地熱発電
地熱発電の分野で先進国とも言えるニュジーランドのアーダーン首相が先日
来日し、同国政府系研究機関との地熱発電開発の共同事業体設立の記念式典で
あいさつしました。
エネルギー資源が乏しい日本において、地熱の資源量(潜在的な発電能力)
は米国、インドネシアに次いで世界3位のポテンシャルを持つとされ、石油の
ように枯渇することがなく、太陽光発電や風力発電のように昼夜や季節で変動
することなく安定して利用でき、設備を更新していけば半永久的に発電できる
という利点があります。
日本には地熱で2340万キロワット発電できる資源量があるとされながら
実際の発電量は55万キロワットと火力発電所1基分にしか過ぎず、資源量の
2.4%程度しか利用できていません。
日本で地熱の利用が進まない理由は、利用できる熱源のおよそ8割が、法律
で開発が厳しく規制されている国立公園や国定公園の「特別地域」にあること
が一つ、もう一つは地熱は掘削してみないと正確な資源量や状況がわからない
というリスクの存在、さらには熱源の周辺にある温泉地が開発による湯量の減
少などを警戒して反対するケース多いためです。
ただ最近は、原発事故やエネルギー価格の高騰を受けて地熱利用への機運が
高まっており、国も国立・国定公園内の開発に対する規制を緩和するなど開発
に着手しやすい環境が整いつつあります。
ちなみに、地熱発電用タービンなどの地熱発電設備においては日本メーカ―
が圧倒的シェアを占めています。
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