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松の位の太夫職

 落語などでよく花魁の事を「松の位(くらい)の太夫職」と表現します。実は位階の「五位」は「太夫」と言うのですが、「松の位」と言う位階、冠位、役職は、日本にも、日本が見習った古代中国にもありませんし、「松の位」の他は「竹の位」も「梅の位」も、ましてや「杉の位」、「草の位」なんてものは、どこにもありません。では、なぜ、日本では一流の花魁を「松の位」などと、独特の呼称で言うのでしょうか?

 古代中国で、秦(しん)の第一世皇帝。紀元前221年中国史上最初の統一国家を築き、万里の長城を増築した「始皇帝(しこうてい)(前259~前210)」と言う方がおります。この方が外出した折、にわかに、夕立が降って来ました。あいにくと雨具の用意はありません。しかし、始皇帝は、そばにあった松の木の下で雨宿りをし、濡れずにすんだのです。これに感激した始皇帝は、「感心な松である」と言う事で、その松の木に「五位」と言う、高位な位階を授けたのです。

 そんな逸話から、売れている高級花魁は「何々太夫」となのります。太夫は「五位」です。つまり始皇帝から「五位」の位を授かった「松」と同じです。したがって、高級花魁を「松の位の太夫職」などと評する様になったのです。

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