土用の丑の日
陰陽五行説では天地間の出来事のすべては、木・火・土・金・水の五つの要
素からなり、その盛衰・消長などによって定まると考えられました。
春に「木」、夏に「火」、秋は「金」、冬に「水」を配し、季節と季節の間
に「土」を配したのが「土用」の始まりで、今日から立秋前日までが夏の土用
となります。
夏の土用と言えば丑の日ですが、今年は7月23日(土)と8月4日(木)
の2回あります。
土用の丑の日に鰻を食べる習慣は、江戸時代中頃の才人・平賀源内がきっか
けだったことはよく知られていますが、鰻の栄養価が高いことは古くから認め
られており、平賀源内が活躍した千年も前に編纂された万葉集には滋養豊な鰻
を詠んだ歌(下記)が残されています。
「石麻呂(いしまろ)に 吾れもの申す
夏痩せに よしといふものぞ 鰻(むなぎ)とり食(め)せ」
石麻呂という人の夏痩せがひどいので、滋養のある鰻をとって食べるようす
すめた歌で、三十六歌仙の一人、大伴家持(おおとものやかもち)の作です。
市場関係者にとって、鰻は「うなぎのぼり」に通じる縁起物で、豊富に含ま
れるビタミン類は免疫力を高める効果もあります。
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