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ソロスの投資哲学

 現在のEU(欧州連合)が誕生する前の話ですが、EC(欧州共同体)とし
て経済統合を目指した欧州諸国は、域内の通貨間の為替レートを事実上固定す
るEMS(欧州通貨制度)とERM(欧州為替相場メカニズム)を進めていま
した。

 

 1990年10月に東西ドイツが統一されると、域内に投資資金が流れ込み、
欧州の金利は高めに推移していました。当時のイギリス経済は「英国病」とい
われるほどの長い停滞期にありましたが、高金利通貨である欧州通貨の価値が
上昇するとともに英ポンドも上昇しました。

 

 これを経済の「歪み」と認識し、積極的に投機に利用したのがジョージ・ソ
ロス氏です。

 

 英ポンドはイギリスの経済実体から乖離して過大評価の域に達しているとみ
たソロス氏は、100億ドル以上のポンドの空売りを決行。防戦に回ったイン
グランド銀行(英中央銀行)はついには降参し、イギリスはERM脱退を余儀
なくされます。

 

 ソロス氏はこの時、20億ドル以上の巨利を手にしたといわれ、「イングラ
ンド銀行を潰した男」と呼ばれるようになりました。

 

 そんなソロス氏の投資哲学は下記のような発言からも垣間見れます。

 

 

◆ 「市場は常に間違っている」というのは私の強い信念である。

 

 

◆ 私が確かに人より優れている点は、私が間違いを認められるところです。
  それが私の成功の秘密なのです。

 

 

◆ 市場のトレンドに追従する行動は必ずしも非合理的ではない。何も考えな
  いトレンド追従者は市場の変わり目に傷つくだろうが、十分警戒していれ
  ば生き残る可能性が高い。

 

 

◆ 私の実践的スキルを要約せよと求められたなら、ただ一言「サバイバル」
  と答えるだろう。まず生き残れ。儲けるのはそれからだ。

 

 

 

 

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