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ブラックスワン戦略

 2007年4月の刊行で、その後のサブプライム問題の顕在化とリーマンシ
ョックの発生で大きな注目を集めた「ブラック・スワン 不確実性とリスクの
本質」という本があります。

 

 著者のナシーム・ニコラス・タレブ氏は不確実性科学を専門にする大学教授
にして20年超のキャリアを持つトレーダーであり、ヘッジファンドの顧問も
務めた人物です。

 

 ちなみに「ブラック・スワン」とは文字通り黒い白鳥のこと。白鳥の色は白、
そのことを疑う者などいなかった昔の西洋で、オーストラリア大陸の発見と同
時にそこには黒い白鳥が存在することが分かり、白鳥は白いという常識はある
日突然常識ではなくなってしまいます。

 

 この逸話に由来する「ブラック・スワン」は、ありえない事象、誰も予想し
なかった事象の比喩として使われています。

 

 副題に「不確実性とリスクの本質」とあるこの本はサブプライム問題が表面
化する以前に書かれたもので、ブラック・スワンには以下の三つの特徴がある
としています。

 

 1)予測不能な極端な現象

 

 2)発生すれば広範囲に多大な影響を及ぼす

 

 3)いったん起きてしまえば、いかにもそれらしい説明がなされ、実際より
   も偶然には見えなくなったり、最初から分かっていたような気にさせら
   れたりする

 

 

 黒い白鳥が舞い降りただけでそれまでの常識が覆される現実世界のもろさ。
さらに、説明のつくブラック・スワンには過剰反応し、説明のつきにくいブラ
ック・スワンは無視され、それが後々重大な結果をもたらすと、著者は説明し
ます。

 

 ちなみに、発生の可能性は低いが発生すれば大きな損失が発生してしまうリ
スクを「テールリスク」と呼び、これも「ブラック・スワン」と同じような意
味でつかわれます。

 

 つまり「ブラックスワン戦略」とは、テールリスクに備える保険戦略であり、
「ありえないなんてことはありえない」・「想定外をも想定する」という観点
に立脚しています。

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