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三公社五現業

 日本には以前、公共企業体と国の経営する企業としていわゆる「三公社五現業」というのがありました。

 三公社とは、日本専売公社(専売公社)と日本電信電話公社(電電公社)、日本国有鉄道(国鉄)の三つを指し、専売公社は日本たばこ産業(JT)に、電電公社はNTTグループにそれぞれ民営化されました。

 国鉄は1987年(昭和62年)に、北海道旅客鉄道(JR北海道)、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東海旅客鉄道(JR東海)、西日本旅客鉄道(JR西日本)、九州旅客鉄道(JR九州)、日本貨物鉄道(JR貨物)などに分割され現在に至ります。

 山手線や東海道新幹線、大阪環状線などドル箱路線を持つ本州三社(JR東日本、東海、西日本)はすでに上場を果たしています。

 三島会社(JR北海道、四国、九州)は赤字路線が多く、収益基盤が弱いため上場が見送られてきましたが、JR九州の鉄道事業は今期黒字化する見通しで、今月25日に同社念願の上場を果たします。

 国鉄分割民営化で誕生したJRの上場は、1993年のJR東日本、1996年のJR西日本、1997年のJR東海以来、19年ぶり4社目となります。

 三島会社の鉄道事業は赤字続きですが、JR九州の2017年3月期の鉄道事業は民営化後初の黒字に転じます。

 同社は2016年3月期に、国鉄から分割民営化した際に経営支援として国から交付された3877億円の経営安定基金を取り崩し、九州新幹線の施設使用料を全額一括前払いし、鉄道関連の固定資産をほぼ全額一挙に減損処理して巨額の赤字を計上。こうした会計処理により鉄道関連のコストが大幅に圧縮され、今年度の鉄道事業が黒字化します。

 参考までに、本州三社とJR九州の鉄道の営業距離と旅客輸送人員数は下記のようになっています。

          (営業距離)   (輸送人員)

    JR東日本 7457km 63億6493万人

    JR東海  1970km  5億5093万人

    JR西日本 5007km 18億8081万人

    JR九州  2273km    8435万人


 クルーズトレイン「ななつ星in九州」の人気や熊本地震による影響など、鉄道関連のニュースが話題になることがありますが、JR九州の総収入における鉄道事業の割合は半分以下であり、ドル箱路線を抱える本州三社と収益構造が大きく異なります。

 JR九州の非鉄道事業は、売上高の大きい順から建設事業、駅ビル・不動産事業、流通・外食事業があります。中でも駅ビル・不動産事業の収益寄与度が大きく、2016年3月期は会社全体の営業利益として209億円を計上していますが、うち駅ビル・不動産事業が204億円を稼いでいます。ちなみに、JR九州はマンション供給戸数で九州最大級のデベロッパーです。

 なお、国土交通省が所管する鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道運輸機構)がJR九州の全株式を保有しており、今回の新規上場(IPO)では鉄道運輸機構が保有する全株式が売りに出されます。

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