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香 典

 香典(香奠とも)とは、ご存知のとおり、お葬儀の時に、死者の霊前にお
供えするお金の事で、香料とも言います。「香」の字が用いられるのは、香
(線香)の代わりに供えるという意味で、「奠」とは霊前に供える金品の事
です。現代では、香典袋(不祝儀袋)に入れて葬儀(通夜あるいは告別式)
の際に遺族に対して手渡すのが一般的です。

 

 香典返しは、仏式ならば四十九日の法要後、神式ならば五十日祭を終えた
後の忌明けに、遺族が香典をくれた方におくる金品で、香典五分返しとの言
葉があるとおり、香典返しの金額は、いただいた香典の三割から五割が一般
的です。現代では、現金で返す事は少なく、品物を送るのが一般的です。頂

いた方全員に同じ品物を贈ることもありますが、香典の額に応じて変える事

のほうが多いようです。香典返しの品は、お茶・お菓子・のり・砂糖・せっ

けん・洗剤などの食品や消耗品で、形が後に残らない(悲しい記憶が残らな

いように)物を贈ります。

 

 前述しましたが、香典は古くは「奠」の字を用いるのが一般的でした。奠
とは供え物の意味であり「香奠」とは、故人に対する供物であると共に、不
幸に遭遇した家族への支援の意味もあります。そのため、古くは香奠として
食料を送り、それを僧侶や葬儀参加者の食事に宛てることが多くありました。
また、穢れの思想が強かった時代に、葬儀に携わる故人の親族が、会葬者と
接触して穢れを広めないように、故人の家族と親族の食料をあらかじめ用意
しておくという場合もありました。

 

 また、これとは別に葬儀に参列する知人・友人は、穢れと接触するのを最
低限にするために、地域の宿屋あるいは食堂を借りて食事を摂り、それは地
域の負担として住民で用意する事もあり、これを「村香奠」などと呼びまし
た。後に穢れの観念が希薄となると、故人の家族・親族と友人・知人の食事
は一緒に行われるようになり、香典も全てが故人の家族に渡されるようにな
っていきました。故人との親疎によって香典の料も違い、喪主を務めない故
人の実子は米か麦を一俵丸ごと差し出し、更に酒一樽を付ける慣習もあり、
これを「一俵香奠」と呼びます。

 

 香典が品物から金銭に代わり、食料がその副物として、簡単な供物に代わ
っていくのは、武士階層では室町時代、一般庶民では明治時代以後、一部農
村部では戦後に入ってからの事と言われています。

 

 

 

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