« 果実の価格 | トップページ | 夏越の禊 »

辛 子

 辛子の原料は、アブラナ科の越年草、カラシナの種子で、この種子を芥子

(がいし)と言います。カラシナの原産地は中央アジアあたりで、種子の色

からカラシナ、シロカラシ、クロガラシに区別され、カラシナは「和からし」、

シロガラシやクロガラシは「洋からし」に用います。日本へ伝わったのは古く、

弥生時代とも言われ、平安時代の延喜年間(901~923)に編纂された『本草和名』

や、承平年間(931~938)に編纂された『和名抄』などには、すでにカラシの記

載があります。

 

 カラシナの種を芥子、シロカラシの種子も白芥子(びゃくがいし)と言い、
漢方薬としては、日本では芥子、中国では白芥子が使われます。芥子には、
辛味配糖体であるシニグリンなどが含まれ、鎮痛作用が期待できます。
「腹が具合悪い(お腹の痛い)」患者に、漢方薬として、シニグリンを含む
辛子を煎じて飲ませるのは、理にかなっています。

 

 また、シニグリンそのものには辛味も刺激性もないのですが、すりつぶし
て粉にして、水で練り合わせると、ミロシンという酵素の作用により加水分
解されて、強い辛味と刺激性を持つ、揮発性のアリルイソチオシアネートと
いう物質が生じますので、漢方では貼付剤としても用いられます。具体的に
は、辛子の粉末を水で練って、ペースト状にしたものを体に貼付して用いま
すが、定期的に貼ってある位置を変えないと、刺激で皮膚が赤くはれ上がり
ますので、注意が必要です。

 

 

|

« 果実の価格 | トップページ | 夏越の禊 »

つぶやき」カテゴリの記事