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帝政ロシア

 バイデン米大統領は今日の一般教書演説で、プーチン露大統領を独裁者と呼
び、「自由は専制主義に常に勝つ」と強調しました。

 

 ちなみに専制主義とは、強大な政治権力を持った支配者が独断的に行う政治
体制のことで、もちろんバイデン米大統領が言った専制主義とは現在のロシア
を指します。

 

 ところで、200年ほど前、日本と戦った頃のロシアは皇帝(ツァーリ)の
ニコライ2世が絶対君主として君臨する専制国家でした。

 

 日本と帝政ロシアが戦争に突入する前、ニコライ2世は「わがロシア帝国と
日本との戦争は有り得ない。なぜなら朕がそれを欲しないから」と言ったとさ
れます。

 

 専制国家では、統治者が絶対的な権力を持つ故に、その周りは聞こえの良い
ことばかりを言う側近で占められ、批判意見を認めず、冷静かつ客観的な情勢
分析は必要とされません。

 

 ニコライ2世の発言には、日本側の戦力や能力、士気などを考慮した形跡が
なく、何事も意のままである身辺の状況と国際情勢を同一視しています。

 

 独裁者が「英雄的自己肥大の妄想をもつとき、何人といえどもそれにブレー
キをかけることができない。制度上の制御装置をもたない」のが専制国家の特
徴で、司馬遼太郎はその著書「坂の上の雲」で、日露が開戦した際、ロシアは
「専制国家」であるというただ一つの理由のみで、当時のセオドア・ルーズベ
ルト米大統領は日本の勝利を予想したと書いています。

 

 また、日露開戦後のロシア国内で、労働者の生活向上と日露戦争の中止を求
めて大勢の民衆が皇宮へ向けてデモ行進しました。それに対し軍隊が動員され、
非武装の民衆に発砲、数千人が死傷したとされます。

 

 「血の日曜日事件」として歴史に刻まれた弾圧で、この事をきっかけに民衆
の心は皇帝から離れ、帝政ロシアは内部からも弱体化してゆきます。

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