脱炭素シフト
世界的な脱炭素シフトにより、石炭を主燃料とする火力発電所の発電が抑制
され、欧州では二酸化炭素の排出量が比較的少ない天然ガス(LNG)の
需要が急増しました。
こうした動きは欧州や中国で電力不足を招くとともに、天然ガスの価格が高
騰。天然ガスは原油換算で一時1バレル当たり300ドルを超えて上昇し、過
去最高値を更新しました。
天然ガスの高騰により原油の代替需要が高まったことに加え、ラニーニャに
よる厳冬への警戒が原油相場を押し上げており、主要産油国で構成するOPE
Cプラスが先行きの供給過剰を懸念して協調減産を縮小しなかったことや、一
部の産油国が生産を増やせない状況にあるなど供給サイドの要因も加わり、N
Y原油(WTI、先週末終値82.28ドル)は時間外取引で一時83.73
ドルと2014年10月下旬以来、7年ぶりの高値をつけました。
また、脱炭素シフトとは、太陽光や風力による電力供給の割合を引き上げる
ことであり、化石燃料で走る車を廃して電気自動車(EV)に置き換えること
です。
太陽光や風力による発電を大規模に拡充するには銅が原料となる送配電網の
増強が不可欠となり、電気自動車ではガソリン車1台の3~4倍もの銅を使用
します。
こうした需要の増加に加えて、電力不足が精錬能力の低下(供給減)を招き、
銅などの金属価格の上昇に拍車がかかっています。
| 固定リンク
最近のコメント