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石 鹸

 日本に初めて石鹸が伝わったのは、安土桃山時代と推測されています。石
鹸について書かれているもっとも古い文献は、文禄五年(1596)八月(旧暦)
(十月二十七日に改元して慶長元年)、かの石田三成が、博多の豪商神屋宗
湛に送ったシャボンの礼状だといいます。徳川家康公が征夷大将軍となり、
江戸に幕府を開いたのが慶長八年(1603)ですから、かなり古くから、石鹸
が日本に渡来してのですね。なお、家康公が亡くなった後、遺品を整理して
いたら、大量の石鹸が見つかりました。当時、日本ではまだ石鹸は製造され
ていませんので、すべて、高価な舶来品です。

 

 日本で最初に石鹸が製造されたのは、江戸時代後期で、蘭学者の宇田川榛
斎(うだがわしんさい・1769~1834。大槻玄沢の弟子)・宇田川榕菴(うだ
がわようあん・1798~1846。榛斎の養子)が、文化七年(1824)、医薬品とし
て作成したと伝わります。

 

 ただし、石鹸が日本で一般に普及したのは明治後半の1900年代に入って
からです。現代日本で、石鹸はお中元・お歳暮・香典返しなどの贈り物とし
て定番となっていますが、古くは「身だしなみが悪い」、「体が臭い」とい
う当てこすりの意味に取られる場合があり、贈答に用いることを控えること
もありました。また、石鹸を受験生に贈ると「滑る、落ちる」から、縁起が
悪いとしたり、逆に「厄落とし」になると意味づけるなどの若者文化があっ
たそうです(いつの若者だ?)。

 

 それから、芳香剤が普及するまでは、石鹸を箪笥に入れて、衣類への香を
移すという習慣もありました。私が子供の頃、学校などで石鹸を網袋に入れ
て、水道の蛇口に吊してありましたが、カラスが食べてしまうため、現代で
は廃れて、ほとんど見かけませんね。

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