「侵攻」と「侵略」
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、3月5日には北朝鮮が日本
海に向けてミサイルを発射。こう書きますと、ミサイルではなく正確には「飛
翔体」ですという言葉が返ってきそうですが、ロシアによる「侵攻」にしまし
ても、侵攻から先日には「侵略」に認定したと政府がコメントしています。
「侵攻」と「侵略」。この場に及んでも何だか言葉のお遊びをしているよう
にしか思えて仕方ありませんが、北朝鮮の飛翔体の発射は今年に入って9回目。
政府関係者は、その度に「断じて容認できない、安保理決議にも違反するもの
であり、強く非難する」と北朝鮮に対して大使館ルートを通じて「抗議」した
と毎回ほぼ定型文のようにコメントしています。
そしてもう一つ。よく使われるのが「遺憾」という言葉です。9回のミサイ
ル、いや飛翔体の発射からしますと、いずれの言葉に対しても日本の「抗議」
や「遺憾」など相手にもされていないことになります。よく使われる言葉にも
う一つ「強い懸念」もあります。昨日は、中国の国防費の増加に対して官房長
官が「安全保障上の強い懸念」とコメントしています。
「抗議」、「遺憾」、そして「懸念」。昨日は「強靱な国家防衛が急務とな
ったこの期に及んで、それができていないことが遺憾」というコメントを目に
しましたが、まさしく遺憾にぴったりの表現に思えてなりません。
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