

 同時に発表された自動車ブランドのランキングでは、トヨタの高級車ブランド「レクサス」が3年連続の首位。2位が「マツダ」、3位が「トヨタ」、4位がフォルクスワーゲン(VW)の高級車ブランド「アウディ」、5位が「スバル」の順となっています。

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広告料

 宿泊予約サイトの一般的なビジネスモデルは、ホテルなどの宿泊プランを掲載し、利用者が実際に宿泊すれば宿泊施設から手数料が入るというものです。

 ヤフー!トラベルが先日から開始したのは、宿泊施設から手数料を取らないかわりにその分で宿泊料を引き下げ、宿泊客はさらに宿泊料の5%超に相当するTポイントの還元などを受けられます。

 例えば、ヤフーを利用すれば1泊1万円のホテルに9500円で泊まれ、さらには5%以上のTポイントももらえるということになります。

 手数料を取らないヤフー側の収入源は広告料で、割安な宿泊料で利用者が増えれば、広告の効果が増しクライアント(広告主)も増加、そうなれば広告収入も増えるという計算です。言ってみれば、宿泊施設、ヤフー、利用客、広告主の「四方良し」を狙った戦略です。


 ちなみに、広告代理店大手の電通によりますと、2014年の国内の総広告費は6兆1522億円で、前年に比べ2.9%増加しています。

 昨年は消費増税後の落ち込みもありましたが、増税前の駆け込みや冬季五輪、サッカーW杯のようなビッグイベントが需要を喚起し通年では3年連続で前年実績を上回っています。国内の総広告費が6兆円を上回るのは6年ぶりのことです。

 内訳で最も多額なのがテレビメディア広告費で額は1兆9564億円、伸び率は前年比2.8%増でした。次いで規模が大きいのがインターネット広告費で額は1兆0519億円と、初めての1兆円超え。前年比では12.1%増で、断トツの伸び率となっています。

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東京大空襲

 今からちょうど70年前となる1945年の本日3月10日。「東京大空襲」が行なわれ、10万人以上の都民が1夜にして命を失いました。

 本日は70年目の命日にあたり、広島と長崎の原爆の日(8月6日と9日)とともに、多くの人が犠牲になった忘れられない日です。

 3月9日の夜10時30分、アメリカ軍編隊が東京上空に飛来。ラジオにて放送中の軍歌が中断され、警戒警報が発令されました。同編隊は房総半島沖に退去して行ったため、警戒警報は解除。ここに大きな油断が生じ、9日から10日に日付が変わった直後の午前0時7分に爆撃が開始されました。


 約300のB-29爆撃機による爆撃は深川地区へ初弾が投下され、その後に城東地区、午前0時20分には浅草地区や芝地区にも投下され、人口過密地帯は火炎地獄と化します。そして、逃げ惑う市民には超低空のB-29から大量の榴弾(りゅうだん)や機銃掃射が浴びせられました。

 3月12日には名古屋大空襲、続いて3月13~14日に大阪大空襲がそれぞれ実行され、多数の死傷者を出しています。

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上野東京ライン

 東海道線の東京駅と東北本線の上野駅を結ぶ「上野東京ライン」が来月14日に開業予定で、昨日その試運転が公開されたとのことです。

 これは利用者も色々便利になりますが、最大のポイントはJRが、品川・田町に拡がる広大な車両基地と田端・尾久に拡がるこれまた広大な車両基地の双方を維持する必要がなくなることでしょうか。?

 東海道線と東北本線を繋げられれば、車両をプールするロジスティックスは大幅に効率化出来ますから、一つの車両基地で用は足ります。或る意味当然、田端基地を残して品川基地を整理して売却するそうで、その大きさ13ヘクタールだそうです。


 JRって凄いですよね。日本最大の地主、しかも一等地ばかりを所有している地主ではないでしょうか。?

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第一印象

 2016年卒業予定者から就職活動の解禁時期が3月1日に繰り下げられましたが、実際には1月下旬の時点ですでに書類選考や面接なの選好を受けた学生は多く、昨年末に内定を得て就活を終えている学生もいるそうです。

 就活解禁日などの取り決めは守られないのが常ですが、ルールを守った正直者が馬鹿をみるような世の中にはなってほしくないものです。


 ところで、以前のアンケート結果によりますと、面接担当者が能力や人柄を判断する際、「第一印象」が大きく影響していることが明らかになっています。

 その第一印象については、「入室時から第一声まで」の段階で決まるとの回答が47.7%と最も多く、入室時から第一声までの約3分間が勝負ということになります。

 ちなみに、第一印象が芳しくない場合、実力があっても面接に失敗するケースが半分以上あると指摘されています。

 第一印象は「面接を続けてもその後もほとんど変化しない」という回答もあり、面接においては「最初の3分間で決まる」と言えそうです。

 上記のようなことは就職活動に限らずで、良い印象は良い出会いにつながります。

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桜の開花予想

 気象情報を提供する日本気象協会やウェザーニューズの桜の開花予想によりますと、今春の開花はおおよそ平年並みだそうです。


 今はまだ梅の季節ですが、桜を想う気の早さ。

 「梅が香を桜の花に匂わせて柳の枝に咲かせたい」とは欲張りな。
 
 花の話をしていれば

 「梅もきらいよ。桜もいやよ。ももとももとの間(あい)が良い。」


 「梅は咲いたか 桜はまだかいな 柳なよなよ風次第
              山吹ゃ浮気で 色ばっかり しょんがいな

  昨日 北風 今日は南風 明日は浮名の たつみ風
               恋の風なら 色ばっかり しょんがいな

  アサリ取れたか ハマグリまだかいな アワビくよくよ 片想い
             サザエは悋気で 角ばっかり しょんがいな

  恋の浅草 二人で行こかいな 何を言問 都鳥
                  末は千鳥で 泪橋 しょんがいな」



 いずれも都々逸や端唄(はうた)などですが、力の抜け加減がなんとも心地よく感じます。

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21世紀の資本

 今話題のパリ経済学校トマ・ピケティ教授の「21世紀の資本」によると、株や土地などの資本の収益率は、過去200年で年平均5%。かたや、給与所得などによる経済成長率は1%~2%の水準。

 つまり、額に汗して一生懸命いくらあくせく働いても、土地や株をいっぱい持って昼寝しながらぼっーとするのに叶わない。
 よって、格差は広がるばかり。

 資本主義の世の中を否定するわけではないが、格差が拡大して中間層が消滅してしまわないような施策が必要だ、というシンプルな論理です。

 資本主義のなすがままに任せてはいけない!
 ”自由”の持つ暴力的なチカラで弱者はこてんぱんにやられる。



 さて、ソフトバンクという会社を知らない人はいないでしょう。

 歴史のある伝統的な会社にない”やんちゃ”な感じがする優良企業ですが、社長が創業者なだけに、株主構成を見ると、社長の孫氏の保有株数は発行株式の20%を超える231,205,000株。

 ところで、ソフトバンクの2014年度の年間配当金は、40円です。

 ざっと計算すると、孫氏の手にする配当額は合計で、92.5億円。
 約2割の税金を差し引いても、約74億円。

 1年間でですよ。

 孫氏が昼寝をしていると言うのではまったくなく、世界的にも極めて優れた経営者で、おそらく24時間、365日、経営のことを考えていらっしゃるでしょう。

 これまで大きなリスクをとってきたからこそ、現在の会社があるのだとも思います。

 ここで申し上げたいのは経営者の評論ではなく、資本の持つチカラです。



 格差是正の意思表示は、投票行為で行うこととして、資本収益率が年平均5%であるというなら、私たちも、この話に乗っからない手はないと思うのです。

 つまり株や土地のような資産を持つということ。


 世の中の資産家という人たちが、一攫千金を夢見るにわか投資家のように、売買を繰り返しているとは思えません。

 手に入れたら長い間保有して成長を待つ、、、そんな投資スタイルではないでしょうか。

 年平均1~2%の給与所得の収益率だけに甘んじるのではなく、少額でもより高い収益の確保を目指して、一歩踏み出してはいかがでしょうか。?

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啓 蟄

 本日は満月、そして二十四節気の一つ「啓蟄」。ひな祭りも終わり、土中に冬ごもりしていた虫たちが一斉に春のことぶれを感じ取り、地上に顔をのぞかせる頃です。まだまだ寒い時節ではありますが、一雨ごとに気温が上がり、日差しも徐々に暖かくなってきます。


 奈良東大寺のお水取りも始まり、草木萌(も)え出る爛漫の春もすぐそこに来ています。


           『梅は匂い、桜は花、人は心ぞ、振りいらぬ』


という言葉を思い出しますが、梅はその香を、桜は花の美しさを、そして人は心を愛(め)でよ、といいます。

 そして、人は心があれば外見を飾りつけて装うことなどどうだっていいと言っています。単純なことを言っているようで、なかなかに含蓄が深く、日本古典の素晴らしさかもしれません。

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梅の名所

 まだまだ寒い日が続きますが、それでも公園や山寺、緑豊かな住宅地などを歩きますと紅白の梅の花がほのかに香り、春の訪れを感じる季節になりました。

 以前の「おすすめの梅の名所」ランキングでは、1位が東京都青梅市の『吉野梅郷』(よしのばいごう)となっていました。

 もともと食用の梅農家が多かった地域に、青梅市が1972年に町おこしをねらって観賞用に「梅の公園」を整備。4万5000平方メートルの土地に赤、白、黄など1500本の梅が咲き誇るそうです。

 2位は神奈川県の『湯河原梅林』で、1996年から一般公開が始まりました。4000本の梅が紅白鮮やかに咲き、視覚を圧倒する風景が持ち味だそうです。


 3位は菅原道真ゆかりの『北野天満宮』(京都)で、道真の命日である2月25日に「梅花祭」が開かれます。「舞妓」(まいこ)や「芸妓」(げいこ)たちが梅の咲く境内で茶会を開く光景は京都ならではです。


 ちなみに、「舞妓と芸妓、どう違うの?」となりますが、「舞妓」と「芸妓」は、唄や踊り・三味線などの芸で宴席に興を添えることを仕事とする女性の事をいい、「舞妓」とは「芸妓」になる前の15歳から20歳くらいまでの未成年の少女のことを言い、「舞妓」として修行した後に「芸妓」になるそうです。

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全人代

 中国では今日から、年に1回の全国人民代表大会(全人代)が開幕します。

 3千人の代議員を擁する全人代は中国の一院制議会で、日本における国会に相当し、中国においては立法機関かつ、行政権・司法権・検察権に優越する最高権力機関として位置づけられています。

 国民の直接選挙によって選出された議員で構成される日本の国会とは違い、全人代は省や自治区・直轄市・特別行政区の人民代表大会および中国人民解放軍から選出された代議員によって構成されます。

 実態としては全人代常務委員会や国務院などが提出した議案や予算をほぼ自動的に承認する機関ではありますが、指導部によるその年の経済成長率の設定目標が毎回注目されます。

 昨年の中国の経済成長率目標は7.5%でしたが、今年は7.0%に引き下げるだろうというのが大方の見方です。

 足元の中国の経済指標は景気の停滞を示すものが目立つことから、全人代開幕前の先週土曜日、中国人民銀行(中央銀行)は景気テコ入れのために追加利下げに踏み切りましたが、一段の緩和が必要なのは明白です。

 米国の金融政策は緩和縮小から利上げの方向に向いていますが、日本や中国、欧州が金融緩和策を継続あるいは強化していることは世界のマーケットにとってフォローの風となります。

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サヨリ

 3月14日の北陸新幹線の開業で賑わう石川県。その石川県の春の県魚に指定されているのが、冬から春にかけて水揚げされる「サヨリ」です。その姿形から漢字では「針魚」、「細魚」と書きます。


 「花見魚」の別名でも呼ばれ、京都府でも春の府魚に指定されるなど春を告げる魚とされています。


 昔から多くの詩人の歌などにも詠まれ、

  ・橋影に 失せてはのぼる サヨリかな   吾 亦紅

  ・汁椀に 沈むさよりの 結び文      山本 櫓村

  ・サヨリはうすい サヨリはほそい

   銀の魚 サヨリきらりと光れ サヨリお姉様に似ている  北原 白秋

等々があります。


 脂の乗り具合はほどほどで、姿形と同様に味は上品。刺し身が最も一般的ですが、てんぷらやお吸い物、一夜干しにしても美味。寿司店では、通好みのネタとして扱われています。

 鮮度が落ちやすく、腹部から痛んでくるため、スーパーなどで選ぶ際には、腹部が銀白色のものを選ぶとよいです。

 ちなみに、お腹の部分を開けると中が真っ黒なため、腹黒い人のことを「サヨリのような人」 と言う場合があるようです。

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学生生活調査

 多くの大学生が奨学金の申し込みをする「日本学生支援機構」が2年に1度調査しているのが「学生生活調査」。

 平成26年度は現在調査中だとのことで、まだ公表されていません。

 直近の平成24年度の結果をみて、子どもの大学入学を控えた親の方々には、自分たちの大学生時代と子どもの大学生生活の経済状況の違いを理解し、親としての覚悟を決めていただければと思います。

「子どもを大学に通わせることは、そういうことなのだ」と。


 まず、現在の大学生の奨学金の活用状況は、52.5%。
 2人に1人以上は、奨学金を活用しています。
 いまや奨学金を受け取ることは恥ずかしくもなんともない時代。大学を卒業したら多くの人が、10年以上かけて、奨学金を返すのです。

 親のほうも、子どもが自立すると同時に借金を抱えた状態にしてしまうことに対して、申し訳ない気持ちになることも自責の念に駆られることもありません。・・・・・みんなそうなのですから。

 大学生の1年当たりの学費は、国公立大学では67~68万円。授業料などが50万円強で、修学費や課外活動費等が15万円程度。

 私立大学のそれは132万円。国公立大の約2倍ですね。

 学費等以外の生活費は、国公立大学は1年間で79~89万円。私立大学は66万円となっています。

 生活費の国公立と私立の差は、食費と住居費・光熱費が影響しています。国立大学のそれは54万円、公立では44万円、私立では33万円です。


 大学生の1年当たりの収入は、約200万円です。
 その内訳は、親からの給付が約60%、奨学金が20%、アルバイトが16%となっています。


 居住形態別の生活費(学費等を含む全体)をみると、下宿の学生は、自宅学生よりも約50万円多くかかっています。
 国立の自宅生の生活費を基準とすると、国立の下宿生は1.5倍、私立の自宅も1.5倍、私立の下宿生は2.1倍です。


 国公立の自宅生:約115万円
 国公立の下宿生:約180万円

 私立の自宅生:約176万円
 私立の下宿生:約241万円


 この内訳をしっかりと考える必要がありますね。

 奨学金でいくらの収入が得られる?
 学費は親がどうやって負担する?
 親からの仕送りはいくらにする?
 などなど・・・・・

http://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/12.html

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花粉症

 「今春の花粉は都内で昨春の2倍近くに増える」との予想が出ていましたが、先週火曜日あたりから飛散量が急増し、猛烈な勢いで飛散しているようです。

 地域によって飛散する花粉や時期が異なりますが、関東地方では2月から4月はスギ花粉、4月から5月はヒノキ花粉、6月から8月はイネ科花粉、8月から10月はブタクサ花粉が主として飛散します。


 日本の人口の5人に1人が花粉症と言われていますが、人口が1億2000万人として約2400万人が花粉症ということになります。国民の経済的負担も極めて大きい訳ですが、仮に、花粉症の方の半数が医者に通い、花粉症の時期の2ヶ月間に3600円を病院に払うとします。3割負担として、総額1万2000円の内、8400円が健康保険からの出費で賄われることになります。

 単純な試算ですが、

 2400万人÷2×8400円=1008億円

 すなわち、1年のうち、僅か2~3ヶ月で1000億円を超える金額が健康保険から支払われることになります。

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江戸っ子

 厳密に「江戸っ子」を定義すると、次のどれになるでしょうか?

壱 芝で生まれて神田で育った者
弐 江戸に三代続いて居る者
参 神田明神と山王様の氏子
肆 下町に住んでいる土地持ちの者

 いかがです、お分かりになりましたか?
正解は参の神田明神と山王様の氏子、です。

 江戸に幕府が開かれた時、幕府にとっての『仮想敵国』は、関ヶ原の戦で敗れた西国方大名と「寺社」でした。初代将軍・家康公が、まだ天下平定の途上である時、頑強に抵抗したのは、一向宗(浄土真宗)を信仰する信者らによる「一向一揆」でした。江戸幕府が開かれ、平和な時代が訪れたとは言え、寺社の持つ信者と言う勢力は、侮れないモノでした。織田信長が宗教勢力に対して弾圧をした本願寺焼き討ちの様な手荒な事を好まなかった家康公は、折からの「キリシタン禁教」に伴い、この危険な仏教勢力を、自らの配下に置いてしまうと言う奇策を思いつきます。すなわち、日本国民すべては、いずれかの寺社の「氏子」として登録を義務付け、キリシタンではない事を証明させると共に、「氏子」つまり檀家が増えて寺社が裕福になる様な政策を取ったのです。

 全国民がいずれかの寺社の檀家として登録する、つまり、住民の戸籍管理を寺社に行わせる事により、幕府の組織の一員となり、寺社は幕府には逆らいにくくなります。ましてや、幕府のおかげで「氏子」が増えて、実入りも良くなれば、その現状に満足して、幕府に反旗を翻す事もなかろうと・・・まさに「狸オヤジ」らしい、家康公の政策です。

 このため、江戸に住む町人、つまり江戸っ子たちは、江戸の二大宗教勢力である「神田明神と山王」とその末社のいずれかの「氏子」になったのです。

 そして、武士や店持ち商人などは江戸っ子と呼ばず、江戸に三代続いて居れば江戸っ子とか、芝で生まれて神田で育った者を江戸っ子とするなどの諸説がありますが、厳密に定義すると、江戸っ子とは、「神田明神と山王様の氏子」の事を言う事になります。

 そもそも、氏子とは、氏神、つまり日本において、同じ地域(集落)に住む人々が共同で祀る神道の神の元、同じ氏神の周辺に住み、その神を信仰する者同士を氏子というのです。

 本来の氏神は、古代にその氏人たちだけが祀った神であり、祖先神であることが多かったのです。中世以降、氏神の周辺に住み、その祭礼に参加する者全体を「氏子」と称するようになります。同じ氏神を祭る人々を「氏子中」、「氏子同」と言う様になります。

 通常、氏神と氏子という関係は、生家の氏神や地元にある神社で、氏子入りをすることにより生じるとされ、お宮参りが産土神(うぶすながみ)と言う、生まれた土地の神に対して行われる様に、多くの場合において、産土神を氏神とすることが多いのです。お宮参りと氏子入りの儀式は必ずしも同一ではありませんが、氏神と産土神の区別がなくなって以降、お宮参りが氏子入りを意味する場合が多くなり、お宮参りにおいて、氏子である証明の氏子札を授与されることが一般化したのです。

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